劇場と映画、ときどき音楽と本

オペラ、バレエ、歌舞伎、文楽などの鑑賞日記です

フォークトのコンサート

2018-04-12 20:11:03 | 音楽
昨年、新国立劇場で観たフォークトの歌声が素晴らしかったので、東京・春・音楽祭のフォークトのコンサートを聴きに行った。4月11日の19時開演で、東京文化会館小ホール。コンサートは、20分の休憩を挟んで、終了はアンコールを含めて20時40分。実質のコンサートは1時間とちょっと。客席は満席で、結構勤め帰り風の人も多かった。

前半は、ブラームスとシューベルトの歌曲。シューベルトは「美しき水車小屋の娘」から3曲。最後に、カールマンのオペレッタから1曲。軽く歌った感じで、ちょっと物足りなかった。ソプラノのシルヴィア・クルーガーを迎えて、と題名にもあったが、調べてみると、フォークトの奥さんのようだ。なんだ夫婦で来たのかと思った。クルーガーの歌声も美しいソプラノで、強い声ではないが、可愛い声質で楽しかった。

後半は、モーツァルト、プッチーニ、レハールなどからの曲で、最後の方では、ロイド・ウェバーとバーンスタインのミュージカルからの曲を歌った。驚いたのは、「オペラ座の怪人」の「シンク・オブ・ミー」をクルーガーがドイツ語で歌ったこと。どうもドイツでこの役を演じたことがあるらしい。さすがに「ウエスト・サイド物語」の曲は英語で歌っていた。

フォークトの声は期待通りに素晴らしいが、小ホールだったこともあり、思い切り声を張り上げて歌うわけではなく、軽く流した印象。オペレッタの曲で1~2曲だけは美しい声を響かせたが、それだけに終わった。それは良いのだが、コンサートの正味が1時間ちょっとで終わったので、物足りなさが残った。

会場近くに住んでいる人はよいかも知れないが、僕の場合は片道1時間弱で、往復だと2時間近くかかるので、コンサートの正味もそれ以上でないとなんとなく物足りない。東京・春・音楽祭は、全体的に入場料を押さえるためなのか、公演時間が短く設定されている公演が多いような気がするが、これでは本当のファンを増やすことに繋がらないのではないかと思った。

帰りは初めての店で、生ハムとワインの食べ放題と飲み放題を経験。生ハムはまあまあだったが、ワインがちっともおいしくない。やっぱり、飲み放題とか食べ放題はダメだなあと思い、そうした店に入ったことを反省した。