
「タチアオイ」(立葵)の季節も過ぎました、暑い暑い真夏の到来です。
此の時季のマメ科の花3種「ロータス・ヒルスタス ’ブリムストーン’ 」と「タンキリマメ」を挙げました。
<「ロータス ヒルスタス ’ブリムストーン’ 」>
初夏、淡い黄緑色に染めてい若葉も緑色に変わり、白く小さな花を咲かせています。
葉は、三出複葉、細い毛が密生しますので、葉の色は、シルバーグリーンが相当するかな
花と供に葉を愉しむリーフプラントとして、愛用されています。
'ブリムストーン’は、多種類が有る「ロータス・ヒルスタス」の中の園芸種になります。
<プリムストーン>は、<硫黄>の意味ですから、若葉の淡い黄色を指すようです。
マメ科、ドリクニウム(旧ミヤコグサ)属、常緑亜低木、地中海沿岸原産
学名 Orycnium hirsutum 'Brimstone'=Lotus hirstus 'Brimstone'
別名「ドリクニウム ヒルスッス ’ブリムストーン’」、尚、「ロータス」は、旧学名からとか
次のマメ科の花は、「タンキリマメ」(痰切り豆)の花です。
<「タンキリマメ」>
総状花序を出して、10数個の蝶型の花を咲かせます、花色は、淡い黄色でマメ科特有の形をしています。
葉は、3出複葉で、小葉は、厚みが有ります、葉脈が目立つ葉で、「クズ」(葛)の葉に似ています。
萼には、褐色の毛が生えています。
花が終わると、漆黒の種子が2個入った豆果ができます、鞘には、毛が密生します、赤紫色に熟して裂けますが
種子は、暫く鞘に着いて離れないのも面白いものです。
似たものに、「トキリマメ」(吐切り豆)が、有りますが、葉の形の違いで区別出来ます。
種子に痰を切る薬効が有るのでこの名前が付いたとか
マメ科、タンキリマメ属、蔓性多年草、日本、朝鮮半島、中国、台湾に分布、学名 Rhynchosia volubilis
別名「キツネマメ」、「ウイロウマメ」
秋、鞘の色が、一層鮮やかになります、2個の種子が入っているのが分かります。
鞘が弾けて、黒光りする種子が、現れますが、暫くの間、鞘に着いた儘です。
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今回の本題 ”クサギ3種” は、「クサギ」、「ボタンクサギ」、「ゲンペイクサギ」です。
<「クサギ」(臭木)>
”臭い話” で恐縮しますが、臭いのは、葉を傷つけた場合で、花は、其の分、甘い良い香りです。
集散花序に、白く筒部が細く長い花を咲かせます、先端は、5裂して平開します。
花弁は、萼から遠く離れます、4本の雄蘂と、1本の雌蘂が長く突出ます。
緑色の萼が、段々に赤色に変化するのも見物です。
秋に瑠璃色に熟す果実も、赤い萼とのコントラストが美しいものです。
シソ(旧クマツヅラ)科、クサギ属、常緑小高木、日本、朝鮮半島原産、学名 Clerodendrum trichotomum
英名 Harlequin glory bower
萼の色と果実の色のグラデーションが素晴らしい。
時の経過に従って、萼や果実の色が、濃くなってきます。
次は、「ボタンクサギ」(牡丹臭木)です。
集散花序に、小さなピンク色の花を多数着けて、半球状の花穂を作ります。
5裂した花冠から4本の雄蘂と1本の雌蘂を長く伸ばします。
蕾の時は、紅色ですが、花色は、開花するに従ってピンク色です。
葉は、「クサギ」同様、独特の匂いがしますが、花は、甘い香りがします。
<牡丹>の名前は、花穂の姿が、「牡丹」の花に似ているからとか
シソ(クマツヅラ)科、クレロデンドロン属、半耐寒性落葉低木、中国原産、学名 Clerodendrum bungei
別名「ヒマラヤクサギ」、「ベニバナクサギ」、「タマクサギ」
蕾は、赤紫色です。
チラホラ咲き始めました。
最後に「ゲンペイクサギ」(源平臭木)で終わります。
<「ゲンペイクサギ」>
白い萼と赤い花が、源平の旗印の色からこの名前が付いた由
白い袋状の萼の間から花冠の先端が5裂した濃赤色の花が平開します。
4本の雄蘂と1本の雌蘂が、長く伸び出ます、葉は、卵形で互生します。
シソ(クマツヅラ)科、クサギ属、常緑蔓性低木、西アフリカ原産、学名 Clerodendrum thomsoniae
英名 bleeding heart vine、bag flower、glory bower
別名 「ゲンペイカズラ」(源平葛)
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「カンナ ’ダーバン’ 」Canna ' Durban' の葉が、美しい縞模様を描きます。
夏らしい情熱的な花の ”暑さ” を葉の ”涼しさ” が和らげます。
「カンナ」の花は、夏の花、情熱的な色合いですね
キツネノ科(3)” として、「パキスタキス・ルテア」の花と
主に、葉を愛でる「ヒポコステス」を挙げてみました。
<「パキスタキス・ルテア」>
茎の先に、黄色い苞を鱗状に着け花穂が立ち上がり、苞の間から白い舌状の花を咲かせます。
露地での開花期も夏から秋と長く、冬は、植物園の温室で見ることが出来ます。
種類として、数種有るようですが、「パキスタキス」といえば、此の「パキスタキス・ルテア」を指すとのこと
白い花は、一日で萎れますが、苞は、長い期間残って楽しめます。
<パキスタキス>とは、ギリシャ語で<パキスタ>(太い)、<スタキス>(穂)を意味するとか
4角錐に立ち上がる穂を著しているようです。
キツネノマゴ科、パキスタキス属、常緑低木、ペルー原産、学名 Pachystachys lutea
英名 lojjypop plant、別名「ウコンサンゴバナ」(鬱金珊瑚花)
次は、前回と同様に、花より葉を愉しむ「ヒポエステス・フィロスタキア」です。
<「ヒポエステス・フィロスタキア」>
葉の表面に白、ピンク、赤色の塗料を撒いた様な雀斑状のスポット、斑点模様が現れます。
花は、4月頃、花冠が円筒形、花弁の先端が唇型に裂けた花を咲かせます。
40種位の品種が有るようですが、此の「ヒポエステス・フィロスタキア」が多く栽育されています。
観葉植物として人気の有る植物です。
キツネニマゴ科、ヒポエステス属、常緑低木、南アフリカ、マダカスカル島原産
学名 Hypoestes phyllostachya、英名 polk dot plant、flamingo plant、ribbon bush
別名「ソバカスソウ」(雀斑草)




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<夏に赤く実る>
「ナツグミ」(夏茱萸)Elaeagnus multiflora、「ブラックベリー」Rubus
「 ヤマモモ」(山桃)Morella rubra の実です、英名では、berry の名前が付く果実達です。
「ナツグミ」は、cherry silver berry、「ブラックベリー」は、blackberry、「ヤマモモ」は、red baby berry
夜開花する「サボテン」を gif にしました(過去に掲載したものを再掲載)
キツネノマゴ科(2)には、「ツンベルギア・エレクタ」、「パキスタキス・ルテア」
葉が、美しい「ストロビランテス・ダイエリアヌス」、「ヒポエステス」にしました。
<「ツンベルギア・エレクタ」>
筒状花で、花冠が青紫色、筒部が白色、中央喉部が黄色、花径が葯3cm位、涼しげな夏向きの花です。
此の花は、立性ですが、似た花で蔓性の「ツンベルギア・アラータ」(Thunbergia alata)や
「ベンガルヤハズカズラ」(Thunbergia grandiflora)等も人気が有ります。
亦、似た花には、立性の「ツンベルギア・フォーゲリアナ」が有って、区別するのが困難ですが
葉の形や大きさ、形状で見分けることが出来ます。
「ツンベルギア・エレクタ」の方が、葉が「フォーゲリアナ」より小さく、葉の縁が、波打っています。
どの花も夏に相応しい ”夏の花” です。
キツネノマゴ科、ヤハズカズラ属、非耐寒性低木、西アフリカ原産、学名 Thunbergia erecta
英名 bush clock vine、別名「エダヤハズカズラ」(枝矢筈葛)*
* 名前の<ヤハズ(矢筈)>とは、矢を弓の弦に受ける部分の名称とか、花の筒状の元の苞が似ているからとか
下図は、「矢筈葛」の名前の由来の<矢筈>に似ている苞の画像です。
下図は、同じく立性で花が極似していて、葉の形、大きさに差異が有る
「ツンベルギア・フォーゲリアナ」です。
「ベンガルヤハズカズラ」も透明感の有る花を咲かせています。
下図は、「ツンベルギア・アラータ」
次のキツネノマゴ科は、「ストロビランテス・ダイエリアヌス」です。
花より葉の斑入りを愉しみます、勿論、花も咲くのですが ・ ・ ・
<「ストロビランテス・ダイエリアヌス」>
金属の様な質感の紅紫色の葉が、陽を受けて輝きます、特に葉脈の緑色が目立ちます。
葉の裏が紫色なので、別名に「ウラムラサキ」(裏紫)の名前が付いています。
秋に、筒状で紫色の花をさかせます。
キツネノマゴ科、イセハナビ属、常緑低木、ミャンマー原産、学名 Strobiranthes dyerianus
=Perilepta dyeriana、英名 Persian shield、別名「ウラムラサキ」、「ビルマヤマアイ」
下図は、花です、「フウリンソウ」(風鈴草)に似ています。
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