平安時代初期に弘法大師が開いたとされる大谷寺(おおやじ)は、「大谷観音」の名で知られ、坂東33霊場の第19番札所にあたります。
4月中旬に訪れた時は、ちょうど桜が見頃を迎えていました。
大谷石の洞窟に包み込まれた珍しい造りの本堂です。
堂内の岩壁面に彫られた厚肉彫りの美しい10体の石仏は、国の重要文化財・特別史跡の二重指定を受けています。
本尊の千手観音は、弘仁元年(810)弘法大師の作と伝えられ、磨崖仏としては日本最古です。
高さが4mもあり、柔かな大谷石に複雑な千手観音を掘るのは、高度な技術が必要です。
堂内をめぐって出口から後ろを振り返ると、手前のほこらの中に、阿弥陀三尊、その奥に薬師三尊が見えます。
大谷観音のすぐそばには、平和観音があります。
第二次世界大戦の戦没者を慰霊し、世界平和への祈りを込めた観音様は、高さ27m、昭和23年から6年の歳月をかけて完成しました。
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