酒のさかな

平凡な笑市民が日ごろの暮らしの中で出会ったこと
【縦横無尽探険隊別館】

「岳」の幕引きにガクゼン ( ゜Д゜)

2015-08-12 22:13:52 | のほほん日記系

ずっと前に好きな漫画として取り上げた「岳」
山の風景や遭難事故の描写がリアルで、一時期結構ハマっていた。
もちろん、小栗旬の映画は〔景色以外〕パッとしなかったが(笑)
そんな「岳」もいつの間にか読むのを忘れていたのだが、ふとネット上で完結したと知った。
『なになに、三歩はローツェで死んだとな?こりゃ読まなならんだろ』

ということで、最後の2巻を買ってきた。

『なんだ、こりゃー!』

こりゃひどい。
エベレスト登山隊の遭難をローツェから駆け付けた三歩が救助活動する話なのだが・・・
(エベレストからローツェ縦走は最近日本人により達成されているので、ムチャクチャな話じゃない^^;)

それでも、三歩はエベレストに上がってくる雲を見て救助に走っていく( ゜Д゜)
『雲ひとつ見ただけで、あんたはまだ起きていない大量遭難がわかるんかぃ!』
(↓すみません、「SANTORYの健康食品HP」からパクリ流用させてもらいました^^;)

ローツェ直下から自分の登頂をやめて駆け付ける必然性が全くない。
よしんば、天候の悪化を見込んでの自分自身の登頂断念ならサウスコルから下山すればいい。
それを誰に頼まれたわけでもなくエベレストの下山ルート工作してるって何?
リアリティのかけらがガラガラと落石・・・
この「岳」って漫画、山岳遭難のリアリティ(の香りかもしれないが)を感じさせる漫画だったのにねぇ。

それに輪をかけて・・・
最後の2巻に描かれているエベレスト遭難の様子は、
こりゃ誰が何と言おうと「1996年のエベレスト遭難事件」そのものだ。
この事件は過去に多くの映画にもなったし、小説や漫画にも描かれている。
最後の最後に、オリジナリティの「全くない」話を、それも、過去のどの作品よりも心に響かない稚拙な描写されても(-""-)

最終巻には、途中まで夢中で読んだ「岳」の面影はすでになかった。
山好きに届くような終わり方ではなかったことだけは確かである。
作者の方には申し訳ないが、久々に最後が残念だったと感じた漫画である。