酒のさかな

平凡な笑市民が日ごろの暮らしの中で出会ったこと
【縦横無尽探険隊別館】

だめだこりゃ

2015-05-12 20:42:55 | のほほん日記系

前にも書いたが、うちのチームはベストメンバーだ。
その中でも仕事に熟練した中堅どころが抜群、それにひかれて若いのも驚くほどの吸収力で、私の出番がない

今年から慣れない仕事のI浦さん。
「うまくいきませんけど・・・」
『そりゃインジェクション温度を上げて焼き切ってみたら?』
『それか一回オーブン温度を上げてコザコザを流し切って・・・』
「やってみたんですけどぉ〜」
『え、やったの?自分で考えて?』
「・・・はい・・・」
もう何も言うことはありません。
普通の若い女の子が「うまくいきません」というときは、教えられたことをそのままやって「できません」なんだ。
それをこの子は「思いつくこと全部やったんですが、できません」だ。
『おめぇ、すげえな
こんな若いのは見たことない。
さすが、前にN山さんが教え込んだことはあるし、本人の賢さも抜群である。
ほんとに彼女にはかなわない、もうロートルの出る幕がないと思った

それでも私の一発屋センサーはまだまだ若い者には負けん
見せてあげよう、ナイフのエッジが、まだまだ錆びていないことを
その子が「うまくいきません」といったことを『俺がやってみよう』と。
(ま、I浦さんに「すご〜ぃ」と言ってもらいたかっただけなのだが

N山さんは「また悪い虫が・・・」
それでも皆さんに教えてもらいながら、全く使ったことない、どちらかというと苦手な機械をとりあえず使ってみる。
もちろん『起動はやって!それからどのボタン押せばいいの?』から始まる。
で、ひとりでコソコソやってたら・・・
『これって、おかしいかもしんない
ああじゃない、こうじゃない・・・
休みの日にこっそり試してみたりして、面白い現象を発見したのだった。
『まぁた当たりを引いちゃった(-_-;)』
その後、その仮説を検証するために、O窪さんやらにお願いしたら、面白がってデータ取りに協力してくれた。
真実を追求するのは技術屋にとっては極上に面白い
ま、再来週の勉強会で発表するからね。
転勤1か月を待たずに、研究発表するなんて無謀な者はおそらく誰もいないだろう

で、発表内容の提出がすぐなので今日は残業をしようと申し出た。
「残業出てたけど・・・しないでくれる?」
K島No2が私を探し出してそう告げる。
『へ?今週中なので今日しないと間に合わないと思って・・・』
「ここは、緊急時以外はみんな残業出さない」
あほらし!
わが社は「あたりまえの業務プラスアルファの何かをやれ」というのが方針である。
なにより今の職場は研究所なのだ。
まさに、業務で問題が発生して、放置せず原因追求したら外部に研究発表できる結果を得られたのである。
休日も出てきて発見した現象を発表しようというのに「残業はしないで」だと。
あのね、ここ研究が仕事なんでしょ?
研究所って外に向かって発表しなきゃ何の評価にもならんのよ!

私やN山さんは「趣味で仕事してる」から、それでもいい。
でもね、若いのにもすこし頑張って探究したら・・・って言えないじゃん。

実は今回のテーマは、再度データをきちんと取り直せば、全国発表だって恥ずかしくないものになる。
その気になれば大学にしかない機械を使って論文にだって仕上げることができるのである。
その価値をわからないで「そんなので残業しないで」って上司がいうのは、全国にわが社の名を売る機会を失う背任行為だよ。
だって、おりゃこのテーマを「頑張って完成させる」気がうせたもんね。
別に、これをやらんでも日常業務に〔見かけ上〕支障はないし、痛くもかゆくもないもん。
(この問題点は、どうせ誰も気付かんしね(^^)/)
わが社の技術屋のレベルが無残なものになったのは、職場の存在意義と存続させる方向性を理解できない上司に対し、できる奴こそバカバカしく思うようになったからだな。

ちなみにライバルのKセンターは、営業所からの緊急対応の依頼検査を「2週間かかる」と言ったらしい。
こんな職場はつぶしてしまえ・・・と本気で思う。

【業務外だけど、うちに持って来い うちなら3日でめどを出す】
私が直接はできない技術だが、私を少しは認めてくれてるO窪さんは
きっと「おっけーです、楽勝です」と言ってくれるだろう。
そのくらい、ベストメンバーなのである。
この連中が、バカらしくならないような環境を作ってあげるのが私の仕事である。