酒のさかな

平凡な笑市民が日ごろの暮らしの中で出会ったこと
【縦横無尽探険隊別館】

ヨウ素剤の配布、子供は無視かい・・・国も何考えてんだか

2013-07-23 22:20:30 | のほほん日記系
某S県知事の発言に挑戦的なブログを書いていたら・・・
国の規制委が新しい見解を発表したらしい。
これが・・・(´,_ゝ`) プッ

〔出典:佐賀新聞ホームページ〕

まぁいい、非常事態の時に40歳以下とか面倒くさいんだろう。
ジイさんも念のためヨウ素剤を服用することになったようだ。
しかし、このネット記事にはかかれていないが、新聞に詳しく書かれていたことは・・・

3歳以下の乳幼児については既成の製剤がないため配布せず、まず速攻で避難した後、避難所で安定ヨウ素剤を配布するとのこと。
玄海原子力発電所であれば、安全圏の避難所に避難するまでに実移動時間2時間。
前回書いた通り、ヨウ素剤の服用は時間との闘いだ。

『あのなぁ、乳幼児が勝手に非難できるわけないだろ』
当然、母親が付き添わなくてはならないだろ。
なぜなら、ヨウ素剤の服用の同意が必要だからだ。
さらに、事実上、子供の既往症を知っているのは母親でしかないから、保育園毎さっさと避難しても親がついてこなければヨウ素剤の服用は絶対にできない。
つまり、大人でも乳幼児でも非難にかかる時間は同じ。
大人用は避難前にすぐにでも服用(各戸配布の根幹)できるのに対し「被爆感受性が明らかに高い」乳幼児は後でもいいってか。
論理破綻してませんかってんだ。
それなら、安定ヨウ素剤の各戸配布の議論は必要ないし、避難優先のやり方を議論すればいい。
しかし、あくまでこだわっているようだから、やはり安定ヨウ素剤は被爆防護に欠かせないほど必要なんでしょ。

ヨウ素剤の中途半端な対策は、薬事法に関して厚生労働省がウンと言わないことが原因と思われる。
医療用医薬品たるヨウ化カリウム丸(安定ヨウ素剤)は、基本的に医師の指導の下に服用すべき医薬品である。
光分解性でシロップ入りである乳幼児用のヨウ化カリウム液は長期間の保存に耐えない。
だから医薬品の安定ヨウ素剤は「丸剤」となっており、乳幼児は飲めない。
しかし、そもそも医薬品たるヨウ化カリウム丸ですら「甲状腺被爆防護」の効能はない。
つまり、医薬品としての効果は「全く」認められていないのである。
どのみち医療的には「適応がない」といわれる、イレギュラーな緊急避難的使用方法なのだ。

そうであるなら、非常事態の中で生きるか死ぬかの被害を受ける可能性がある被爆に関して、大した副作用のない「単なる塩(ヨウ化物塩)」を少量服用することに何のためらいがあるのだろう。
それなら、ワカメやコンブの味噌汁で副作用を心配するのだろうか。
(血中に直接大量投与する有機ヨウ素系造影剤によるヨウ素過敏症とは明らかに違う。分子量が「塩」であるヨウ化カリウムでアナフィラキシーは起きない。食品中のヨウ素量と比較して欲しい)
世界一の技術を誇る日本のお菓子メーカーであれば、乳幼児用のヨウ化カリウム液なぞシロップ液と粉体を組み合わせてプラスチック容器に入れ、使用時にプチッと混合して服用できるような用時調整の「お菓子」は簡単にできるだろうと思う。

私は、安定ヨウ素剤が医薬品たるが故に、一番防護の必要がある乳幼児について「仕方ないからお茶濁し」とされていることに腹が立ってならない。
守るべきは甲状腺の成長著しい乳幼児ではないのか。