えしぇ蔵日記

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バナナ 夫婦 卓球 延長料金

2009年02月24日 | 当世源氏物語
「当世源氏物語」(谷崎潤一郎訳 源氏物語風)
 
バナナ
 
ウイルホーム」様にお伺いした時のことでした。太田社長の帝が御車の中よりバナナを見出だされて大変喜んでおられました。
「車の中よりバナナを見出だすとは、なんとめでたきことよ」
帝がそう仰せられるのを聞かれた太田の后様はいささかご不満がおありのご様子でした。
「帝はかのバナナが無くなりし折、『后が食べたのであろう、正直に申すがよい』とお疑いになっておられましたが、これでわたくしの潔白が証されました。なにか仰せになることがあるのではありませぬか?」
太田の后様は帝をお責めになりますが、帝は「車の中でバナナの匂いがするゆえ不思議に思っていたがやはりそうであったか。いやめでたいめでたい」とバナナに夢中で意にも介されませんでした。
「このやうなバナナごときで喧嘩をするなど、まことに恥ずかしゅうございます」
と太田の后様はため息まじりに申されておりました。

かほどまで 帝の心 奪いしは
ただ一本の バナナなりけり
 

夫婦
 
住まいのイシダ」様にお伺いしたときのことでした。女官のF井は得意げにこう申しておりました。
「わたくし、あることに気付きましてございます」
それを聞かれた社長の帝の北の方であります店長の后様がお尋ねになりました。
「それはいかなることでございましょうや」
「社長の帝は、わたくしを冷たくあしらわれる時には店長の后様におやさしく、わたくしにおやさしい時には店長の后様を冷たくあしらっておいでになります」
店長の后様は強く否定されて、
「心外な。わたくしが帝に冷たくされるのではなく、わたくしが帝に冷たくするのです」
と仰せられました。わたくしはそばで聞いておりまして笑いをこらえておりました。
女官のF井は続けてこう申しました。
「それにいたしましても月曜日はことに疲れをおぼえまする。かねてより不思議に感じておりましたが近頃その理由がわかりました。日曜日に社長の帝に終日ひっついていなければならないからでございます」
店長の后様それを聞いて、
「それでは一生ひっついていなければならないわたくしはどうなるのでございます!」
とツッコミを入れておいでになりました。それに対し一言も返せないF井でございました。
 
 
卓球
 
東部ハウジング」様にお伺いしたときのことでした。右大臣のA貞様より卓球倶楽部設立のお話を伺いました。なんでもメタボ対策ということで、市民体育館なる場所でされるそうでございます。所属されますのは太政大臣のN嶋様、右大臣のA貞様、左中弁のO様、少納言のK様とのことでございました。わたくしが、「どちらの方が長(おさ)となられますでしょうか」と問いましたところ、左中弁のO様というご返事でした。その理由は唐より渡りしもの(中国人)であるからということでございました。なんと短絡的な発想でございますことか。
 
 
延長料金
 
ランドリー・キッチン」様にお伺いしたときのことでした。酉の刻になり5や中納言様が大変あわてて帰り支度をなさっておいででしたのでわたくし尋ねてみました。
「なにゆえにそれほどまで急がれるのでしょう」
「まもなく保育園のお迎えの時間が終わるのでこのやうにあわてているのでございます。遅れると延長料金が必要となるのでございます。決して遅れるわけにはまいりませぬ」
そしてご自分の机のゴミを入れるべく、ビニール袋を取りに行かれましたが、「ち!小さすぎまする!」とまた取り替えに行かれて、今度は「破れておりまする!」とまた取り替えに行かれておりました。急いでいる時ほどさういうものでございます。そしてわたくしは、「神宮様、これを持っていてくださいませぬか」と大きなビニール袋を渡され、ゴミ入れを手伝わされたのであります。
5や中納言様は大きな足音とともに帰ってゆかれました。なんとも賑やかな方でございます。
 
 
「つとめ」
 
けふもまた 彼方此方で 笑わされ
かくも楽しき わがつとめかな
 

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