【映画がはねたら、都バスに乗って】

映画が終わったら都バスにゆられ、2人で交わすたわいのないお喋り。それがささやかな贅沢ってもんです。(文責:ジョー)

「ボーン・アルティメイタム」:IHI前バス停付近の会話

2007-12-15 | ★東16系統(東京駅~ビッグサイト)

IHIって何の略か知ってるか。
うーん、難しい問題ね。IHI、IHI・・・いけない・ひとね・いけないわ?
ピンポーン!・・・なわけ、ないだろ。石川島播磨重工の略だ。いまはIHIが正式な社名らしいけどな。
し、知らなかった。イニシャル言葉って難しいわね。
じゃあ、CIAって何の略か知ってるか。
うーん。CIA・・・ちょっと・いけてる・あどうかい?
あどうかい?あの顔の長い阿藤快か。
そう、阿藤快。
あいつのどこがいけてるんだ?
うーん、それもまた難しい問題ね。
CIAといやあ、いまや、マット・デイモンの専売特許だ。
そうそう、「グッド・シェパード」ではCIAをつくった男を演じ、ジェイソン・ボーンシリーズでは、そのCIAに追われる男を演じている。
身から出たさびってことか。
かもね。ラストなんて「え、俺のせい?」みたいな展開だもんね。
でも、CIAっていうのも、結構ドジだよな。ジェイソン・ボーンの陽動作戦に簡単に引っかかって事務所を空にしちゃったりして。
椿三十郎」にもそんなシーンがあったわね。織田裕二の陽動作戦にひっかかって悪者がアジトを空にしちゃうの。
洋の東西を問わず、間抜けのすることは一緒ってことか。
間抜けっていえば、CIAの研究所なら、窓ガラスは人がぶつかったくらいじゃ割れない強化ガラスにしとけよ、とも思ったけどね。
そもそも、ジェイソン・ボーンが世界をまたに逃げ回る金は誰が負担してるんだよ、とか疑問はつきない。
そんなことをあげつらっていくと、おバカ映画みたいだけど。
ところがどっこい、観ている間は、ものすごい疾走感で、画面に釘づけだ。観終わった後には100メートルを全速で走り抜けたような爽快感が残る。
マラソンとは違うの?
緩急をつけて走る、というより全力で走り抜けたような映画だからな。たとえるなら、短距離走だろう。
普通の映画なら007ばりのラブシーンとか金田一耕助ばりの謎解きとかで停滞する部分もありそうなのに、そういう余計なところがまったくないのね。
ストイックそのもの。俺の生き方みたいだ。
それは違うと思うけど、マット・デイモンの体みたいにキュッと引き締まった映画だった。
とにかくカット割がめまぐるしい。
ほとんどのカットが1,2秒で切り変わるような印象だったわ。
それが、ここまでの臨場感を醸し出した勝因ってことだろうな。現場にいるみたいなリアリティだもんな。
全部でいったい何カットあったのかしら。
DVDが出たら数えてみるか。
それこそ、マラソンをするような忍耐力が必要なんじゃない?
そうだな。やっぱり、やめた。
ありゃ、ずいぶんあきらめが早いのね。そういうことではCIAには入れないわよ。
誰も入る気ないけど。
ちょっと・いくじなしね・あなたって。
何だ、それ?
CIAの略。


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「この道は母へとつづく」:日本ユニシス本社前バス停付近の会話

2007-12-12 | ★東16系統(東京駅~ビッグサイト)

ユニシスって、ディズニーランドのエレクトリカル・パレードに出てくる企業よね。
でっかい太鼓みたいな山車に、「UNISYS」って文字が光って、目立つこと、目立つこと。
エレクトリカル・パレードって何度見てもウキウキしちゃうわよね。とくに、幼い子どもたちにとっては、ディズニーランドって大いなる夢の世界。
しかし、世界にはディズニーランドを楽しむなんて夢のまた夢の過酷な世界で生きている子どもたちもたくさんいるんだぜ。
そうね・・・。ロシアの孤児を主人公にした「この道は母へとつづく」なんて観ると、胸がキュッとしめつけられるわ。
お前の場合は、太ったせいで服が小さくなって、胸がしめつけられるんじゃないのか。
そう、また1kg体重が・・・って、そういうこと言わないの!ほんとに胸がしめつけられたんだから。ムギュッ。
イテテテ。首をしめつけるな!
だって、孤児院に預けられた六才の男の子が、本当の母親を探すために孤児院を脱出する話なのよ。それだけでもう、胸にグッとくるじゃない。
ロシアだけに寒々とした風景の中を、母親の手がかりを求めて男の子がさまよう。お前はそこにグッときたってわけだ。
途中で男の子を助ける不良少女やゆきずりのおじさんが、みんな一見ぶっきら棒なんだけど、やさしいんだもん。熱いものが胸にこみ上げるのもあたりまえじゃない。
だから、お前の場合は、服が小さくなっちゃって、胸にこみ上げてきたんじゃないのか。
だから、そういうこと言わないで!ほんとに、胸にこみ上げてくるものがあったんだから。ムギュ。
イテテテ。こみ上げたからって、もみ上げをひっぱるな!
だって、あなたって、孤児院のおばさんみたいに、へらずぐちばかりたたくんだもん。
ああ、仲介料ほしさに養父母を紹介しようとするロシア人のおばさんか。男の子は彼女の魔の手に追われながらも、町の人々に助けられて追っ手を逃れる。
状況は悲惨なんだけど、人々のあたたかさにほっと胸をなでおろす映画でもあるのよね。
なんか、アニメにしたらそのまま「母をたずねて三千里」になりそうな話だな。
そうかもしれないけど、ロシアの孤児院のたたずまいとか、そこで暮らす孤児たちの暮らしぶりとか、なにげない町のようすとかも、あまり見られない光景で新鮮だったわよ。それにあの男の子の健気な姿。子宮が刺激されちゃうわね。
まあ、女のお前がそう言うならよしとするか。
お、初めて私を女として認めてくれた?
いやいや、前から認めてるぜ。パレードにでも出たらいいんじゃないかと思っているくらいだ。
エレクトリカル・パレードに?
いや、ヒステリカル・パレードに。
あなた!
ほ、ほ、ほら、ぴったりだ。


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「シルク」:新月島公園前バス停付近の会話

2007-12-08 | ★東16系統(東京駅~ビッグサイト)

あ、風流な屋形船。これからお出かけね。
外国人がこういう、いかにも日本的な風景見たら、喜ぶんだろうなあ。
そういえば、試写会で外国人が喜びそうな映画を観たわね。
なんだっけ?
マイケル・ピット、キーラ・ナイトレイ、役所広司、中谷美紀たちが出演するイタリア・カナダ・日本合作映画「シルク」よ。
ああ、そういえば、そんな映画もあったな。
あったな、じゃなくて来年公開の映画なのよ。正月第二弾の大作。19世紀フランス、男は愛する妻を残し、遥か極東の地、日本へと旅立つ。一人の美しい少女との出会いが、彼の運命を変えていく・・・。
・・・って、チラシの文章をそのまま読むな。
でも、おもしろそうじゃない。夢見る乙女の私にぴったりの映画よ。
乙女って、いつから三十過ぎの女を指すことばになったんだ?
気持ちのことを言ってるの。
で、自称乙女の気持ちは満足したか。
そう正面切って言われちゃうと困るけど、きっと外国人が想像するとおりのエキゾチックな日本があったんじゃない?
日本を何も知らない外国人が頭の中だけで想像する島国、日本がな。
ずいぶん厳しいこと、言うのね。蚕の卵を求めてはるばる日本にやってきたフランス人と出会うのが役所広司。その妻を新人、芦屋星が演じてる。
ちょっと待て。妻じゃなくて、娘だろう。
ところが、妻なのよ。すばらしく意外な展開でしょ。
すばらしく意外というか、おそろしく法律違反だろう。親子にしか見えないぞ。うらやましい・・・。
彼女が思い切りミステリアスに描かれていて、外国人の夢見る日本人女性像そのままだった。
ああ、ほんとに夢見てるみたい、というか夢遊病者みたいな役だもんな。ひとことも喋らず、お湯に出たり入ったり。温泉旅館のCMかと思ったぜ。
そんなこと言ったら、これから観る人に余計な先入観を持たれちゃうでしょ。
でも、みごとなほど何考えてるかわからないんだぜ、この女。
外国人から見たら、その何考えてるかわからないところがたまらないのよ。
そりゃ、駅弁だ。
は?
いや、詭弁だ。
はあ・・・。
すまん、すまん。こういう映画を観てると頭の中がとろけてきちゃうんだよ。
そうか、とろけるほど魅力的だったってことね。
うーん、そういうふうに何でもいいほうに受け取ろうとする人間がいるから、こういう映画が後を絶たないんだぜ。
こういう映画って?
エキゾチックと意味不明を取り違えている、とろけた映画。
日本が合作に入っているんだけどね。
何で役所広司はこんな映画に出たんだろうな。キーラ・ナイトレイも中谷美紀も、みんな何でこんな映画に出たんだろうな。
あなた、ひょっとして何か全然違う映画を期待してたの?
「シルク」なんていうタイトルだから、もっと絹がこすれあうような、繊細な映画かと思ってた。ところがどっこい、タイトルが象徴するようななまめかしい映像もなかった。
ははあ、なるほど。あなたは、いやらしい映画を想像してたんだ。それでがっかりしてるんだ。
お前、ほんとに想像力が下流社会だな。なまめかしいっていうのは、映像に色艶があるってことだよ。
うーん、意味わかんない。
デビッド・リンチとか、ピーター・グリーナウェイとか、ベルナルド・ベルトルッチとか。彼らの映像を思い浮かべりゃ俺の言いたいことが少しはわかるだろ。
わかんなーい。
甘えるな!気持ちだけ乙女が。
でも、そういう巨匠の名を出して、他の映画をおとしめるのは、悪いクセよ。上から目線はやめなさい。
そんなこと言って、お前も上から目線で屋形船を見下ろしてるじゃないか。
乗ってみたいなあって思ってるだけよ。
芦屋星みたいな女が中にいたら、俺も乗るけどな。
って、結局、気に入ってるんじゃない、夢遊病者とか言ってたくせに。
映画の出来とは別にな。


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「犯人に告ぐ」:月島駅前バス停付近の会話

2007-12-05 | ★東16系統(東京駅~ビッグサイト)

なんだ、このこじんまりした建物は?
交番よ。
最近はこういう変わった交番があたりまえになってきたのか。
長髪でひげ面の警察官がテレビのワイドショーに出演するのもあたりまえになってきたしね。
そうなの?
「犯人に告ぐ」の主人公は、そうだったわよ。殺人事件を追う警察官がワイドショーに出演して犯人を挑発するって話。長髪でひげ面のまんま、出ていたわ。
あれは、豊川悦司が演じるから許されるんだろう。
初めて警察官の役をしたらしいけどね。
サウスバウンド」では元過激派やって、「犯人に告ぐ」では体制側の人間か。「椿三十郎」では体制派の悪者だし、豊川悦司も節操のない役者だなあ。
何言ってるのよ。そんなこと言ったら、死体の役をやった人は生きてる人間の役はできなくなっちゃうじゃない。
おいおい、いやに豊川悦司の肩を持つじゃないか。
あたりまえじゃない。彼って何をやってもサマになる男なんだから。あなたとは全然違って。
俺と違う?そんなことは、ないだろう。二人とも、目は二つだし、耳も二つだし、口は一つ、鼻も一つしかない。いったい、どこが違うっていうんだ?
うーん、比較するポイントが違うような気がするけど・・・。
しかし、彼も「今夜はふるえて眠れ」なんてクサいセリフを、冗談でなく、まじめな顔をして言い切っちゃうんだから、まいった。
犯人をあぶりだすために豊川悦司がテレビカメラに向かって吐くセリフね。
普通なら噴飯もののセリフなのに、みごとに決まってた。観てるこっちがふるえたぜ。
でしょ?豊川悦司の演技力よ。
そりゃまあ役者の力もあるだろうが、ああいうセリフを見せきってしまうなんて、瀧本智行監督の演出力も相当なもんだ。目を見張った。
二つある目をね。
ブルー系の冷たい色調、陰影の濃い映像で、硬派な犯罪映画の空気をみなぎらせ、あのひとことに向けて周到に雰囲気を高めていく。かつてのジャン・ピエール・メルビルの映画みたいだと言ったら誉め過ぎか。
懐かしいこと言うわねえ。一つしかない口で。
お、知っているのか。ジャン・ピエール・メルビルを。
「サムライ」とか「影の軍隊」の監督でしょ。聞いたことはあるわ。
どこでだ?
二つある耳で。
いや、そういう意味じゃなくて・・・。
わかってる、わかってる。ジャン・ピエール・メルビルって、フランスのフィルム・ノワールの第一人者だったんでしょ。
おう、よく知ってるじゃないか。男っぽい世界を描かせたらいまだに彼にかなう者はいない。
たしかに、硬派の映画っていう意味では、「犯人に告ぐ」は久しぶりに男っぽい世界だったわ。
冗談ひとつ言わない。近頃珍しく背骨のある映画だ。
犯人との対決っていうより、事件をめぐる警察内部の男たちの葛藤に力点を置いているように見えたけど。
そのぶん、犯人が線の弱い人間になっているのが、ちょっと残念だけどな。
ほんとに、ふるえて眠っちゃったって感じだもんね。
こういう本格的な映画がごくわずかな劇場でしか上映されないっていうのは、どういうことなんだろうな。
全然種類の違う映画だけど、「once ダブリンの街角で」も何ヵ所かでしか上映していないしね。どっちも誰が観てもいい映画だと思うんだけど、最近の映画界はどうなってるのかしらね。
わかった。俺がひと肌脱ごう。
どうするの?
大声で叫ぶのさ。「映画館に告ぐ!こういう映画を上映しろ。さもなくば、ふるえて眠れ」って。
うーん、あなたが言うと、鼻につくセリフになるわね。
そうか?
ええ。一つしかない鼻にね。


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「椿三十郎」:佃二丁目バス停付近の会話

2007-12-01 | ★東16系統(東京駅~ビッグサイト)

ずいぶん昔からありそうな居酒屋ね。
江戸家っていうからには、江戸時代からあるのかな。
まさか。でも、江戸時代の侍とかがここで酔っ払っていても不思議じゃない雰囲気があるわね。
椿三十郎とかな。
そうそう。あの男も何かって言うと「酒はないか」とくるんだから。
黒沢明の名作を森田芳光がリメークしてたな。
この新しい「椿三十郎」、ほとんど昔の脚本どおりにつくってるのよね。いまつくる意味あったのかしら。
現代的な解釈が必要ってやつか?しかし、テレビでやってた「生きる」にしろ、「天国と地獄」にしろ、黒沢映画のリメークは新解釈をやろうとして違和感が出てことごとく失敗している。完成しきった作品に新解釈を加えるのは至難の技だってことだ。
たしかに、この新しい「椿三十郎」はそういうリメークドラマと違って違和感を感じることなく、おもしろく観れたけど、そのほとんどの部分は脚本を変えなかった良さに負っている。
あの脚本は古典なんだよ。「ライ麦畑でつかまえて」を村上春樹があらためて翻訳したように、「椿三十郎」を森田芳光があらためて監督したってところだ。
だったら、リメークなんかする必要ないんじゃないの?
古典落語をいろんな落語家が演じるように、同じ話でもそれぞれの監督の間や語り口を楽しめばいいのさ。
それぞれの、ってことは、これからもどんどんリメークしろってこと?
ああ、それだけの価値がある作品だと思うぜ。
でも、私はやっぱり、織田裕二より三船敏郎のほうが貫禄があったと思うな。
ああ、椿三十郎といえば、三船敏郎っていうイメージが固まっているからな。どうみたって、織田裕二のほうが不利だ。でも、な。
でも、なに?
織田裕二には三船敏郎のような貫禄はないかもしれないが、そのぶん軽味がある。トレードマークの笑顔も予想以上にはまってた。
映画としては?
黒沢明らしい「椿三十郎」と森田芳光らしい「椿三十郎」がある。それだけの話だ。しかも、話のおもしろさは保証されている。
ラストの有名な対決シーンはどうなってるのかと思ったら、ああなってた。
あれこそ、昔の脚本通りに撮っているのに、監督によって表現が違うといういい例だ。どちらがいいとか悪いとかいう問題じゃなく、どちらも楽しめばいい。
なんか、ずいぶんリメークの肩を持つのね。「犬神家の一族」のリメークには賛成していなかったくせに。
同じ監督が同じ俳優で同じようにつくってもなあ。こんどの「椿三十郎」はやはり黒沢作品と映画の息遣いが違っていて森田作品になっていたから、観ていて楽しめる。
同じ素材で同じ料理をつくっても調理人によって違いが出る。そこを味わいなさいってことね。
お、お前もいいこと言うねえ。江戸家の調理人はどういう人か、ちょっと寄っていくか。
まだ準備中だけど。
あらら。


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