Enoの音楽日記

オペラ、コンサートを中心に、日々の感想を記します。

日本フィル山の会「ふれあいコンサート」

2012年11月01日 | 音楽
 日本フィル山の会の「ふれあいコンサート」。今年はオーボエ首席奏者の杉原由希子さんの出演だった。

 山の会は日本フィルを支援する人々のサークル組織だ。まだ争議中だったころに山好きな人たちが集まって結成された。わたしは会員ではないが、ずっと近いところにいた。今では会員同然に付き合ってもらっている。

 「ふれあいコンサート」は山の会の10周年記念として催された。それ以降毎年開催されている。今回は第28回。こんなに長く続いているのは、会員の努力はもちろんだが、楽員が一貫して関わっているからだ。企画会議にも参加し、飲み会にも参加する。日本フィルの争議の経験がこういうところに生きている。

 プログラムは出演者に一任されている。杉原さんが組んだプログラムは本格的なものだった。1曲目はサン=サーンスの「オーボエとピアノのためのソナタ」。オーボエ奏者のあいだでは有名な曲のようだ。第2楽章の清澄な音楽がとりわけ魅力的だった。

 2曲目はピアノの大野真由子さんの独奏でリストの「リゴレット・パラフレーズ」。いかにもリストらしい華麗な曲だった。

 3曲目はアンタル・ドラティの「デュオ・コンチェルタンテ」。あの往年の名指揮者ドラティが作曲をしていたとは知らなかった。バルトーク的な曲で面白かった。

 4曲目はジャン・フランセの「オーボエ、ファゴットとピアノのための三重奏曲」。ファゴットは同じく日本フィルの田吉佑久子さん。いかにもフランセらしい軽妙洒脱な曲だ。3つの楽器のリズムの絡み合いに感心。さすがによく合うものだ。

 5曲目はパヴェル・ハースの「オーボエとピアノのための組曲」。ハースはテレジン(ドイツ語名はテレージエンシュタット)の音楽家の一人だ。1941年に収容され、1944年にオシフィエンチム(ドイツ語名はアウシュヴィッツ)に移送されて絶命した。

 ハースはヤナーチェクの高弟だった。ヤナーチェクの葬儀では弔辞を読んだ。未亡人ズデンカがヤナーチェクの生地フクワルディに赴いたときには同行した。ヤナーチェクの音楽を継ぐべき人だったのに――。今回の曲にもヤナーチェクの名残が感じられた。

 杉原さんの演奏はすばらしかった。この曲に賭ける意気込みが伝わってきた。

 曲のあいだのトークも楽しく、その人柄が満席(約120人)の聴衆に受け入れられていた。
(2012.10.30.ミューザ川崎・市民交流室)

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4 コメント

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情報をひとつ (print to)
2012-11-02 14:23:07
NHKオンラインより

NHK総合、9日、午後10時から『情報LIVE ただイマ!』特集、“奇跡の作曲家”佐村河内守

とうとう国営も認めた佐村河内守氏。


楽しみです。
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実はテレビ難民で…… (Eno)
2012-11-02 18:53:15
情報ありがとうございます。
テレビがあれば見てみたいのですが……。
地デジ化でテレビ難民になってしまいました(笑い)。
できたら感想をお聞かせください。
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わー! (酉の市)
2012-11-27 00:08:38
今日の、というかもう昨日か。の日経新聞の全面広告が佐村河内守!
あの日経が?!
素晴らしい広告と記事だった。

2013年
2/25
佐村河内守交響曲第1番HIROSHIMAコンサート
大友直人&日本フィル
東京芸術劇場
返信する
日経新聞 (Eno)
2012-11-27 06:57:31
日経は講読していますが、まったく気付きませんでした。教えてくれてありがとうございます。これが多くの人の関心を呼ぶといいですね。
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