後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔679〕『天使のいる教室』『天使たちのカレンダー』そして『天使たちのたんじょう会』にまつわるあれこれの話です。

2024年04月15日 | 図書案内

 宮川ひろさんの児童文学『天使のいる教室』(童心社、1996年)を池袋のブックオフで見つけたとき、奥付に「取材協力:板橋区立大山小学校・佐藤静子学級」とあったのでためらわず購入しました。
 1972年、北区立滝野川第六小学校で教師生活をスタートさせた私は、教師としての力量のなさを自覚し、様々な教育関連書(村田栄一さんの本が最も刺激的でした)を読みあさり、近場のサークルに教職一年目の秋から参加しました。職場の同僚の紹介で日本生活連盟(日生連)の火曜会を知り、そこで山口(福田)緑とも出会います。
 火曜会の指導的立場にあったのが鈴木孝雄さんで、当時板橋市立志村第六小学校に在職し、緑の学年主任でした。『学級文化活動と集団づくり-学級新聞“ブタとアヒル”の物語』(明治図書、1967年)を若くして著し、教育界ではすでに著名な方でした。我々の結婚式においでいただいたのですが、働き盛りで残念ながらその後亡くなられたのでした。ちなみに、お連れ合いの鈴木桂子さんも教師で、若い女性教師と私の教室を訪ねてくださり、授業を見てくださったのでした。彼女も残念ながら若くして亡くなられます。
  実は、佐藤静子さんも志村第六小学校で緑の同僚で、日生連に参加していました。お連れ合いの佐藤功さんは『とんねる学級物語』(明治図書、1970年)の実践記録を公刊されています。のちに、清瀬市立清瀬第七小学校の校内研究会においでいただいたことがありました。
 鈴木孝雄さんは志村第六小学校から板橋区立大山小学校に異動になり、在職中に亡くなられたと思います。佐藤静子さんもその学校で教鞭を執られました。そこでの実践が、『天使のいる教室』に描かれたのです。著者は宮川ひろさん。数年間板橋区などで教員として働いていました。『先生のつうしんぼ』(偕成社)など児童文学を多数執筆されています。
  ここでの佐藤静子実践は、日生連よりむしろ日本文学教育連盟(文教連)の影響を強く受けています。

 『天使たちのカレンダー』は静子さんのご友人のいらした板橋区立赤塚新町小学校・五組の実践がもとになっています。1998年発行。

 さらに『天使たちのたんじょう会』は再び佐藤静子実践が下敷きになっています。2012年発行。この本のあとがきには佐藤静子さん本人の文章も収録されています。

 3冊の絵を描いたのはいずれもましませつこさんです。くしくも清瀬市在住の挿絵画家さんでした。

  これらの3冊の本は、子どもたちだけでなく、親の皆さんや教師たちにも読んでもらいたい本です。図書館におくこともお勧めします。


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