後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔72〕「生活と自治」は読み応えがあるのに、肝心なところがあまり読まれていない?!

2016年02月04日 | 図書案内
  以前、ブログ〔16〕で、「通販生活」と「生活と自治」がおもしろくて愛読しているということを書きました。最近のブログ〔69〕でも「通販生活」に触れたばかりです。
  さて今回は「生活と自治」について書いてみます。「生活と自治」は生活クラブ生協の発行する48ページ立ての月刊誌です。(100円)私にとっては読ませられる記事が詰まった冊子という感じです。
  最近届いた2016年2月号の目次は以下の通りです。

●目次(562号)
1 表紙 画、大久保浩
2 リレーエッセイ
  翻訳家・池田香代子さん③
4 特集 拡散するGMOリスク
8 連載 新潮流にんげん模様
11 食の彩 家族をもっと笑顔に。
  焼きダイコンとイカの煮つけ
12 連載 現代まほろば考
14 連載 どう思う?どうしてる?
15 連載 学校てんやわんや 岡崎勝
16 連載 みて、ふれて、楽しむ時間
17 連載 新・反時代のパンセ 不服従の理由 辺見庸
18 特集 どうつくる? 人間らしいケア社会
24 イラストクイズ
25 投稿欄
26 連載 この人に、このテーマ
  琉球新報社東京支社・島洋子さん
28 連載 数字を読む
29 連載 暮らしの味わい 田ロランディ
30 生活クラブ夢の素描
32 連載 京都・瓜生山の畑から 秋山豊寛
33 読者広場
37 連載 枝元なほみの
  「上がり目 下がり目 えだもんの目」
38 調べてみました!生活Q&A
40 時のかたち 福島県檜枝岐村
43 連載 オートメ依存症脱出宣言
44 これに賭ける!
  西日本。ファーマーズユニオン
48 連載 藤原新也 日々の一滴

  私には魅力的な執筆者が揃っています。池田香代子、岡崎勝、辺見庸、島洋子、 秋山豊寛、藤原新也さんらが特にお気に入りです。ところが、一般読者の好みは必ずしもそうではないようなのです。
  「読者広場」特別企画「本誌モニターの135人とクイズの応募者の意見です!」を読んでびっくりしました。ここには昨年の10,11,12月号の評価が載っているのですが、なぜか「読まなかった」記事の執筆者に辺見庸、 秋山豊寛、藤原新也さんらが並ぶのです。私が好きな映画監督の森達也さんなどもここに加わることがあります。しかしながら、さまざまな配慮のなせる技でしょうか、逆に評価するコメントもバランスよく載せているのですが。
  「生活と自治」紙面審議会が年2回開かれるそうです。そこでは「社会問題を広く取り上げる姿勢は継続してほしい」「辺見庸さん、藤原新也さん、秋山豊寛さんの連載は、難解の時もあるが示唆に富んでいる」という意見も出ていてホッとします。「安保法制や原発再稼働、環太平洋連携協定(TPP)をめぐるマスコミ報道はおおむねひどい。今後も言論の対抗軸としての役割を意識してほしい」という会長のコメントも紹介されていて我が意を得たりでした。ただこうした会議での意見と一般会員との意識の乖離は何故なのでしょうか。
  生協運動は安全な食べ物を手に入れたいというところから出発したのでしょう。憲法でいえば生存権の保障に深く関連した活動になると思います。それはそれで大切なことなのですが、日本国憲法の前提となる立憲主義や基本的人権の尊重、国民主権、平和主義の3本柱を基盤にした生協活動が意識されなければならないと思うのです。こうしたテーマに関してはもっぱら私が支持する執筆者がこぞって書き綴るところです。こういうことを大切にしない生協活動には全く魅力を感じません。食べるだけが人間の存在意義ではないからです。
  私は市民運動の一環としてビラ配りや署名活動を駅頭などで展開しているのですが、好意的に関心を示してくれるのは圧倒的に中高年の人たちです。逆に、18歳以上選挙権が実現する今年なのに、若者の政治的無関心がとても心配です。
  「生活と自治」は戦争法案廃止、原発再稼働反対、沖縄辺野古基地反対というリベラルな姿勢を貫いてほしいものです。