北の杜

ニセコ・羊蹄山麓に暮らす一級建築士の奮闘記

地域の医療を育てる学習会 -1-

2011年06月26日 | まちづくり
 後志町村地域医療人育成協議会・地域医療教育研究所の主催による『地域の医療を育てる学習会』が開かれました。
消防署や医療・福祉関係者のほかに町議会議員や倶知安町長も参加していました。
第1回目は「救急医療の現状と課題」について報告とワークショップが行われました。



 まず、倶知安消防署の川口救急係長から羊蹄山麓の救急体制と救急現場の状況、この3年間の出動回数や内容などの報告と現在抱えている課題についての報告がありました。





救急業務の課題としては、病院選定の困難と管外搬送の増加が挙げられています。
また、月別の救急車の出動は8月と12~3月に集中しているそうで、スキーシーズンの冬期間、ニセコヒラフの外国人観光客の増加が救急車や病院を圧迫しているとのことです。ニセコの国際化が地域の生活にも影響を及ぼしているのを改めて認識しました。



 WSでは、救急医療についての課題と対策について話し合われました。

 医師不足による救急体制の維持が難しくなっってきている。
 二次救急を担う厚生病院では、宿直や土・日の日直が50歳以下の医師が担っているため、医師の数の減少と共に負担が増している。羊蹄医師会の開業医の医師や厚生病院内の50歳以上の医師が日直に加わってくれると随分楽になるとのことであった。
一次救急を町が担っている伊達日赤を参考に、羊蹄山麓も山麓の町村の公の部分がお金を担い、厚生病院や医師会が運営や医師を担当する公設民営が望まれているようで、新たな体制作りをしないとならないようなところにきているようです。
 また、月別の救急車の出動回数でも一目瞭然で、冬期間の外国人の救急患者が地域医療を相当圧迫している。1月だけでも400人以上の患者が昼夜を問わず来ているそうです。会話の問題や文化の違いで治療以外の負担が掛かっているそうです。
観光客が増えることはありがたいけれど、ソフト面のインフラ整備が必要だと改めて感じます。外国人担当の外国人の医師が来てくれると便利かもしれません。日本では、外国の医師は、日本の医師免許がないと医療行為を行えないようですが、国際化が進んでいるニセコエリアとしては、医療特区のような地域性に配慮した制度を導入するのも一つかもしれません。
参加していた医師の話では、スキーシーズンにオーストラリアからスキーを兼ね医師の勉強会を行っている医師も毎年来ているようです。折角なら、4ヶ月ほどスキーも楽しみながら医療を担ってもらうのも有りな気がします。
また、修練医という外国人医師の研修スタイルもあるようですので、外国人対応の医療対策も救急医療体制維持の課題のようです。
冬以外であれば、何とか救急も維持できているようです。

一次救急体制と国際観光地としての外国人医療対策が課題のようです。





 5つ分かれたグループによるWSの発表があり、救急医療の課題がまとめられました。
「真剣に考える」ですが、無いと嘆いても先に進みません。皆で考え、行動するしかないようです。

7月に第2回目の勉強会が予定されております。