北の杜

ニセコ・羊蹄山麓に暮らす一級建築士の奮闘記

「魅力ある地域づくり」勉強会

2010年02月09日 | まちづくり
 「国際競争力の高い『魅力ある地域づくり』勉強会」に参加してきました。


 
 北海道開発局の小樽建設部の主催で、サブタイトルが「後志管内における東アジア圏観光客の滞在型観光の推進にむけて」となっておりました。観光業界の方や行政の観光課の方々が対象のようでした。



 勉強会は、お二人の講演です。まず、国際広報メディア観光学院の渡邉浩平先生による「中国の競争力拡大をどう受け止め、活かせばよいのか」という講演です。
 ニセコは、はじめオーストラリアの人たちが口コミでパウダースノーのニセコを外国の方々に広め、コンドミニアムの建設や外国の観光客を集め、スキーシーズンはあたかも海外のような状況でしたが、リーマンショック以降は急ブレーキが掛かったような感じですが、最近は東アジア系の中国人が少しずつ増えてきているようです。また、北京オリンピックや今年の上海万博など上げ潮状態の元気印の中国は、大変魅力的なマーケットです。既に日中の経済関係は、アメリカよりも密度が濃いことが数字で現れています。
 話題の中心は「中国大陸からの集客をどの様に行うのか」ということです。キーワードは『インターネット』のようです。中国でのネットの利用者は、3億8千万人ほどで、優に日本の人口を追い抜いています。ネットからの情報は、新聞やTVよりも遥かに多いそうです。
 ネットを如何に有用なツールとして活用できるかが分かれ目のようです。
 海外旅行ブームは始まったばかりで、08年で1300万人だそうで、映画「非誠勿擾」のロケ地になったオホーツクの斜里町や網走市にも大勢の中国観光客が訪れているそうです。九州での歌謡ショーにも中国や韓国から観に来る時代です。可能性大ということのようです。



 次に、学生時代に北大に留学していた経験を持つ北海道チャイナワークの郎旭輝さんの「中国人が好む北海道」の話は、実際に中国の観光客の添乗員を行っていた経験があり、説得力のあるものでした。
 北海道には、08年に4万8千人弱、09年は約6万人と確実に伸びているようです。来られる富裕層は、45歳以下の若い世代が8割以上だそうです。北海道は、東京・大阪に次いで人気があるようです。しかし、まだ定番の観光地といわれる洞爺湖・登別・富良野・小樽が中心で、10人以上の団体で観光バスをチャーターして移動しているそうです。殆どが買い物旅行のようで、電化製品やブランド物を数十万円購入していくそうです。フランスやイタリアには大勢行っているようです。
しかし、真っ白な雪や直接呑める水道水にも魅力を感じているようです。リピーターとなることにより、観光の質も変わっていくものと思われます。
 これら中国の方々を惹きつけていくには、中国語のガイドや看板など馴染みやすいのが一番で、銀聯カードが使えるなんて最高の条件のようです。
PRも大切で、中国語のHPは勿論、ニセコ単独ではなく、オール北海道、オールジャパンといった地域連帯とともに、ニセコの特徴も忘れずに伝えること、ネットばかりではなく、現地でのプロモーションも重要だそうです。



 そして、何よりも「おもてなしの心」。心が通い合うことが何よりですね。