北の杜

ニセコ・羊蹄山麓に暮らす一級建築士の奮闘記

地方の病院問題

2008年04月19日 | まちづくり
北海道各地の地方議員の研鑽の場である「グリーンシード21」の総会が札幌かでる2・7で行われました。



 昨年、町議に当選してから同級生で道庁に勤めている坂本くんに誘われ入会して、はや1年となります。現在の会員は55名で、今回は31名+オブザーバー数名が集まりました。
昨年は、総会の他2回の例会と地方でのファーラムと計4回の研修会が行われました。決算は60万円弱で運営されました。殆どが講師の方の旅費や謝礼で事務局に多大なご苦労をかけているようです。まだ、1年しかお世話になっていませんが、奥の深い方々ばかりで勉強になります。

 総会終了後、菅原喜茂別町長による「地域医療問題について」と北海道新聞社の鶴井編集委員さんによる「国政の動向について」と題した講演が行われました。



 菅原町長の地域医療問題は、同じ羊蹄山麓の者として他人事ではありません。喜茂別町も倶知安町もJA北海道厚生連の厚生病院があります。
平成19年に喜茂別厚生病院は、病床のある病院から診療所に移行となりました。平成17年の喜茂別厚生病院は、医師1名の他21名のスタッフで33ベットを持ち1日平均外来65人入院28人で3億8千万弱の運営規模で、町の赤字補填は2/3の27百万円ほどだったそうです。ところが平成18年の診療報酬改正で前年の3倍の1億2千万円の赤字に膨らみ、町に全額補助を求めてきたそうです。町として、とっても負担できないので厚生病院のある他の8町村と連携して対応を協議したそうです。厚生連としては、地方にある赤字の病院は廃止してしまいたい意向でひとつの町が単独で交渉しても埒が明かなかったようです。
結局、喜茂別町は、病床のない診療所としていく道を選択したそうです。医者のいない町にしたくない。しかし、町営の病院を作る財政ではない。同じ山麓の倶知安厚生病院と連携する。特殊な場合は、隣町の札幌にドクターヘリを要請する。といったことで診療所に決断したそうです。ただ、赤字は100%町で補助なので、国に法律緩和や交付税措置の要請を続けているそうです。
 隣町のことですが、わが町にも切羽詰った危機感があります。

 前日の厚生文教常任委員会を傍聴してきたのですが、3月の新聞では、倶知安厚生病院の産科医が常勤・出張各1名であったのが、4月から平日常勤2名になる、という明るい話題がありましたが、実は、2名のうち1名が日中の一般診療となり救急は1名となるので、結局出産取扱数を制限することになるようです。リスクのある出産は札幌にお願いするようです。月30名ほどの出産が限度のようです。ただ、出産の場合は事前に予定がつかめるので、調整しながら対応を行えるようです。
本来であれば、自分の町で出産できるのが一番ですが、産科がなくなれば全ての赤ちゃんが他の町での出産となってしまいます。そんなことで、後志支庁管内の14ヶ町村で「倶知安厚生病院産婦人科医師確保対策連絡協議会」が設置され、JA北海道厚生連に産婦人科医師確保のため360万円補助することになりました。
 この金額で、来てくれるのなら結構なことですが、もっと根本のところで地域医療、地域の病院をどうして行くのか。単独町村ではなく広域で対策を練っていかないと地方では病気になれなくなります。

 グリーンシード21のメンバーから「地域医療を守る地方議員連盟」が来週結成される予定だと聞きましたので参加してきたいと考えております。