
ロバート・ジョージ・ライズナーはその著書「チャーリー・パーカーの伝説」で、パーカーと親交があった多くの人の証言をまとめている。伝説化された天才の人間像を浮き彫りにしたバード評伝の決定版であり、そこから見えてくるのは何をしても、それがたとえ悪事であっても憎めない愛すべき人間臭いバードだった。「彼と対等にわたりあう唯一の方法は、自分のものの考え方を、バードとおなじように確固たるものとして持つことだった」
こう回想しているのは、バードと3年ほど付き合いがあったウォルター・ビショップJr.である。当時のプレイはバードの「スウェディッシュ・シュナップス」や、ラスト・セッションの「プレイズ・コール・ポーター」で聴けるが、バップ期のピアニストが誰でもがそうであったようにバド・パウエル直系のスタイルで、歌心に富んだフレーズと力強いタッチが特徴だ。ビショップは50年代のほとんどを現役から遠ざかっていたこともあり、実力の割には評価もされず、人気にも恵まれない人であった。実力と人気は比例しないのが世の常であるが、バードと対等にわたりあう考え方を持ったビショップこそバップ・ピアニストとして評価されるべきだろう。
「スピーク・ロウ」は疑いなくビショップの代表作であり、Jazztime という3枚のアルバムを残しただけで活動を休止したレーベルの作品としても貴重なものである。「サムタイム・アイム・ハッピー」、「グリーン・ドルフィン・ストリート」と、お馴染みのスタンダードの選曲に加え、ジミー・ギャリソンの強靭なベース・サポートも見逃せない。タイトル曲の「スピーク・ロウ」はこのアルバムの白眉で、数ある同曲のベスト・チューンといえる渾身の一曲だ。24小節を大きな音で力強く弾きながら、曲の真ん中あたりを非常にソフトに演奏するという構成は他の曲でも聴かれるが、これはバードと演奏して身に着けたもので、駆け出しのころは知らない曲を演奏することが多く、内部の細かなコード進行を探るためだったという。
多くの証言によると、バードは雇ったミュージシャン達に金を払わなかったそうである。ビショップもバードからの未払い金が7ドルあったようだ。これからもまだバードと一緒に仕事ができるのだからと見過ごしていたそうだが、未払いの事実はバードにも悟らせておいたと回想している。きっとspeak low ~小声でそっと話したのかもしれない。
こう回想しているのは、バードと3年ほど付き合いがあったウォルター・ビショップJr.である。当時のプレイはバードの「スウェディッシュ・シュナップス」や、ラスト・セッションの「プレイズ・コール・ポーター」で聴けるが、バップ期のピアニストが誰でもがそうであったようにバド・パウエル直系のスタイルで、歌心に富んだフレーズと力強いタッチが特徴だ。ビショップは50年代のほとんどを現役から遠ざかっていたこともあり、実力の割には評価もされず、人気にも恵まれない人であった。実力と人気は比例しないのが世の常であるが、バードと対等にわたりあう考え方を持ったビショップこそバップ・ピアニストとして評価されるべきだろう。
「スピーク・ロウ」は疑いなくビショップの代表作であり、Jazztime という3枚のアルバムを残しただけで活動を休止したレーベルの作品としても貴重なものである。「サムタイム・アイム・ハッピー」、「グリーン・ドルフィン・ストリート」と、お馴染みのスタンダードの選曲に加え、ジミー・ギャリソンの強靭なベース・サポートも見逃せない。タイトル曲の「スピーク・ロウ」はこのアルバムの白眉で、数ある同曲のベスト・チューンといえる渾身の一曲だ。24小節を大きな音で力強く弾きながら、曲の真ん中あたりを非常にソフトに演奏するという構成は他の曲でも聴かれるが、これはバードと演奏して身に着けたもので、駆け出しのころは知らない曲を演奏することが多く、内部の細かなコード進行を探るためだったという。
多くの証言によると、バードは雇ったミュージシャン達に金を払わなかったそうである。ビショップもバードからの未払い金が7ドルあったようだ。これからもまだバードと一緒に仕事ができるのだからと見過ごしていたそうだが、未払いの事実はバードにも悟らせておいたと回想している。きっとspeak low ~小声でそっと話したのかもしれない。
管理人 Speak Low Best 3
Walter Bishop Jr. / Speak Low (Jazztime)
Sonny Clark / Sonny's Crib (Blue Note)
McCoy Tyner / Inception (Impulse)
今週もたくさんのコメントをお待ちしております。
duke様、皆様、こんにちは。
今週はスピーク・ロウですか。
お気に入りは、
「スピーク・ロウ」ウォルター・ビショップJr
歌心溢れるビショップそしてギャリソンのベースもズンズンという強靭さですばらしい。
昔、ジャズ喫茶でよくかかっていた事を思い出しました。
「ソニーズ・クリブ」ソニー・クラーク
ハード・バッパートレーンが素晴らしい。トレーンとクラーク、結構相性が良いですね。
1位2位はこれで決まりかと・・・ただ「スピーク・ロウ」については25様から猛烈な反論があるかも・・・(笑)
あと一枚は、マッコイも良いのですが敢えて「アフリカ」ファラオ・サンダース
ファラオのエネルギッシュなプレイが印象的です。
Walter Bishop Jr.は、パーカーと一緒にやっている時は、あまりいいとは思わなかったのですが、「Speak Low 」では、本領発揮という感じがします。
他には、Grant Green / I Want To Hold Your Hand
がありますが、これはエルヴィン・ジョーンズ主役でしょうか。しかし、グリーンも煽られて弾きまくっていますね。このアルバムの邦題は「抱きしめたい」となっていますが、こちらのタイトルの方が私の好みです。
Walter Bishop Jr. / Speak Low
Sonny Clark / Sonny's Crib
Grant Green / I Want To Hold Your Hand(抱きしめたい)
休日返上かと思いましたが、木曜までお休みとは何も変っておりませんね。(笑)
1位2位は私と同じ選択でしたか。共にジャズ喫茶の人気盤ですし、スピーク・ロウの名演では外せないバージョンです。
次にファラオ・サンダースとは思いもよらぬ名が挙がりました。いやぁ、KAMI さんから「アフリカ」とは驚きでしたよ。この辺りを聴く方が少ないので嬉しいですね。ジョン・ヒックスがなかなかの好演でして、ヒックスの生も聴きましたが、伝統を踏まえたアヴァンギャルドな演奏は素晴らしかったですね。
>ただ「スピーク・ロウ」については25様から猛烈な反論があるかも・・・(笑)
スルメを噛み締めているでしょう。(笑)
ワンツーと同じでしたね。Sonny's Cribは、やはりコルトレーンのソロが圧巻ですし、管入りではモブレイの「ペッキン・タイム」と双璧をなすものでしょう。
多くのピアノトリオの演奏がありますが、ビショップはバードとの共演を通して得たものを全てぶつける鬼気迫る内容です。バードと一緒にやっている時は萎縮した感もありましたが、リーダー作となると伸び伸びしておりますね。
Grant Green はおっしゃるようにエルヴィンが主役的な印象を受けます。モブレイもリーダー作とは違ったアプローチで楽しめます。ビートルズ・ナンバーがタイトルですのでポップな感じがしますが、隠れた名曲 This Could Be the Start of Something は好きな曲でしていい内容と思います。
ビートルズ世代には邦題「抱きしめたい」がしっくりするでしょうね。ジャケの女性を抱きしめたいかどうかは好みが分かれるところでしょう。(笑)
duke様、こんばんは。
昨日のBBQ、如何でしたか?地軸を揺るがす狂乱だったのでは・・・と思っております。(笑)
私も負けずに昨日は東京へビール飲み遠征に出かけました。
一軒目はレストランで食事+ヱビスの生がぶ飲み。次は新宿にあるアイリッシュパブでギネスのがぶ飲み。
最後は、せっかく新宿ということもありDUGでコロナを抑えめに飲みました。でも以前のDUGとは違いジャズをあまり大切にしていないように感じて(垂れ流しているだけ)、頭にきたかみさんがシルバーのブローイング・ブルース・アウェイをリクエストしたが雰囲気は変わらず・・・。(泣)しかも音もこもったようなボワーンとした音でした。天井が低すぎるのか・・・よくわかりませんが、あまり良い音ではなかったのが残念!!
やはりDUGは中平さんだけのものだったのかと思い、もう一杯コロナを飲んで帰宅しました。
そうそう「ペッキン・タイム」も良いですね。忘れておりました。ただ「ソニーズ・クリブ」のトレーンの素晴らしさに強く惹かれます。
Duke様、この度は大変お世話になりありがとうございました。
おかげさまで楽しい連休を過ごすことができました。
またお会いできる日を楽しみにしております。
みなさまにもよろしくお伝えください。
まずは、帰札のご報告とお礼まで。
東京でビール三昧とは、連休を楽しく過ごされているようですね。
ジャズを取り巻く状況は大きく変っており、老舗であるDUGもまた然りでしょうか。ハードからソフトへと全てではありませんが、ことジャズに関してはプレイする側、提供する側、リスナー問わず移行しているのは事実です。いつの時代でも同じですが、その軟弱なものから硬派が生まれるのも事実です。いつしか第二の中平さんが現れることを願ってやみません。
「ペッキン・タイム」はあまり話題になりませんが、モーガンもケリーも好演です。シンプルなジャケも speak low ~そっと語りかけるようで。(笑)
今日は少しばかり肌寒いですが、昨日は絶好の宴会日和でしたね。日頃の清き正しく美しき行いによるものでしょうか。(笑)
お盆にはまたお会いできますね。楽しみにしております。
シェイクスピアの「から騒ぎ」(Much Ado About Nothing)の「Speak Low, If You Speak of Love」からタイトルとアイデアをいただいたという「Speak Low」は、歌詞のせいもありヴォーカルではロマンティックに表現されますが、詞を離れたインストではバリバリと演奏されることが多いように思います。そこで、
①Sonny Clark / Sonny's Crib (Blue Note)
②Hank Mobley / Peckin' Time (Blue Note)
③Walter Bishop Jr. / Speak Low (Jazztime)
その他気になったのは、McCoy Tyner、Richard Wyands(Roy Haynesの「Just Us」)でした。この曲は出だしだけで、すぐそれとわかる大好きなスタンダードです。