
先日、中古レコード店からこの時期恒例のセールの案内が届いた。時々覘いているので大きく箱の中は変わらないものの、たまに掘り出し物もあるので見逃せない。ドアを開けると同時に聴こえてきたのは「A列車」のエンディングだ。次の曲も心地良いピアノで、新入荷のエサ箱漁りもサクサクと捗る。う~む、これといったものがない。気になるレコードもないわけではないが、「札幌価格」だ。
次の曲がかかったとき、おや?と手が止まった。「Golden Earrings」だ。トリオだがブライアントではない。強弱がはっきりしたピアノで、アドリブの展開もメリハリはある。誰だろう?と、ひとりブラインドフォールドを楽しんでいるうちに曲は終わり、次は「My Funny Valentine」ときた。ベースのイントロからいきなりアルトがメロディを吹き始める。音色とフレーズの手癖から直ぐにマクリーンと分かったものの、ピアニストは謎のままだ。降参して店主に尋ねる。CDですよ、と申し訳なさそうに出してくれたのは、ルー・マシューズだ。マンハッタン・ジャズ・クインテットのルー・ソロフとデヴィッド・マシューズを合わせたような名前だが不勉強のため知らない。
山口弘滋氏のライナーノーツによるとこれが記念すべき初リーダー作という。1997年録音時、51歳の遅咲きだ。もともとはクラシック畑で、70年代のほとんどを空軍の音楽隊で過ごし、除隊後リナ・ホーンやナンシー・ウィルソンの伴奏ピアニストを務めている。1987年にはナンシーのコンサート・ツアーに同行して来日もしているそうだ。そのキャリアが示す通り、次のトラックのサド・ジョーンズ作「A Child Is Born」では見事なバラードを披露している。ピアニストに限らずジャズプレイヤーは、バラード演奏で技量や歌心の資質が問われるといわれるが、全くその通りだ。
このアルバムは「黒い瞳のナタリー」のタイトルが付いている。ナタリーといえば日本でも人気があるフリオ・イグレシアスのヒット曲だ。帯には「ポスト・ケニー・ドリュー登場」とある。選曲は前述の通り日本人好みのスタンダード・オン・パレードだ。おそらくこの情報だけではエロ・ジャケットが売りのあのレーベルかと思い聴く気にならないだろう。当たり前のことだが、ジャズは聴いてみないことにはわからない。
次の曲がかかったとき、おや?と手が止まった。「Golden Earrings」だ。トリオだがブライアントではない。強弱がはっきりしたピアノで、アドリブの展開もメリハリはある。誰だろう?と、ひとりブラインドフォールドを楽しんでいるうちに曲は終わり、次は「My Funny Valentine」ときた。ベースのイントロからいきなりアルトがメロディを吹き始める。音色とフレーズの手癖から直ぐにマクリーンと分かったものの、ピアニストは謎のままだ。降参して店主に尋ねる。CDですよ、と申し訳なさそうに出してくれたのは、ルー・マシューズだ。マンハッタン・ジャズ・クインテットのルー・ソロフとデヴィッド・マシューズを合わせたような名前だが不勉強のため知らない。
山口弘滋氏のライナーノーツによるとこれが記念すべき初リーダー作という。1997年録音時、51歳の遅咲きだ。もともとはクラシック畑で、70年代のほとんどを空軍の音楽隊で過ごし、除隊後リナ・ホーンやナンシー・ウィルソンの伴奏ピアニストを務めている。1987年にはナンシーのコンサート・ツアーに同行して来日もしているそうだ。そのキャリアが示す通り、次のトラックのサド・ジョーンズ作「A Child Is Born」では見事なバラードを披露している。ピアニストに限らずジャズプレイヤーは、バラード演奏で技量や歌心の資質が問われるといわれるが、全くその通りだ。
このアルバムは「黒い瞳のナタリー」のタイトルが付いている。ナタリーといえば日本でも人気があるフリオ・イグレシアスのヒット曲だ。帯には「ポスト・ケニー・ドリュー登場」とある。選曲は前述の通り日本人好みのスタンダード・オン・パレードだ。おそらくこの情報だけではエロ・ジャケットが売りのあのレーベルかと思い聴く気にならないだろう。当たり前のことだが、ジャズは聴いてみないことにはわからない。
「ア・チャイルド・イズ・ボーン」は、サド・ジョーンズが1970年に作った美しいバラードです。ジャズメンが書いた曲では比較的新しい方ですが、多くのカバーがあります。今週はこの曲のお気に入りをインストでお寄せください。ヴォーカルは機を改めて話題にします。
管理人 A Child Is Born Best 3
Thad Jones - Mel Lewis Orchestra / Consummation (Solid State)
Kenny Burrell / God Bless The Child (CTI)
Bill Evans / Quintessence (Fantasy)
他にも多くの録音があります。
今週も皆様のコメントをお待ちしております。
Bill Evans & Kenny Burrell - A Child Is born (1978)
https://www.youtube.com/watch?v=wmn8qGn5zt8
片やピアノの詩人、片やギターの俳人、わび、さびという枯淡の境地ですね。
なんとか、首位を走ってます・・
今年のオリックスは強い!
今回も1枚の選定となりますが・・
Bill Evans / Quintessence (Fantasy)
このレコードは結構好きでよく聴いていました、それもこの曲の聴けるB面を、随分と聴きました。
このレコードはエヴァンスがリーダーなんですが、名手達のセッション的な雰囲気がありエヴァンスの難~いピアノを望むとダメなのでしょうが、僕は好きなんです。
ワンホーンのハロルド・ランドも良いし、ケニー・バレルもフィリー・ジョーも良いし~何ですがぁ~どうしてもレイ・ブラウンのこの豊かな音色がたまらなく好きなんですね。
1976年のファンタジー盤ですが、録音も素晴らしいと思います。 B面狙いなんですが、本当はB2のケニー・バレルの「Bass Face」が目当てだったんですけどね・・
さすがに3割打者が5人もいるチームは強いですね。日ハムの自力優勝はなくなりましたが、クライマックスには出たいですね。
エヴァンスの「Quintessence」を一推しできましたか。「Interplay」のようにトリオ以外の作品に否定的な意見もありますが、私は好きですよ。このアルバムは意外なメンツの面白さもあります。エヴァンスは神様みたいな人でしたが、1973年の来日時に見てから近い存在になりました。同じ空気を吸っているという満足からくるものかもしれません。このアルバムは、1976年ですので、そんな感情が働くから余計に愛着があるのでしょう。
サドジョーンズのバラードはメロディーラインのしっかりした綺麗な曲が多いですね。
その中でも、このChild is bornはピカ一だと思いますが。
それ故、カバーするミュージシャンも多く、バラードプレーの課題曲のような存在になっています。サドジョーンズファンとして別に集めているわけでもないのですが、色々なアルバムで目に付きます。ボーカルもいい演奏が多いですね。
いずれにしても、この曲の出来は「聴手にいかに訴えるかのプレーヤーの想像力と演奏技術の勝負」のような気がします。並べて続けて聴いてもどれもプレーヤーの芸風がよく出ていて飽きがきません。トランペット(フリューゲルホーン)にも限りませんし。
という点では、同じバラードでもI remember Cliffordとはちょっと違う位置づけのようです。
まずは、オリジナルの、サドメルのCosumationはアレンジを含めて別格とします。
サドジョーンズのソングブックアルバムの中では、
トミーフラナガンのLet’sの中のトリオ演奏が好きですね。
サドの長兄ハンクジョーンズの、UponReflection:TheMusic Of Thad Jonesでは、ピアノのイントロで始まりそうで始まらない、そしていきなりドラムソロ(まるで陣痛のような)、そしてやっとお馴染みのメロディーが一節という、まさに出産シーンが思い浮かびそうな面白いアプローチです。
スコットロビンソンの、Forever Lastingdでのクラリネットも前奏を含めて料理の仕方です。
ジョンファディスのLegacyの中でのプレーもいいですね。他の曲はガレスピーやアームストロングトリビュートですが、この曲はサドジョーンズへ捧げる(=チャレンジ)でしょう。なぜかアドリブの途中でブルースマーチのメロディーが出てくるのか?
他にもサドメルのメンバー達も多く演奏していますが、我が愛するペッパーアダムスの演奏もあります。アルバムにはないようなのですが、この映像で聴くことができます。
これが、自分は一番になってしまいますが。
http://youtu.be/42qW-FRQfsA
この曲は、最初誰かのヴォーカルで聴いたのですが、さっぽり良さがわからず、サド・ジョーンズ作のワルツだとは知ってはいましたが、初印象はつまらないものでした。が、インストは、さすがにいいものがあり、後に印象を改めました。手持ちの中からですが、
①Bill Evans / Quintessence (Fantasy)
②Dusko Goykovich / After Hours (Enja)
③Charlie Rouse / Moment's Notice (Stryville)
①は、エヴァンスのアルバムの中ではほとんど触れられませんが、内容はいいものでした。②は、僕の愛聴盤でもあるのですが、美しいメロディーがよくわかります。③は、ラウズのバラードプレイに惹かれます。あと、トミー・フラナガンを挙げてもいいかもしれません。
ボディ&ソウルやラッシュ・ライフ、クリフォード等、バラードの課題曲は幾つかありますが、この曲もその一つですね。内面の哀しみや歓びを表すのがバラード・ナンバーの魅力であり聴きどころですが、この曲は赤ちゃんが生まれた「感動」をいかに表現できるかにかかっております。その意味では作者の「Cosumation」はベストといえるでしょう。
トミー・フラナガンのソングブックがありましたね。フラナガンはサドと長い付き合いだけに曲風を知り尽くしているという感じがします。このアルバムを聴くと、一般に知られていないサドの曲の美しさに驚きます。
ハンクのが出産シーンというのは面白いですね。確かに陣痛といえるドラムソロです。
ロビンソンの「Forever Lasting」は静かな感動といったところでしょう。不器用な父親のようです。
ジョン・ファディスのはハロルド・ランドが参加したアルバムでしたか。音源を確認しておりませんが、ブルースマーチの引用は深い意味はなく、ただの手癖のように思います。札幌にも何かとモーニンが出てくるピアニストがおりますが、知らぬ間に指が動いているとか。
ペッパー・アダムスの映像のご紹介ありがとうございます。いい演奏ですね。アダムスのこの曲は、Enja盤の「Pepper」に収録されております。録音は1975年で、ウォルター・ノリスのトリオをバックにしたワンホーンです。この曲では村津譲二が大きくフューチャーされております。
最初に聴いたヴォーカルは誰のだったのでしょうね。ヴォーカルでは峰純子さんがデビュー・アルバムでタイトルにもしておりますが、これは感情こもった素晴らしい内容です。サド・ジョーンズが参加しておりますので機会があれば是非お聴きください。
トップにエヴァンス、次いで、azumino さんご贔屓のダスコ・ゴイコヴィッチがきましたね。歌心が豊かなことで定評がありますが、ここでもメロデイをふくらませております。このアルバムの成功はテテ・モントリューの参加ですね。
そして、ラウズが挙がりましたか。空気が半分抜ける音はたまりませんね。「Yeah!」のホワット・ラブ・イズやステラ等、泣きのバラードは魅力があります。このアルバムは、Jazzcraft盤のレコードで持っております。
A Child Is Born Best 3
Thad Jones - Mel Lewis Orchestra / Consummation (Solid State)
Bill Evans / Quintessence (Fantasy)
Dusko Goykovich / After Hours (Enja)
オリジナルのサド、そしてエヴァンスが人気でした。前者は子どもが誕生するようなドラマティックな展開、後者は美しいメロディをさらに磨いた演奏です。
他にもケニー・バレル、トミー・フラナガン、スコット・ロビンソン、ジョン・ファディス、チャーリー・ラウズ等が挙がりました。それぞれ個性際立つバラード・プレイが聴きどころです。
今宵はお気に入りの「ア・チャイルド・イズ・ボーン」をお楽しみください。