
40年代のスウィング時代末期から50年代のモダン・ジャズ時代に至る過渡期に、黒人スウィング・ジャズメンを主体に盛んだったジャム・セッション形式による演奏を、欧米ではメインストリーム・ジャズと呼んでいた。日本でダンモという言葉が生まれたころである。モダン・ジャズが主流になりつつある日本で欧米の呼び方では混同するうえ、用語も意味するところが曖昧なことから適当な呼びかたはないかと考え、中間派ジャズという用語を提唱したのは大橋巨泉氏だった。
今ではすっかり定着した中間派とよばれるピアニストに10月に亡くなったデイブ・マッケンナがいる。70年代に折からの中間派ブームに乗り、キアロスキューロやコンコードから多くのリーダーアルバムが発売されたが、全盛期であった時代に自己名義の作品は実に少ないことに驚く。リーダー作よりズート・シムズの「ダウン・ホーム」や、ミリー・ヴァーノンのストーリーヴィル盤で知られる人で、ときに主役を食う名脇役ぶりが頼もしい。テディ・ウィルソンの流れを汲むスウィンギーで軽妙なタッチと、バップ・フレーズを使うスタイルは中間派を超えた限りなくモダンジャズに近いピアニストであった。
73年に録音された「Cookin' at Michael's Pub」は、ディック・ジョンソンのクラリネットとベースのバッキー・カラブレスという変則トリオだが、リズムを強調した左手の動きはドラムレスとは思えないほどビートが効いている。曲作りも上手いマッケンナのアルバムタイトル曲に始まり、「Dinah」、「Cheek to Cheek」と続くが、スウィング時代の薫りを残しながら味付けは斬新なもので今出来上がったばかりの輝きを持つ。「Fine and Dandy」も収録されていて明快なピアノラインはファインであり、オールバックの髪型はちょい悪オヤジ風でまさにダンディ、マッケンナの音楽と人を表現するならこのタイトルであろうか。
49年にチャーリー・ヴェンチュラ楽団でデビュー以来、ジーン・クルーパやボビー・ハケットとの共演、そして70年代のソロアルバムまで鍵盤の上を踊るような軽やかな音とピアノスタイルは変ることがなかった。このアルバムのラスト曲は、ジミー・マクヒューの「Last Dance」である。
今ではすっかり定着した中間派とよばれるピアニストに10月に亡くなったデイブ・マッケンナがいる。70年代に折からの中間派ブームに乗り、キアロスキューロやコンコードから多くのリーダーアルバムが発売されたが、全盛期であった時代に自己名義の作品は実に少ないことに驚く。リーダー作よりズート・シムズの「ダウン・ホーム」や、ミリー・ヴァーノンのストーリーヴィル盤で知られる人で、ときに主役を食う名脇役ぶりが頼もしい。テディ・ウィルソンの流れを汲むスウィンギーで軽妙なタッチと、バップ・フレーズを使うスタイルは中間派を超えた限りなくモダンジャズに近いピアニストであった。
73年に録音された「Cookin' at Michael's Pub」は、ディック・ジョンソンのクラリネットとベースのバッキー・カラブレスという変則トリオだが、リズムを強調した左手の動きはドラムレスとは思えないほどビートが効いている。曲作りも上手いマッケンナのアルバムタイトル曲に始まり、「Dinah」、「Cheek to Cheek」と続くが、スウィング時代の薫りを残しながら味付けは斬新なもので今出来上がったばかりの輝きを持つ。「Fine and Dandy」も収録されていて明快なピアノラインはファインであり、オールバックの髪型はちょい悪オヤジ風でまさにダンディ、マッケンナの音楽と人を表現するならこのタイトルであろうか。
49年にチャーリー・ヴェンチュラ楽団でデビュー以来、ジーン・クルーパやボビー・ハケットとの共演、そして70年代のソロアルバムまで鍵盤の上を踊るような軽やかな音とピアノスタイルは変ることがなかった。このアルバムのラスト曲は、ジミー・マクヒューの「Last Dance」である。
デイブ・マッケンナは10月18日に亡くなりました。享年78歳、ご冥福をお祈りします。
多くの作品があるデイブ・マッケンナですが、今週はリーダー作、サイド作を含めてお気に入りのアルバムをお寄せください。
管理人 Dave McKenna Best 3
Piano Scene Of Dave McKenna (Epic)
Dave Mckenna Quartet Featuring Zoot Sims (Chiaroscuro)
Zoot Sims / Down Home (Bethlehem)
今週もたくさんのコメントをお待ちしております。
マッケンナを10枚以上持ってる人なんて、
いないんじゃないでしょうか?
私も、管理人さんが挙げられた3枚以外には、
「Solo Piano」、
ホール・オーバートンとのピアノ競演の
「Dual Piano Jazz」(Bethlehem)、
77年のアル・コーン、スコット・ハミルトンとの共演の
「No Holds Barred」があるだけです。
ベスト3は、聴いた範囲では管理人さんに同意です。
管理人さん、今週は一休みしたいのかな?(笑)
おっしゃる通りでして、マッケンナをお持ちの方は少ないと思います。私もコアなコレクターではありませんので、ベストもようやく挙げた次第です。(笑)
サイド参加が多い人ですので、意外なアルバムで聴けますね。Dick Johnson Plays Alto Sax, Flute, Soprano Sax, Clarinet をメンバーを気にせず買ったところ、やけにスウィンギーなピアノなのでクレジットを確認するとマッケンナでした。
>管理人さん、今週は一休みしたいのかな?(笑)
ハハハ、読まれておりますね。連日宴会です。(笑)
これは難問だー!
何しろ、ザ・ピアノ・シーン・オブ・・・しか持っていないのです。
と言うわけで、今週は場外乱闘の機会をうかがう週になりそうです。(笑)
ですが、Baubles, Bangels And Beads では
McKenna とOverton の2台のピアノの掛け合いが
ちょっと面白い感じでしたが、その他のナンバーは
別にピアノ・トリオでもよかったんじゃ?
というのが、正直な感想です。
外れの少ないベツレヘム盤の中では、
ミンガスの「East Coasting」と並んで、
やや外れのほうかも、知れませんね。
そういえば、同じ頃に
ビル・エバンスとボブ・ブルックマイヤーの2ピアノに
パーシー・ヒースb、コニー・ケイds というMJQの
リズム陣という異色の顔合わせのDual Piano 盤の
「アイヴォリー・ハンターズ」というアルバムがありますが、
当時の流行りだったのでしょうか?
ザ・ピアノ・シーンは私もトップに挙げましたが、リーダー作では文句なしの1枚と思います。サイド参加では「ダウン・ホーム」が素晴らしいですね。
異色作や問題作のないマッケンナですので本題から乱闘になるおそれはありませんが、いつどのような展開になるか予想がつきません。準備だけはしておいてください。
「Dual Piano Jazz」はおしゃるようにピアノ・トリオでもいい演奏かもしれません。特にモンクの作品はバップに傾倒しているオーヴァートンにとっては手馴れた曲であっても、マッケンナには無理があります。
同じ時期に「アイヴォリー・ハンターズ」も吹き込まれておりますが、流行りではなくたまたまピアノが2台あった偶然でしょう。ブルックマイヤーがボントロを忘れてきたかと思いましたが、そうではなく急遽決まったアイデアだそうです。後のエヴァンスの多重録音のヒントになった作品とも言われますが、「今宵の君は」をワンホーンで聴きたかったですね。
女性がこのジャケを見ての反応により男性の経験度が分かると言われております。(笑)
25-25プレゼンツ・ライブ「赤松敏弘(vib) meets 川嶋哲郎(ts)」
ですが、難航していたベーシストの人選が
ようやく決まりました。
ドラムの小山太郎さんのご紹介で、生沼邦夫氏に。
不覚にも小生が全く知らない人でした。
大隈寿男さんとよく共演なさっているようですが、
4438miles さん、お聴きになったことはございますか?
そんなことはどうでもいい、いま、最高のビート感覚をもっているベーシストと思います。
特に、最近の彼は一段と音が太くなりゴキゲン度が増してます。私の一押しベースです。
25さん、うかがった際には宜しく!
大隅トリオのレギュラーベーシストです。
因みにチンさんの愛弟子です。
家が栃木県で宇都宮の方なので早めに帰してあげないと帰宅不能になってしまいます。(余談)
エート、なんだっけ、あ、そうか、マッケナか。
デーブ・マッケナって沢山あるけどなかなか聴かない、でも聴くとクセになるのだ。
Piano Scene Of Dave McKenna (Epic)
Dave Mckenna Quartet Featuring Zoot Sims (Chiaroscuro)
Zoot Sims / Down Home (Bethlehem)
この三枚は勿論いいのだが・・・DUAL PIANO JAZZも面白い・・。
三番目を入れ替えたいなぁ。
マッケナの左手はソロ向きだと思うのです。そしてガーナーにも匹敵する左手ですね。
あのグルーブ感がいいですね。
過小評価の代表選手みたいなマッケナです。