デューク・アドリブ帖

超絶変態ジャズマニア『デューク・M』の独断と偏見と毒舌のアドリブ帖です。縦横無尽、天衣無縫、支離滅裂な展開です。

酉年にマリアンのマイルストーンズを聴く

2017-01-15 09:17:48 | Weblog
 アドリブの如く閃きで書いていると言えば格好良いが、実のところ行き当たりばったりの思い付きでアップしている。とはいえ四季の移ろいや行事は念頭にあり、年頭は干支を話題にするのが常だ。酉年といえばまずパーカーで、デヴィッド・ストーン・マーチンの秀逸なデザイン「With Strings」が浮かぶ。これをネタにと思っていたら何と「傷だらけのあいつ」のMINGUS54 さんが大晦日にトリの出し物としてトリ上げているではないか。おまけに暮れだけにクレフ盤だ。

 更に追い打ちをかけるように元旦にいただいた年賀状にもしっかりプリントされていた。ならば昨年「DAY BY DAY」で飲んだときにチェンバースかラファロかと話題に出たハンプトン・ホーズの「Bird Song」が浮かんだが生憎不吉なブラックバードだ。やはり新年は白い鳥に限る。白と言えばデッカの動物シリーズにフラミンゴがある。バリー・ガルブレイスの優しいギターが琴線を揺らすレコードだが、bassclef さんが元旦早々「夢見るレコード」で話題にされていた。こちらは酉年にかけたものではないが、リンクしているサイトから新年早々ネタを拝借するのも気が引ける。

 では、マリアン・マクパートランドの「Interplay」でいこう。オリジナルはマリアン自身のレーベル「Halcyon」だが、ジャケットはMPS盤のほうが断然いい。但しセンターラベルはレーベル名のカワセミをデザインした洒落たもので、こちらはMPSを上回る。リンク・ミリマンのベースとデュオなのでマリアンの繊細で品のあるピアノを聴くなら最高の編成だ。どのトラックも工夫があり面白いが、マイルスの「Milestones」が特にいい。小鳥のさえずりを思わせる無邪気なシングルトーンから大空を自在に飛び回る躍動感のあるアドリブに持っていく展開は英国から米国に渡ったマリアンの心情を映しているようにも聴こえる。

 自分の干支以外は年賀状の時期に知る程度だが、酉年は取り込むにつながり運気やお客を呼ぶという。それにあやかって今年はジャズリスナーが増え、人通りの少ないジャズブログも賑わってほしいものだ。今年も何が飛び出すか見当も付かないアドリブ帖ではあるが、ジャズの魅力を広く深く紹介するスタイルは変わらない。トリ留めのない話ばかりだと閑古鳥が鳴くかもしれないので、飛ぶ鳥を落とす勢いで書いてみよう。
コメント (8)
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