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元横浜大洋ホエールズのポンセ選手の母の父姓 Díaz

2018-03-02 18:17:33 | 名前
  元横浜大洋ホエールズのポンセ選手の母の父姓は Díaz(ディアス)だが、この姓で登録されていたプロ野球選手は何人かいる。
 広島カープでプレーしたエディ・ディアス(Eddy Javier Díaz)、日本ハムでプレーしたフェリックス・ディアス(Félix Antonio Díaz)、そして中日ドラゴンズでプレーしたビクトル・イスラエル・ディアス・オチョア(Víctor Israel Díaz Ochoa)である。
 これらの選手はあまりなじみがないので、一人ひとり取り上げない。ここではポンセ選手の母の父姓ということで取り上げる。
 “Historia Apellidos”によると、スペインでは第14位。メジャーな姓である。世界的な分布では、絶対数ではメキシコ、人口比ではキューバに多い。
 
【某 Díaz 家の紋章。その他の紋章もある】
  紋章を見る限りでは、Díaz 選手は西武ライオンズでプレーするのがいちばんよさそうである。
 さて、Díaz の意味だが、ラテンアメリカでは Díaz は普通名詞 días(「día:英 day」の複数形)と同じ発音になる。変なたとえになるが、days を dayz と書くようなものだろうか。これだと、軽自動車の名前になってしまう。
 実は、姓 Díaz は día とは関係ない。“genoom”というサイトによると、Díaz は Diego の息子ということである。
 普通、「だれそれの息子」というのは“-ez”で表される。Rodrigo の息子が Rodríguez になるように。ただし、Pedro の息子は Pédrez ではなく、[d]音が脱落して Pérez になる。 
 Diego の息子だったら、Diéguez になるはずだが、どういう過程を経たのか知らないが、Díaz である。
 ところで、Diego とは誰かということだが、ウィキペディア「ディエゴ」より引用する。

 ディエゴ (Diego) はヨーロッパの人名。ヤコブのスペイン語形で、ほかにハコボ (Jacobo) 、ハイメ (Jaime) などさまざまな名前が同じ由来を持つ。
 聖ヤコブはスペインの守護聖人であり、スペイン語ではサンティアゴ (Santiago) として知られる。これは本来「Sant + Iago」だったのだが、「San Diego」と異分析された結果、Diegoという名が生まれた。ラテン語形でDidacusを名乗る場合があった。

 つまり、Díaz とは「聖ヤコブ(Diego)の息子」ということである。
 では、聖ヤコブとは誰かということに関しては、「Santiago Matamoros」を参照願いたい。
 さて、Díaz 選手が野手だったら、毎回ホームランを期待して、“Jonrón Todos Los Díaz”という横断幕を掲げると喜ばれることだろう。
 「毎日」は本当は“todos los días”というのだが。

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