スパニッシュ・オデッセイ

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Sherry

2018-03-20 17:29:16 | 名前
 元読売ジャイアンツのガルベス選手(Balvino Gálvez Jerez)の母の父姓 Jerez については前回述べたが、jerez とはシェリー酒(sherry)のことだった。
 sherry は英米では女子名としても使われているが、Sherry に対応するフランス語形やスペイン語形は見当たらない。
 “Behind The Name”というサイトで検索してみたら、次のように書かれていた。

Before the 20th century this was probably from the Irish surname Ó Searraigh meaning "descendant of Searrach" (a name meaning "foal" in Gaelic). Later it may have been reinforced by the French word chérie meaning "darling", or the English word sherry, a type of fortified wine named from the Spanish town of Jerez. This name came into popular use during the 1920s, inspired by other similar-sounding names and by Collette's novels 'Chéri' (1920, English translation 1929) and 'The Last of Chéri' (1926, English translation 1932), in which it is a masculine name.

 Sherry はアイルランドの姓、Ó Searraigh(子馬の)に由来するらしい。その後、フランス語の chérie(英 darling)または、シェリー酒(sherry)と関連付けられたようである。
 1920年代にポピュラーになった。1962年にはフォーシーズンズの“Sherry”が大ヒットした。それで一気にブームになったようである。ブームが過ぎてしまった今では、Sherry という名前は古臭く、日本の「梅さん」のようなイメージになってしまったのだろうか。
 
 【アメリカにおける Sherry 名の比率。“Behind The Name”より】
  ところで、フランス語の chérie のイタリア語形は caro である。モーツァルトの『交響曲第40番』がポップスに仕立てられ、シルビー・バルタンによって“Caro Mozart”(邦題『哀しみのシンフォニー』)というタイトルで歌われた。
 スペイン語形も同じく caro だが、一般的にはこの語は「(値段が)高い」という意味で使われている。イタリア語同様「親愛なる」という意味もあるが、こちらの意味では querido(a) が一般的のようである。
 caro の女性形は cara で、“Cara Mia”という名曲もある。英語に逐語訳すると“Dear Mine”(愛しい私の人)といったところである。ただ、cara は「顔」という意味の名詞でもあるので、cara mía だと「私の顔」という意味にもなってしまう。普通の言い方では mi cara なのだが。   
 なお、英語の cherish や caress も caro の関連語であることを付記しておく。  

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