goo blog サービス終了のお知らせ 

スパニッシュ・オデッセイ

スペイン語のトリビア
コスタリカ、メキシコ、ペルーのエピソード
パプア・ニューギニア、シンガポールのエピソード等

読売ジャイアンツのキャベッジ選手

2025-01-19 12:18:49 | 名前

 今回紹介するのは2025年のシーズンより読売ジャイアンツでプレーする予定のキャベッジ(Cabbage)選手。ラテン系ではないが、珍名なので取り上げる。
 普通名詞の cabbage は「キャベツ」のことで、中学校でも習う単語のはずである。Cabbage 選手を知ったのはエンゼルス時代で、大谷選手の同僚であった。
 さて、Cabbage 姓を持つ人は世界中にどれくらいいるのか、例によって”Forebears”で調べてみた。それによると、Cabbage 姓は世界ランキングで第552,857位。絶対数で577人。そのうち米国が最多で、505人である。ついでに Cabbage を個人名として持つ人は世界に14人。そのうち中国が5人だったが、これは少数民族の個人名かと思われる。
 普通名詞 cabbage は「頭部」を意味する古期フランス語が語源である(研究社「新英和中辞典」)。確かにキャベツを収穫するときは、人の頭を刎ねる場面を連想する。英語圏における昔の死刑は首を刎ねるのが一般的だったようで、現代でも英語では死刑のことは capital punishment という。capital とは cap(本来は「頭部」の意)の派生語で、直訳すると「頭の刑罰」、つまり「首切り」である。
 Cabbage 選手も期待された場面で凡退が続くと、「死刑!」とやじられかねない。
 ところで、「キャベツ」を意味する英語には cole というのもある。cole はキャベツだけではなく、アブラナ科の野菜(カブ、ケールなど)の総称ということだが、キャベツがその代表格だろう。cole も姓として使われるが、有名人にも Cole 姓を持つ人がいるので、これは珍名とは思われていないだろう。"Forebears"によると、Cole 姓は世界ランキング1186位。絶対数では449,543人で、米国が最多である。Cole 姓で有名なのはNat King Cole だが、出生名はNathaniel Adams Coles であったが、のちに単数形の Cole に改名したわけである。
 複数形の Coles 姓について調べてみると、世界ランキングは第10,205位、絶対数では55,193人で、米国が最多である。単数形のCole に比べるとずいぶん少ない。ちょっと気になるのは、エクアドルが729人で8位にランクインしていることである。
 英語 cole のスペイン語形は col で、いずれもラテン語 caulis (キャベツなどの「茎」)に由来するようである。col の関連語には coliflor (英 cauliflower、「キャベツの花」)がある。スペイン語 col の複数形も英語同様 coles となる(ただし、発音は「コレス」)。そうすると、エクアドルの Coles さんたちはほとんどが「コールズ」ではなくて、「コレス」さんだろう。
 スペイン語の coles の単数形 col も姓として使われていて、Col 姓は世界ランキング第47,349位。絶対数では10,933人で、グアテマラが最多である。
 スペイン語の普通名詞の col は、コスタリカではキャベツの意味ではあまり使われていない。コスタリカでは repollo (「レポージョ」と発音される)。この中に pollo(英語 chicken に相当)が入っているので、ふざけてキャベツのことを rechicken ということもある。
 閑話休題。実は repollo も姓として使われているのである。世界ランキング第84,431位。絶対数では5723人。フィリピンが最多で5039人。スペイン語圏では、アルゼンチンが2位に、スペインが5位にランクインしている。 以下が英語及びスペイン語のキャベツ関連の姓のまとめであるが、フランス語形 Chou などを入れると世界中に「キャベツ」さんはどのくらいいるのだろうか。

Cole   1,186位 449,543人 米国最多
Coles  10,205位 55,193人 米国最多 エクアドル8位 729人  
Col   47,349位 10,933人 グアテマラ最多
Repollo  84,431位 5,723人 フィリピン最多 5,039人 アルゼンチン2位、スペイン5位 
Cabbage 552,857位 577人 米国最多 505人 

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。