スパニッシュ・オデッセイ

スペイン語のトリビア
コスタリカ、メキシコ、ペルーのエピソード
パプア・ニューギニア、シンガポールのエピソード等

コスタリカ再訪(188)深夜の怪しい物音

2016-11-30 17:31:07 | コスタリカ

【庭で取ってきたランを花瓶に挿す】
(承前)
 ヘビ騒動が一段落して、そろそろ寝る時間になった。別棟に行こうと思っていたら、通りの向こう側の mini super の前の電柱に登って、電灯を消した怪しい二人組が目撃された。mini super に侵入する意図があったようで、だれかが警察に通報したのだろう、パトカーがサイレンを鳴らさずに静かにやってきた。まだ犯罪が発生しているわけではないので、逮捕はできない。怪しいやつらは前から警察にマークされていたようである。
 この一件は、とりあえず、これで終わりである。
 昔なら、グアピレスで警察に出動を要請しても、パトカーが1台しかなく、今、出払っているから来られないという返事をされることもあったらしい。
 別棟で床(ベッドではない。マットレスを敷いて、シーツをかけただけ)に就いたが、11時ごろから物置や外で物音がする。12時ごろまで断続的に物音は続いた。人間なら足音がしそうなものであるが、足音は聞こえない。泥棒なら、物音を立てないようにするだろう。
 この家は「出る」(asusta)と聞かされているので、ひょっとすると、ポルターガイストかとも思った。怪しい物音はメキシコでも経験している(詳細については「メキシコの怪異譚」、「メキシコの怪異譚-その2」、「メキシコの怪異譚-その3」をご覧いただきたい)。
 こんなことを考えていると、天井で大きな音がして、物音はそれっきりしなくなった。気持ちが悪かったが、もう深夜である。母屋の方に行こうにも、中から鍵をかけられている。筆者には合鍵はない。
 しかたなく、そのまま眠りについたのであった。  


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コスタリカ再訪(187)coral(珊瑚)

2016-11-29 16:50:11 | コスタリカ

(承前)
 運命の8時が来た。玄関先の壁際に細長い生き物がいる。
 
 みみずにしては大きく、ヘビにしては小さい。全然動かないので、生きているのか死んでいるのかわからないが、さっきまでいなかったので、生きているのだろう。
 女房殿を呼んだ。確認してもらったところ、やっぱりヘビ(culebra。英語の serpent に相当する serpienteという語もあるが、一般的には culebra といっているようだ)とのこと。こんなに細いヘビは初めてである。子ヘビのようだ。毒蛇だったら大変なことになるので、女房殿が材木の切れ端を持ってきて、頭をつぶした。かわいそうではあるが、致し方ない。頭をつぶされても、ヘビはしばらくのたくっていた。ヘビの生命力は大したものであることを実感した。
 翌日、インターネットでこのヘビが有毒かどうか、調べてみた。coral (もともとは「珊瑚」の意)という「サンゴヘビ」の一種のようだ。ヘビの画像を多数掲載するのも気持ちが悪いので、興味がある方は「サンゴヘビの画像」をご覧いただきたい。
 サンゴヘビには全身きれいな模様があるが、先ほどのヘビは首の辺りに一つ模様があるだけである。子ヘビだったので、まだ模様が完全にはできていないのか、または、そういう種類なのかはよくわからない。後日、パン屋の義弟に聞いてみたら、coral ではないだろうということであった。無益な殺生をしたのかもしれない。
それにしても、ドアは必ず閉めるようにというアドバイスをいただいたのは絶妙のタイミングであった。

 
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コスタリカ再訪(186)毒蛇が現れる前の怠惰な時間

2016-11-28 16:53:13 | コスタリカ

【グアピレスの実家の近くの finca(農園)】
12月27日(日)この日の天気はめまぐるしい。曇り⇒晴れ⇒雨⇒曇り
 5時ごろ目が醒めたが、また寝る。結局、9時起床。オレンジ・ジュース(jugo de naranja「フゴ・デ・ナランハ」、jugo は英語 suck「吸う」の関連語。naranja の英語形が orange)2杯とタマル1個で朝食。
 
 【義弟の義母のタマルではない】
 朝食はスペイン語では desayuno「デサジュノ」で、des(英 dis、反意語の接頭辞)+ ayuno(英 fast「断食」)に分解できる。英語の breakfast とよく似た語構成である。動詞形は desayunar で覚えやすい。
 さて、この日のタマルはパン屋ではない方の義弟の奥さんの母親(義弟の義母)が作ったもので、ゆで卵を半分にきったのが入っていた。各家庭によって、材料や味が異なる。筆者の義母のタマルにはゆで卵は入っていない。筆者には義母のタマルの味がおふくろの味であるが、義弟の義母のタマルもありがたく、いただいた。
 朝食のあとは、例によって、別棟で涼む。何もしないで、ただゴロゴロするのも贅沢なものである。
 この日の昼食は、3時前になった。近所の義妹宅の昼食に招ばれていたのである。costilla(コスティージャ、豚のカルビ)の味噌漬けがメインである。外国産の黒ビールも2本いただく。昼食後、インターネットをさせてもらったが、大雨が降ってきた。
 
 
 【下の写真は行きつけの中国人経営の mini super】
 小降りになったときを見計らって、4時ごろ帰宅。そのうちに雨はやんだ。
 アルコールも回ってきたので、すぐに別棟でシエスタ(siesta、昼寝)である。
 薬剤師の義姉と次男、及び先ほどの義妹一家が来たらしいが、部屋でうとうとしている。誰か来たような気がしたが、起きられない。7時過ぎに義姉が帰るときに起こされて、挨拶した。
 そして、運命の8時がやってきたのである。


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コスタリカ再訪(185)毒蛇についての助言

2016-11-27 10:28:36 | コスタリカ
12月26日(土)雨
 昨日はほとんど一日中雨だった。今朝も雨が降り続いている。激しくなったり、小降りになったりを繰り返す。出かけられないが、涼しくていい。特に出かける予定も何ので好都合である。
 
 6時40分ごろ目覚めたが、また寝る。結局9時半に起きた。例によって、フルーツとタマル1個とコーヒーで朝食。
 昼食の時間までスマホでインターネットといっても、Facebook が中心である。ゴロゴロしているうちに昼になった。
 12時20分に昼食。昨晩仕込んでおいた鯛の南蛮漬け風を食べるだけである。薄味だが大丈夫である。
 義母は最初、魚と聞いただけで、要らないと言っていたが、一口、味見させたら、食べた。たぶん南蛮漬け風は初めてだろう。昔は、魚は海岸部を除くと、切り身が中心で、新鮮な魚を丸ごと一尾食べることはなかなかできなかったはずである。そのころのイメージが定着しているのかもしれない。義母はアラフエラ州の生まれで、その後、グアピレスに引っ越してきたわけであるが、どちらも海からは遠い。筆者も36年前サンホセ市の郊外に下宿していたとき、金曜日の昼食はいつも魚の切り身であった。下宿のばあさんが敬虔なカトリックで、金曜日は肉を食べない習慣だったからである。確かに当時の切り身は新鮮ではなく、おいしくなかった。
 今では、チリ産のサーモン(salmón、サルモン)がグアピレスのような田舎町でも手に入る。とはいっても、サーモンは高級品で、Ciudad Quesada の豪邸にすむ義妹に、サーモンを毎朝食べる友人がいると、言ったら、びっくりしていた。日本では塩鮭の切り身は和風朝食の定番であるのだが。
 昼食後、例によってシエスタ。別棟でゴロゴロしていると、4時ごろ、近所の懇意にしている中年女性がやってきた。別棟のドアを開けっ放しにしているので、閉めたほうがいいと助言してくれた。このあたりは毒蛇がいるとのことである。早速閉めることにした(アドバイスに従ってよかったと思ったのは翌日のことである)。
 そういえば、パプア・ニューギニア時代に一度、どこからか蛇が入ってきたことがあった。ドアは開けっ放しにした覚えはない。蛇は冷蔵庫の下にもぐりこんでいて、姿が見えなかったのだが、異臭がするのである。冷蔵庫の下を覗くと、何かいる。これは蛇だと思ったが、棒でつついて出すのは勇気がいるし、そのあとの処理が難しい。熱湯を沸かして、冷蔵庫の下に流し込むと、蛇はのたうちまわって出てきた。殺生なことをしたが致し方ない。1985年ごろのことである。
 さて、5時ごろ、パン屋ではないほうの義弟がやってきた。6時ごろ、いっしょに近所の義妹の家に行って、pollo frito (ポージョ・フリート、「フライド・チキン」)をご馳走になる。10時ごろまでおしゃべりをして、10時過ぎに帰宅した。11時前に就寝。雨はやんでいたようだ。

 
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コスタリカ再訪(184)南蛮漬けに「ワイン・ビネガー」を使う

2016-11-25 16:47:37 | コスタリカ

12月25日(金)うす曇り、ときどき小雨
 クリスマスである。ただ、昨夜のディナーがハイライトだった上、実家にはクリスマスのデコレーションがないので、全くクリスマスの雰囲気はない。
 かつては、定番ソングである“Feliz Navidad”がよく聞こえてきたものである。
 7時20分に目覚めたが、昨晩遅かったので、まだそのままうとうと。9時に起きる。前日、同様、朝食はパパイヤ、タマル1個とコーヒーである。毎日毎日、タマルばかりであるが、この時期はタマルを食べるものなのである。日本でいえば、正月は毎日おせち料理のようなものである。ただし、タマルはおせちと違って、安価な上、温かいので、飽きが来ない。1年中タマルを食べてもいいぐらいである。
 朝食後は、寝不足のせいもあり、昼食までゴロゴロしている。外は雨が降っているので、涼しくていい。
 12時半ごろ昼食。何を食べたか記録がないので、たぶん前日の余り物でも食べたのだろう。
 また、寝る。4時ごろコーヒーを飲む。5時半ごろ、パン屋の義弟が肉、野菜、魚などを持ってきてくれた。女房殿がお金を払ったような形跡はないので、差し入れであろう。
 7時ごろ、日本風のチキンライスを作って夕食にした。コスタリカ風チキンライスである arroz con pollo(アロス・コン・ポージョ)ではない。こちらの方はチキンをまず茹でて、その煮汁を使って、ご飯を炊くのである。
 
 【arroz con pollo】
 魚が3尾あるので、翌日の昼食用に南蛮漬け風に料理した。ただし、南蛮漬けにするには大きな魚である。たぶん pargo(鯛)であろう。
 日本では南蛮漬けにするのに日本酒を使うが、ここはコスタリカ。代用品として、ロゼのワイン(vino rosado)を使う。酢はリンゴ酢とワイン・ビネガーがあった。 
 
 今では酢はいろいろな原料から作られるが、もともとはワインが酸っぱくなったのが酢である。
 「酢」はスペイン語では vinagre(英 vinegar)という。語源はラテン語に遡るのだろうが、スペイン語で書くと、vino agrio で「酸っぱいワイン」が原義である。そうすると、「ワイン・ビネガー」(vinagre de vino)は“vino agrio de vino”ということになり、vino が余分である。日本人が語源も知らずに、「ワイン・ビネガー」というのは可愛いものだろうが、スペイン語話者は違和感を覚えないのだろうか。堂々と“VINAGRE DE VINO”と書いているぐらいだから、もはや語源は忘れられたのかもしれない。 
 ちなみに、日本ではメキシコ料理用だろうか、「サルサ・ソース」(salsa sauce)なるものが売られているが、さすがにこれにはスペイン語話者は面食らうだろう。salsa とはスペイン語で sauce の意味なので、「ソース・ソース」ということになる。
 蛇足ながら、sauce も salsa も語源は同じで、どちらも sal(塩、英 salt)に由来する言葉である。
 雨が降っていると、カネタタキがにぎやかである。9時半ごろ寝た。


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コスタリカ再訪(183)トランプ(ドナルドではない)

2016-11-24 17:26:07 | コスタリカ
 義妹宅でトランプの ron (「ラム酒」、セブン・ブリッジのこと)をしたことは前回述べた。トランプのことは naipe または bajara(バラハ)ということも述べた。
 今回はトランプ用語について紹介する。カードには4種類(スート、suit。スペイン語では palo というが、第一義は「棒」で、palo というと、もっぱらこの意味で使う)あるが、それぞれの名前を以下に記す。
 スペード espada(剣、英 spade の関連語)
 ハート  copa (聖杯、英 cup に相当)。corazón(コラソン、「ハート」)ではない。
 ダイヤ  oro (金)。diamante 「ダイヤモンド」ではない。
 クラブ  basto (棍棒)
 
 【字札は1~7まで。合計40枚。これはイタリア式。】
 スート(suit)についてはウィキペディア「スート」をご覧いただきたい。中国語では「スペード」は「黒桃」、「ハート」は「紅桃」と呼ばれる、等の興味深い記述が見られる。
 さて、上の写真のようなものが、もともとのデザインのようで、このころの言葉が今も残っているということだろう。筆者がコスタリカで見たのは日本でも使われているような一般的なもの(英米式)だった。
 2から10までの字札の呼び方は、普通にスペイン語の数詞(基数)を使えばよい。
 1はエース(ace)だが、スペイン語では as(アス)という。実は、英語でも昔は「アス」のように発音されていたようである。現在の英語で「アス」に聞こえるのは us をまず思い浮かべるだろうが、日本人に「アス」と聞こえる単語は他にもある。それは、arse だが、これは形を変えて ass になり、もっぱらこちらの方がよく使われているのではなかろうか(翻訳は差し控える)。
 そういえば、シェークスピアのころの ace の発音は arse に近かったのだろう、ace と arse (ass)をかけたセリフが「夏の夜の夢」か何かに出てきたように記憶しているが、何せ40年以上も昔のことなので、定かではない。
 義妹のアメリカ人の旦那が as(英 ace)という言葉で何を連想するか、聞いてみればよかった。
 絵札に移る。
 king はそのままスペイン語に直訳して rey である。queen は直訳すると reina である。女房殿もこれでいいと言っていた。一方、チェスのクイーンは dama(貴婦人、英 dame)ともいうらしいが、トランプでも dama でいいのだろうか。問題はジャックである。どう訳すのか、興味深々だったが、jota(ホタ)というので、拍子抜けしてしまった。jota とはアルファベットの J のスペイン語読みである。
 もっと調べてみると、スペインのトランプは字札は1~9までで10はない。10 が sota (従者)、11 が caballo(カバージョ、オス馬)、12 が rey (王)とのことである。また、字札も8,9は使わないことが多いらしい。こうなると、イタリアのトランプと同じになる(詳しくはウィキペディアの「トランプ」を参照)。
 
【合計48枚。このタイプがポルトガル人によって日本に持ち込まれ、その後、これをもとに花札が発明されたとか。詳しくはウィキペディア「花札」を参照されたい。さらに、花札は韓国にも伝わり、花闘(ファトゥ)になった。デザインは日本のものとほとんど同じだが、梅にウグイスではなく、カササギになっていたり、柳に小野道風ではなく、韓国服を着た人物になったりしている。詳しくは「韓国花札」をご覧いただきたい。】
 トランプに戻る。10 の sota が英米式の jack に当たるはずだが、jack の頭文字の j に引かれて、sota が jota になったということだろうか。
 ちなみに、英語の jack は人名 Jack の転用で、「少年」という意味にもなっている。手元の辞書によると、トランプの「ジャック」は knave(独 Knab)ともいうらしい。そうすると、ジャックは muchacho と訳してもいいのではなかろうか。J の文字を生かすのならば、joven(ホベン、「若者」。英 juvenile は関連語)という手もある。
 11 が「女王」ではなく、「メス馬」(yegua、ジェグア)でもなく、「オス馬」というのがとても興味深いが、絵札が全部男になってしまうので、ちょっと味気ない。
 ジョーカー(joker)は comodín(コモディン、「必要なときに役立つもの、代用品」が原義。cómodo「快適、便利」の関連語。英語の commodity も関連語)というが、ron ではジョーカーは使わないので、なじみがない。今回、調べてみて、初めてわかった。
 ちなみに joker は joke の関連語だが、スペイン語では jugar(フガール)が語源を同じくする。スペイン語の jugar は意味の上では英語の play に当たる。英語の joke は手元の辞書では「冗談」が第一義になっているが、第二義に「悪ふざけ」というのも載っている。英語の joke はスペイン語の jugar より、意味の範囲が狭いのである。
 さて、現在コスタリカで使われているトランプは英米式のものだが、これは決して世界標準ではない、ということがわかった。スペインから移民がコスタリカにやってきたときは、スペイン式のトランプを携えてきたことだろう。それがいつの間にかアメリカナイズされて、英米式のものに取って代わられたということだろうが、スペイン式のトランプが駆逐されていったのはいつごろのことだったのだろうか。
 また、一つ謎が深まったのである。
 

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コスタリカ再訪(182)クリスマス・ディナー

2016-11-23 15:46:20 | コスタリカ
 (承前)
 ビールを飲みながら、歓談しているうちに、夜も更け、10時になった。やっと、クリスマス・ディナーである。クリスマスというと、七面鳥が正式なのだろうが、コスタリカではお目にかかった記憶がない。七面鳥の代わりに鶏肉である。丸ごと一羽ロースト・チキンにするのが一般的だろう。また、それを細かくちぎって、チキン・ライス風にして食べるのもコスタリカの典型的なクリスマス・ディナーである。スペイン語で“arroz con pollo”(アロス・コン・ポージョ)という。英語に逐語訳すると“rice with chicken”である。チキン・ライス風ではあるが、日本のものとはちょっと違う。日本のもおいしいが、コスタリカのもなかなか乙なもので、癖になる。“arroz con pollo”の画像はたくさんあるが、筆者にとっては下の写真のようなものが、“arroz con pollo” である。
 
 ところが、この夜のディナーは豚肉だった。てっきり、鶏肉が出てくるものと思っていたのに意外だった。それでも、美味だったので、文句はない。ありがたくいただいた。細かい記録が残っていないし、記憶も曖昧なので、はっきりしたことはいえないが、ご飯が、“arroz con pollo” だったかもしれない。
 食後、トランプ(コスタリカでは naipe が一般的。baraja ともいう)をして遊ぶ。コスタリカのトランプ遊びといえば、ron(ラム酒)である。初めは何だろうと思ったが、何のことはない、セブン・ブリッジのことだった(「コカ・コーラとラム酒」の項、参照)。

  当時は、何で「セブン・ブリッジ」が ron(ラム酒)なのか、深く考えなかったが、ふと、小学校高学年のときに我が家にあったトランプ遊びの本を思い出した。その中に「ラミー」という遊び方があった。
 トランプ遊びは、ババ抜き、七ならべ、神経衰弱などから始め、ツー・テン・ジャックやセブン・ブリッジなどへと進んで行った。「ラミー」という遊び方の名前は知っていたが、二組で遊ぶということもあり、実際にやった記憶はない。3人で遊ぶことが多かったせいかもしれない。
 「ラミー」は rummy とつづる。手元の辞書には rummy という語は3つある。
 1 rum(「奇妙な、おかしな、下手な、難しい、危険な」などの意味)の同義語
 2 ラミー(2組でするトランプ遊び)
 3 《rum(ラム酒)から》飲んだくれ
 トランプの「ラミー」が「ラム酒」から来た言葉なのか、それとも、もう一つのほうから来たのか、それともこれらの言葉と無関係なのかはわからない。
 筆者なら、rummy と聞けば、「ラム酒」を連想するだろう。酒飲み(特にラム酒)のスペイン語話者なら、当然、ラム酒を連想するだろう。
 「ラミー」の遊び方も全く記憶にないので、ウィキペディアで「ラミー」を調べてみた。すると、「セブンブリッジは基本的なラミーの一種である」との記述があった。ラミーにもいろいろな遊び方があって、2組に別れない遊び方もあるようである。
 ということで、rummy を rum(ラム酒)と結び付けて、それをスペイン語に訳して、 ron(ラム酒)となったのであろう。
 これで、一つ謎が解けた。

 さて、5人ぐらいでゲームを始めたが、なかなか勝てない。最後にやっと1回勝った。別に何も賭けていない。単にゲームを楽しんだだけである。
 深夜12時になった。
 25日になったので、幼子イエスのお誕生である。ということで、一家で“¡Feliz Navidad!”(Merry Christmas)と言って、握手したり、ハグしたりした。 新年のときのように女性陣からのキスはなし。
 年寄りもいることだし、そろそろ家に帰らなければならない。タクシーを呼ぶ。来るときは、予約していたので、時間どおりにタクシーが来たが、今度は予約していない。クリスマス・イブで出かける人が多いのだろう、なかなかタクシーが来ない。
 手持ち無沙汰なので、外に出る。雨は止み、月が出ていた。朧ではあるが、満月である。これもまた風情がある。
 待つことしばし。2時過ぎにやっとタクシーが来た。何と2時間待ちである。
 来た道をそのまま引き返す。道はすいているので、スイスイ進み、あっという間に家に着いた。今度のタクシーはメーターを使ったので、5500コロンだった。来るときより500コロン(約100円)高かった。シャワーを浴びて、3時ごろ寝た。
 

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コスタリカ再訪(181)手作りの家

2016-11-22 16:33:30 | コスタリカ
  アンヘリナ(Angelina) は小さな町である。中心部に入ったと思ったら、すぐ出てしまった。少し行ったところが、義妹の家である。
 
 家の敷地の入り口の前でタクシーを降りる。料金はメーターを使わず、フラット・レートで5000コロン(約1000円)だった。パン屋の義弟の知り合いのようなので、吹っかけられることはあるまい。
 義妹の家には15年以上前に一度来たことがあるが、よく覚えていない。義妹(アラフエラに住む義妹の双子の姉妹)のアメリカ人の旦那は日曜大工が趣味で、家も自分で建てている。当時、工事中であったが、住むことはできた。
  入り口から家にたどり着くには庭を通らなければならない。この夜は満月なのだが、義妹宅に着いたときには、曇っていたようだ。小雨がパラついていたかもしれない。グアピレスの家を出る前には晴れていて、満月を拝んでいたのだが。
 街灯もないし、庭に灯りもないので、真っ暗である。家には灯りが点っているが、庭まで照明が届かない。懐中電灯も持ち歩いていないので、しかたなく、足元に注意して、一歩ずつ進む。
 ところで、庭にナマケモノがときどきやってくるそうである。森の中のようなイメージだが、そうでもない。家の前はわき道で、近隣住民の車も通る。
 
 
 【義妹撮影。この日は夜だったので、ナマケモノがいるかどうか、わからない。】
 さて、暗闇の中をやっとのことで、家にたどり着いた。2階建ての家である。1階には居住空間はないが、1階は物置になっている。ただし、壁で囲まれておらず、吹き抜けである。そこに木材などが置かれている。吹き抜けにして、上に住むと涼しくていい。
 2階に上がっていく。階段に手すりはない。旦那もそろそろ還暦なので、いずれは手すりが必要になるかもしれない。
 旦那は仕事をしながらなので、まだ工事は完成していない。それでも、大方出来上がってはいる。
 2階の部屋にはベランダを通って入る。入ったところがリビングである。
 
 【おなじみのクリスマス飾り】
 広い家ではないが、居心地はいい。cozy という言葉が合う。奥のほうに寝室が2つある。当然、キッチンもある。トイレはあるが、シャワーはなく、1階でシャワーを浴びる。こちらは普通にトイレもついている。
 こんな、一見田舎の家でも、インターネットはできる。
 まずは、一家に歓迎され、とりあえずビールをいただき、歓談。
 雨が降ったり止んだりしている。ここもカネタタキがにぎやかである。
 
 【カネタタキの画像より。コスタリカのカネタタキかどうかはわからない。】
  
 
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コスタリカ再訪(180)「グアピレス」の名前の由来

2016-11-21 16:43:15 | コスタリカ

 (承前)
 
 Angelina (アンヘリナ)の義妹宅のクリスマス・ディナーに呼ばれている。
 夜になった。そろそろ出発である。事前にタクシーを予約してある。8時前にタクシーがやってきた。
 義母、女房殿と筆者の3人が乗り込む。
 まず、グアピレスの市街地に出る。そこから東へ行くのだが、幹線道路(autopista)には出ない。こちらは路面状態がよく、長距離バスやトラックが走っている。
 しかしながら、幹線道路に出るまでやや距離があるので、距離はいくらか長くなる。ということで、旧道を通る。
 市街地を出ると、すぐに田舎になる。
 旧道を通るのは初めてである。旧道といっても、そんなに悪い道ではない。一応舗装はされている。道幅はそう広くはないが、車がすれ違うのに困るということはない。
 地図では「ビエハ通り」と表記されているが、「ビエハ」とは vieja (古い)のことで、固有名詞ではない。viejo の女性形だが、「通り」が calle (カジェ)で女性名詞なので、形容詞も女性形にしているだけのことである。つまり、単に「旧道」という意味でしかない。
 初めて通る道だし、夜だったので、かなりの距離があるように感じたが、地図で見ると、市街地から10kmもない。
 グアピレスは小さな町なので、知り合いが多い。このタクシーの運転手はパン屋の義弟の知り合いだったかと思う。
 そうなると、話が弾む。
 グアピレス(Guápiles)の名前の由来を知っているかと、尋ねられた。
 昔、グアピレスの市街地の北東のはずれに Los Guapes という中華料理屋があった。一度そこで食べた魚料理が忘れられない。その後、また行こうと思って探したが、見つからない。廃業したそうであった。
 そのレストランにグアピレスの由来について何か書かれていたのを今でも覚えている。なんでも「双子」がどうのこうのということであった。
 そこで、運転手に「双子」(gemelos、ヘメロス)と答えたが、運転手によると、正解は「2本の滝(または溝)」の意味だそうである。ただ、「2」ということでは合っていた。女房殿は由来を知らず、である筆者の方がよく知っているといって感心してくれた。運転手は内心、この“chino”(文字通りには「中国人」。ただし、アジア人全体も指す)、なかなかやる、と思ってくれたかどうか。
 後日、「グアピレス」の由来を調べてみると、やっぱり「双子」でよかったようである。guape という先住民の言葉から Guápiles になったそうである。意味は「双子」で、これはグアピレスを通る2本の川を意味しているそうである。
 ということで、筆者も運転手もどちらも正解ということでよかろう。
 そうこうしているうちに、田舎道が終わり、Angelina の町に入った。
 

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コスタリカ再訪(179)出発前の怪談

2016-11-20 15:44:02 | コスタリカ
 
(承前)
 グアピレスから少し離れたところに住む義妹の一人にクリスマス・イブのディナーに呼ばれているが、まだ出かけるには早すぎる。
 
  

【Angelina 地区に義妹宅がある】
 5時ごろまで、別棟で涼む。シエスタをしたり、本を読んだり、日記を書いたりして過ごす。ちょっと退屈してきたので、母屋に戻り、コーヒーをいただきく。その時だったかどうか、不明だが、次のような話を聞かされた。
 昨晩、女房殿が寝ていると、男(?)の息遣いが聞こえたと言う。女房殿は母屋で、筆者は別棟で寝ているので、筆者の息遣いではない。義母も寝ているが、別室のはずである。
 そうすると、息遣いの主はだれかということになる。女房殿は霊体質であることはすでに述べている。この家に住んでいた男の物故者は義父と、義母の兄(女房殿のおじ)の二人だけである。ひょっとして、このうちの一人かもしれない。はたまた、大昔にこの土地に住んでいた先住民かもしれない。
 義父は亡くなる前に糖尿病を患い、寝たきりの生活を送っていたことがある。そのとき、自分のベッドのそば(または、自分の部屋)に知らない男がいるので、追い出してくれと言ったことがあると、女房殿が教えてくれた。もちろん、家族のものにはそんな男は見えなかった。
 霊が見えたのか、それとも、病気(または薬)による幻覚なのかはわからない。
 いろんなことがあって、この家は「出る」(asusta)と女房殿は信じているようだ。
 そんな話をしてから、7時ごろまでゴロゴロする。珍しく今晩は晴れていて、空には満月が出ている。クリスマス・イブの満月は記憶にない。
 8時になったので、いよいよ義妹宅へ出発である。予約してあったタクシーがやって来た。


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コスタリカ再訪(178)クリスマス・イブ

2016-11-19 16:14:19 | コスタリカ

12月24日(木)うす曇り
 夜中の3時前に一度目覚めたが、また寝る。7時20分ごろ目が醒めたが、そのままごろごろして、やっと8時40分に起床。
 中央高原は乾季でカラッと晴れているが、グアピレスはうす曇りである。こちらはこの季節でもどんよりした天気の日が多い。
 9時過ぎに朝食。パパイヤ、マンゴのトロピカル・フルーツは安くておいしい。そして、この時期の名物、タマルである。残念ながら、義母は高齢なので、もう料理はしなくなっている。やっぱり義母のタマルが一番だが、その味は女房殿に受け継がれている。タマルには当然、コーヒーである。
   
 【この日のタマル(tamal)ではない】
 朝食後、別棟の部屋でゴロゴロする。この部屋はいくぶん涼しい。涼んだあと、母屋にもどり、またゴロゴロ。
 10時ごろから暑くなってきたので、また別棟に行って涼む。旅行疲れもあるのだろう、ひたすらゴロゴロである。
 昼食は筆者の担当である。 rabo de res (牛のテール)をグツグツ煮る。柔らかくなるまでだいぶ時間がかかる。カレー味にするので、たまねぎなどの野菜を炒めて煮た。
 2時ごろ、やっと昼食にありつけた。
 風が出てきたと思ったら、すぐに雨になった。ただし、通り雨だが、それでも女房殿が庭に干した洗濯物を取り込みにいった。取り込んだところで、また晴れた。
 この日はクリスマス・イブだが、実家にはクリスマスの飾り付けがない。大体どの家で尾派手に飾りつけるものだが、義母はアラフエラの義妹宅にいたため、長いこと留守であった。そのため、飾る時間がなかったのである。よその家で十分見てはいるが、やっぱり飾りつけがないとさびしい。テレビも置いていないし、ラジオはあるが、義母は聞かないので、クリスマス・ムードは全然伝わってこない。
 義父が健在のころは、クリスマスになると、家族一同、この家に集まってきて、子供たちは piñata(ピニャータ)を楽しんでいたものだが、隔世の感がある(ピニャータについてはウィキペディア「ピニャータ」及び「画像」を参照されたい)。
 
 【ピニャータの画像より】
 この夜は、グアピレスから東へ10キロ弱行ったところにある、Jiménez(ヒメネス)という町に住む義妹(アラフエラの義妹の双子の姉妹)の家に招待されている。夕食は夜遅くなるので、日が暮れるまで、ゴロゴロして、それから出発である。


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コスタリカ再訪(177)カネタタキ

2016-11-18 17:56:53 | コスタリカ
  帰宅後、筆者が昼食を作る。昼食のメニューの記録が残っていないが、パン粉の代わりにパンをちぎって使ったという記録がある。
 女房殿はこの間、庭でココナッツの実(pipa)を拾っている。拾ったあと、machete で実をかち割り、ジュースをジャーに移す。
  
 【machete ウィキペディアの画像より】
 これで agua de pipa (ココナッツ水)の出来上がりで、あとはラム酒(ron)をまぜて飲む。これまではストレートで飲んでいたのだが、Ciudad Quesada のセレブたちのパーティーでラム酒割りの味を覚えてしまった。女房殿も「ヤバイ」を連発していた。
 昼食後は昼寝(siesta、シエスタ)である。暑いところはやっぱりシエスタに限る。
 目が醒めると、風が出ている。3時ごろ、急に豪雨になったが、わずか1分の通り雨であった。
 
 夜は時々雨。小さな鉦が鳴るような音が雨の中から聞こえてくる。カネタタキのようなものらしいが、姿は見えない。
 女房殿に虫の名前を聞くが、grillo(グリージョ) とのこと。しかし、手元の辞書によると、grillo は「コオロギ」である。「コオロギ」の鳴き声と「カネタタキ」の鳴き声の違いぐらい筆者にもわかる。女房殿に問いただしたところ、鳴く虫は、女房殿によると、すべて grillo とのこと。正式にはそれぞれ名前はあるのだろうが、一般的にはいちいち区別しないのかもしれない。
 念のため、画像を見てみたが、コオロギとカネタタキは一見似ているので、カネタタキが grillo であってもおかしくはない。
 そういえば、パプア・ニューギニアで魚の名前を聞いたとき、fish という答えが帰ってきたことがあった。
 さて、夕食の記録はないが、昼の残り物ですませたのかもしれない。
 9時就寝。


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コスタリカ再訪(176)貸し切り状態のバス

2016-11-17 16:00:07 | コスタリカ
 スーパーで買い物を終えて、家路につく。
 スーパーからバス停まで徒歩5分ぐらいだろうか。荷物もあまり多くない。
 
 
 【バス停から市街地方面へ少し行ったところ。下の写真、左のほうにカットされた、タマレス用のバナナの葉っぱが見える。】
 グアピレス市街地の北のはずれに病院があるが、その前が市内・近郊バスのターミナルになっている。グアピレス市街地の南にある長距離バスのように立派なターミナルがあるわけではない。
 行き先ごとに4つぐらいのバス停があるが、標識がなかなか見つからない。ないのかと思っていたが、あるにはあった。しかし、わかりにくい。利用するのはほとんど地元の人たちだろうから、事情をよく知っているのだろう。女房殿は地元の出身ではあるが、最近はたまに里帰りする程度なので、もはや地元の人間ではない。バス停でバスを待っている人にどのバス停か、聞く。
 教えられたバス停に行く。時刻表は見当たらない。一応、ターミナルなので、どこかにあるかもしれないが、コスタリカでは普通のバス停に時刻表はないのが普通である。
 程なく、バスがやってきた。昔に比べると、バスも立派になったものだ。乗車時に運転手にバス料金を払うが、昔はくれなかったレシートのようなものが機械から出てきて、それをくれたような気がする(ちょっと記憶が定かではない。記録も残っていない)。
 珍しいことに、このバスに乗ったのは筆者一行2人だけであった。ここが始発のようなので、他に乗客もいない。結局、実家の近くのバス停で降りるまで、乗客は筆者一行のみであった。こんなことは初めてである。
 

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コスタリカ再訪(175)Mamá Lucha

2016-11-16 17:48:27 | コスタリカ
  スーパー Palí で買い物をした。ここでも、やはりカード払いOKである。
 支払いを済ませて、出口に向かう。すると、この店のキャラクターがあった。
 
 
 おばさん体形のキャラである。名前は Mamá Lucha である。Lucha は普通名詞としては「戦い」という意味で、英語の battle に相当する。「戦争」(guerra、英 war)ではない。lucha は lucha libre(メキシコのプロレス)の意味にも使われ、日本でも結構知られるようになった。Mamá Lucha はマスクもしているし、いかにもルチャ・リブレのプロレスラーである。
 lucha はまた、動詞 luchar(戦う)の直説法現在3人称単数の活用形でもある。
 以前、触れたが、ペルーで仕事をしていたとき、Lucha という名の女性秘書がいた。そのときは深く考えなかったが、本名は Lucía ではないかと、今は想像している。
 さて、2番目の写真には次のように書かれている。
  LOS PRECIOS BAJOS Y
 MAMÁ
 LUCHA

 VIENEN AL RESCATE
 大きな緑の字で書かれているところだけ見ると、「お母さんは戦う」のように読める。
 ところが、赤い字の部分を付け加えて読むと、こうなる。
 「低価格と MAMÁ LUCHA(LUCHA 母さん)が救出にやってくる」
 が直訳であるが、「MAMÁ LUCHA(LUCHA 母さん、戦う母さん)が値段を安くして、あなたの暮らしを助けてあげるよ」ということであろう。
 MAMÁ LUCHA が両手に持っているのはコスタリカの通貨単位コロン(Colón、英 Columbus)のマーク ₡ である。
 1番目の写真には
 LUCHANDO
 POR LA
  NAVIDAD 
 QUE QUERÉS
とある。
 英語に逐語訳すると、
 FIGHTING FOR THE CHRISTMAS THAT YOU WANT(あなたが望むクリスマスのために戦っている)になる。
 ということで、Lucha は Lucía の愛称かどうかはわからないが、「戦う」母さんということでいいのであろう。
 ちなみに、若いときにはスマートでも、中年になると、この体形になるコスタリカ女性は多そうである。
 

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コスタリカ再訪(174)Supermercado Palí

2016-11-15 16:26:09 | コスタリカ
  サンダルを購入したあと、さらに Guápiles(グアピレス)の町の中心部(centro)に向かって歩く。靴屋からさほど遠くないところにスーパーがある。これは昔から使っているスーパーの Palí である(画像多数あり)。
 
 Palí という言葉は辞書には載っていない。人名由来だろうか。pali とアクセントが前に移ると、古代インドの「パーリ語」という意味の言葉になるが、庶民とは無縁の言葉だろう。
 1980年ごろは日系スーパーのヤオハンを除けば、スーパーというと、“Mas x menos”(マス・ポル・メノス)が代表的であった。Palí が1980年ごろからあったかどうか、記憶にない。たぶんなかったような気がする。
 さて、“Mas × menos”は本当なら、Mas ではなく、Más と表記しなければならない。mas は「しかし」という意味の言葉(フランス語では mais)だが、文語である。普通は pero を使う。más は英語の more(または most)に相当する。menos の語源は英語の minus と同じだが、ここでは less に相当する。「ポル」は × で表記されていて、掛け算の記号で、スペイン語では por と読む。つまり、“Mas × menos” とは「より多くのものをより少ない金額で」という意味で、早い話が「安いよ」ということである。
 
 【「+」で más(more)、「×」で por、「-」で menos (less)を表す】 
 1981年末になると、コスタリカ・コロンが米ドルに対して暴落し、物価が急騰したことがある。そのときには“Mas x menos”ではなく、“Menos x mas”だと陰口をたたかれたものだ。
 さて、Palí で野菜や肉などを買う。徒歩とバスで帰るので、あまりたくさんは買えない。
 
 ここで目にしたのはキャリーにもなる買い物かごである。日本のスーパーやコスタリカのほかのスーパーでも使われるカートもあるが、キャリーは少量の買い物には便利である。 
 このスーパーにはマスコット・キャラクターがあるが、詳しいことは後日述べる。
 
 
    

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