スパニッシュ・オデッセイ

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ドゥエンデ(duende、小人) 

2021-08-17 13:13:20 | コスタリカ
 メキシコ時代の友人が書いた作品をご紹介します。さまざまな資料を基に再構築した武蔵です。是非ご一読ください。『巌流島の決闘』はあっと驚く結末です。
   
 コスタリカの昔話にはドゥエンデ(duende)というコビトもよく登場する。コビトといっても、『借りぐらしのアリエッティ』ほど小さくはない。アリエッティのサイズだと、英語では fairy, elf などと呼ばれるようだが、コスタリカのコビトはもっと大きい。ディズニー・アニメ『白雪姫』に出てくるコビトと同じぐらいのサイズである。これは英語では dwarf と呼ばれるようだが、スペイン語では duende となる。

 【wiktionary: duendeより】

 小学館『西和中辞典』によると、ドゥエンデは以下のように記述されている。

 1 お化け、小悪魔、(家つきの)小鬼、座敷わらし、小妖精
 2 いたずらっ子、腕白小僧
 3 魔力、デーモン、抗しがたい〔妖しい〕魅力
 
 語源は古スペイン語「家長」(duen de casa)とのこと。duen は今では dueño(主人)という形になっている。
 コスタリカの duende はだいたい、「(家つきの)小鬼」である。
 物語に登場する duende は男ばかりで、大体が中高年である。『白雪姫』に登場するコビトと全く同じである。 
 ドゥエンデについては、大阪大学の池田光穂教授による記事『いのちの民俗学(10)』に詳しいので一読をお勧めする。その中で、 duende の女性形は duenda と書かれているが、筆者はこれまで duenda という語にはお目にかかったことがない。
 記事の中で、ドゥエンダが人間の男に惚れ込んだ話が紹介されているが、池田教授は青年海外協力隊員としてホンジュラスに派遣されていたので、この話の舞台はホンジュラスだと思われる。似たような話はコスタリカにもあるだろうが、筆者の知る限りでは、人間の男に惚れ込んだのは幽霊または魔物で、ドゥエンダとは呼ばれていない。
 ところで、ドゥエンデは日本の座敷わらしのようなものらしいので、なかなか人目には触れないが、小さな子供には見えることがあるようである。
 女房殿も子供のころ、コビトが部屋の中を通り過ぎていくのを見たと言っている。そのことを母親に話すと、それはドゥエンデだろうと答えたそうである。しかし、コビトを見たのは後にも先にもそのときだけとのこと。
 また、女房殿の妹が幼いころ、ほかに誰もいないのにあたかも誰かと話していたような様子をよく覚えている。それが子供の想像によるものなのか、はたまたドゥエンデと話していたのかは、わからない。
ドゥエンデについての話は「コスタリカ伝説集」(国書刊行会)にいくつか収録されているので、そちらをご覧いただきたい。
  


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