スパニッシュ・オデッセイ

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元中日ドラゴンズのルナ選手(2)

2018-03-08 17:46:32 | 名前
  元中日ドラゴンズのルナ(Luna)選手。姓の Luna は「月」の意味であることは前回述べた。
 普通名詞 luna の形容詞形は lunar で、英語も同形である。「太陰暦」という場合には、“calendario lunar”という。スペイン語の lunar には「ほくろ」という意味もあるが、ルナ選手は目立つところにほくろがあったかどうか。
 
 【ルナ選手】
 luna から派生した言葉には lunático(英 lunatic)というのがある。意味は形容詞としては「精神異常の、気違いじみた、奇癖のある」で、名詞としては「狂人、変人、気まぐれな人」という意味である。
 月は潮の満ち引きや海がめの産卵時期などに影響を及ぼしているように、ヨーロッパでは月が人間の性格に影響を及ぼすという信仰があった。
  ルナ選手はストライク・ボールの判定で審判に抗議して、退場処分になったことがあるが、lunático というほどのことではなさそうである。もし、そうだったら、Luna lunático というニックネームを頂戴していたかもしれない。
 スペイン語では luna(月)を使った熟語がいくつかあるので紹介しよう。
 estar de buena (mala) luna(いい《悪い》月の状態である) :機嫌がいい(悪い)
 tener lunas(月を持つ) :気まぐれである
 coger la luna(月を取る):不機嫌になる
 hablar de la luna(月について話す):ばかげている
 vivir en la luna(月に住む):ぼんやりしている、世間離れしている
 estar en la luna(月にいる):ぼんやりしている
 というわけで、ルナ選手がボーンヘッドでもやらかしたら、“Luna vive (está) en la luna”と言えばよい。
 ところで、英語の moon は動詞としても使われる。意味は「あてもなく夢見心地でうろつく(さまよう)、~に夢中になってぼーっと時を過ごす、ぼんやり過ごす」などである。
 moonstruck(月に打たれた)は「気が狂った」。moony は「夢心地の、ぼんやりした」という意味でも使われる。 
 スペイン語には Luna 姓があるのだが、英語には Moon という姓があるのだろうか。日本や中国にも「月」様がいるのだろうか。
 韓国には「文」と書いて、Moon と表記される姓がある。現大統領のムン・ジェイン氏には“moonstruck moony Moon”と言われないように頑張っていただきたいものである。 

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