中日ドラゴンズのモヤ選手の姓 Moya は歴史のある、由緒正しい姓なので、当然紋章も何種類かある。
上の2つの紋章の右側は同じものとといってもよかろう。“ORIGEN DE LOS APELLIDOS”の“MOYA”の項によると、右側に描かれているのは veros ということだが、vero は「クロテン(黒貂)(の毛皮)」という意味である。veros と複数形にすると、紋章の専門用語「ベア:毛皮模様の一つ」という意味になる。
3番目の紋章は上の2つの紋章の右側部分のみ描かれている。とても毛皮には見えないのだが。
上の2つの紋章の左側部分は「はしご」である。このはしごは1183年に Álvaro de Moya y Mariño が Moya の集落をイスラム勢力から奪還したときの城砦攻防戦にちなむもののようである。
クロテンは古くから高級な毛皮として珍重されてきたもので、やはり王侯貴族にふさわしいものである。
ところで、Moya の意味だが、スペイン語版ウィキペディア“Moya (apellido)”には次のような説も紹介されている。
deriva del vocablo árabe "mu’áwia", nombre preislámico que en árabe significa "lobo, perro, zorrezno, ladrido de perro o aullido de lobo".
簡単に言うと、アラビア語"mu’áwia"に由来し、意味は「狼、犬(またはその鳴き声)」ということである。
zorrezno という語は小学館『西和中辞典』には載っていないが、zorro(「ゾロ」ではなく、「ソーロ」と発音する。意味は「キツネ」)の関連語のようだ。「キツネ」の一種だろうか。
zorrero という語ならある。perro zorrero で「フォックステリア」という意味になる。
ということで、Moya は Lobo(狼)やLópez(狼の子)などとは親戚といってもいい姓である。
Zorro は「怪傑ゾロ」で有名だが、実は姓としても用いられている。英語圏に Fox 姓があるのと同様である。
【ウィキペディア「怪傑ゾロ」より】
Zorro 姓のスペインでのランキングは“Historia Apellidos”によると、21644位。かなり珍しい。世界的な分布を見ると、絶対数でも人口比でもコロンビアに多い。
ちなみに、「怪傑ゾロ」の舞台はメキシコで、「ゾロ」の本名は、ドン・ディエゴ(Don Diego)である。
さて、本題のモヤ選手。ビシエド選手の代役ということで、2軍から「はしごを上って」、1軍に昇格したとたんに、打棒爆発したものだが、ここのところ(2018年4月30日現在)、やや調子を落としているらしい。2軍落ちしても、またがんばって「はしごを上って」きてほしいものである。
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上の2つの紋章の右側は同じものとといってもよかろう。“ORIGEN DE LOS APELLIDOS”の“MOYA”の項によると、右側に描かれているのは veros ということだが、vero は「クロテン(黒貂)(の毛皮)」という意味である。veros と複数形にすると、紋章の専門用語「ベア:毛皮模様の一つ」という意味になる。
3番目の紋章は上の2つの紋章の右側部分のみ描かれている。とても毛皮には見えないのだが。
上の2つの紋章の左側部分は「はしご」である。このはしごは1183年に Álvaro de Moya y Mariño が Moya の集落をイスラム勢力から奪還したときの城砦攻防戦にちなむもののようである。
クロテンは古くから高級な毛皮として珍重されてきたもので、やはり王侯貴族にふさわしいものである。
ところで、Moya の意味だが、スペイン語版ウィキペディア“Moya (apellido)”には次のような説も紹介されている。
deriva del vocablo árabe "mu’áwia", nombre preislámico que en árabe significa "lobo, perro, zorrezno, ladrido de perro o aullido de lobo".
簡単に言うと、アラビア語"mu’áwia"に由来し、意味は「狼、犬(またはその鳴き声)」ということである。
zorrezno という語は小学館『西和中辞典』には載っていないが、zorro(「ゾロ」ではなく、「ソーロ」と発音する。意味は「キツネ」)の関連語のようだ。「キツネ」の一種だろうか。
zorrero という語ならある。perro zorrero で「フォックステリア」という意味になる。
ということで、Moya は Lobo(狼)やLópez(狼の子)などとは親戚といってもいい姓である。
Zorro は「怪傑ゾロ」で有名だが、実は姓としても用いられている。英語圏に Fox 姓があるのと同様である。
【ウィキペディア「怪傑ゾロ」より】
Zorro 姓のスペインでのランキングは“Historia Apellidos”によると、21644位。かなり珍しい。世界的な分布を見ると、絶対数でも人口比でもコロンビアに多い。
ちなみに、「怪傑ゾロ」の舞台はメキシコで、「ゾロ」の本名は、ドン・ディエゴ(Don Diego)である。
さて、本題のモヤ選手。ビシエド選手の代役ということで、2軍から「はしごを上って」、1軍に昇格したとたんに、打棒爆発したものだが、ここのところ(2018年4月30日現在)、やや調子を落としているらしい。2軍落ちしても、またがんばって「はしごを上って」きてほしいものである。
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