スパニッシュ・オデッセイ

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大谷選手とホームラン王を争う Ozuna 選手 

2024-06-29 21:52:41 | 名前
 前回は2人のオスナ(Osuna)選手に登場願ったが、今回は、2024年のシーズンで大谷選手とホームラン王を争っている、アトランタ・ブレーブズの Marcell Ozuna Idelfonso 選手に登場いただく。ドミニカ共和国出身である。
 
 ウィキペディア「マーセル・オズナ」には「マーセル・オズナ・アイデルフォンゾ」と表記されているが、これは英語風の読みで、スペイン語では「マルセル・オスナ・イデルフォンソ」が正しい。ただし、Marcell という個人名は英語風の綴りである。
 スペイン語の z の発音はスペインでは [θ](英語の think 中の th で表される無声音)だが、ラテンアメリカでは [s] 音になり、s も z も同じ音になってしまう。というわけで、Ozuna も Osuna 同様、ラテンアメリカでは「オスナ」と発音され、区別がつかない。ひょっとして、Ozuna は Osuna のバリエーションかとも考えた。  
 さて、Osuna 姓が世界ランキング第 5,844位で、絶対数でも、人口比でもメキシコが一番多いのに対し、Ozuna 姓は世界ランキング第13,347位で、絶対数ではメキシコ、人口比ではパラグアイが一番多い。
 Osuna 姓と Ozuna 姓の関連についての記述は今のところ、見当たらない。Ozuna 家の紋章も見当たらなかった。
 nomorigineというサイトに当たってみると、次のような記述があった。 

 オズナという姓の起源は定かではありませんが、スペインの領土、特にアンダルシア地方に由来すると考えられています。その意味は、バスク語で山を意味する「オゾン」という言葉に関連している可能性があるため、姓は山岳地帯に住んでいた人を指す可能性があります。別の説では、この姓はアラビア語で「柔和な人」または「静かな人」を意味する「アル・ゾナ」に由来すると言われています。この姓は、スペイン語圏のさまざまな国、特にドミニカ共和国に広がっており、非常に一般的です。

 Ozuna 姓の由来ははっきりしないものの、どうも Osuna さんとは関係がなさそうである。

 

 



Osuna

2024-06-28 18:35:12 | 名前
 2024年現在、日本のプロ野球にはオスナ選手が2人いる。
 一人はヤクルト・スワローズの野手のホセ・グレゴリオ・オスナ(José Gregorio Osuna)選手。ベネズエラ出身である。
 
 もう一人はソフトバンク・ホークスの投手、ロベルト・オスナ・キンテーロ(Roberto Osuna Quintero)選手。こちらはメキシコ出身である。
 
 Forebears によると、Osuna 姓は世界ランキング第 5,844位。世界中に96,616人いる。 絶対数でも、人口比でもメキシコが一番多い。日本にも518人いるが、そのほとんどは漢字で表記される「おすな」さんであろう。
 このサイトには Osuna 姓の由来は述べられていない。西和中辞典(小学館)にあたってみると、osuno という項目があった。形容詞で、「クマの、クマのような」という意味である。形容詞なので、女性形は osuna である。女性形といっても、クマのような女性を表すとは限らない。
ということで、Osuna 姓は oso (熊)に由来するのではないかと思われるが、確証はない。
 Osuna 家の紋章には何種類かあるが、大体のものには熊が描かれている。
 
 
 以下の紋章には熊の代わりに女性が描かれているが、上の紋章の女性と同じなのだろうか。
 
 ところで、朝鮮には「檀君神話」というものがあって、その中で、熊が人間の女になったという話がある。詳しくはリンクを参照されたい。まさか、この熊女がはるばるスペインにまで行って、Osuna さんになったなんてことはないだろうな。

 




オリックス・バッファローズのマチャド(Machado)投手

2024-06-11 18:14:58 | 名前

 オリックス・バッファローズのマチャド(Machado)投手。フル・ネームはアンドレス・エドゥアルド・マチャド(Andrés Eduardo Machado)。ベネズエラ出身である。
Forebears によると、Machado 姓は世界ランキング第453位。絶対数ではブラジルに一番多く、人口比ではウルグアイが一番多い。スペイン語圏で絶対数が一番多いのはベネズエラで、55243人。スペインは第12位で、8670人。ポルトガルは第4位で、47056人。といういことで、Machado 姓はポルトガル由来ということがわかる(事実、Forebears にもそう記載されている)。
 スペイン語では「マチャド」と発音されるが、ポルトガル語では「マシャドゥ」と発音される。
 ところで、スペイン語には普通名詞 machado がある。「斧」という意味である。ラテンアメリカ、特にアルゼンチン、エクアドル、ボリビアでは形容詞としても使われるが、その意味は「酒好き、飲んべえ」である。
 マチャド投手はベネズエラ出身なので、飲んべえではなさそうである。
 Machado 家の紋章には数種あるが、ほとんどの紋章には、当然ながら、斧があしらわれている。