スパニッシュ・オデッセイ

スペイン語のトリビア
コスタリカ、メキシコ、ペルーのエピソード
パプア・ニューギニア、シンガポールのエピソード等

メリー・クリスマス Feliz Navidad

2013-12-25 10:10:36 | スペイン語
 
【コスタリカ、リモン州グアピレス近辺の親戚宅にて】
 「メリー・クリスマス」はスペイン語では“Feliz Navidad(フェリス・ナビダッ)”という。これはアメリカ人でもよく知っているフレーズである。1970年にホセ・フェリシアーノがヒットさせた曲のタイトルである。“Feliz Navidad”だけがスペイン語で、あとは英語の歌詞が続く。
feliz は「幸せ」という意味の形容詞である。決して「フェリーズ」と発音してはいけない。大リーグには Feliz という姓の選手もいるが、NHKでは「フェリーズ」と発音している。アメリカ人アナウンサーの英語式の発音に倣ったものだろう。feliz のもとになったラテン語は felix で、こちらはファーストネームにも使われている。というわけで、Felix Feliz という姓名の人物が理論的には存在する。「末広八郎」のような感じだろうか。
  Navidad は natividad(誕生)の縮約形である。英語の native との関連がうかがわれる語である。
 イタリア語では「メリー・クリスマス」は“Buon Natale”で、natale がスペイン語の natividad に相当する。ヨーロッパではクリスマスに生まれた女児に Natalia (Natalie)という名前を付けるのが一般的だったそうだ。「ナタリア」はロシア語の愛称では「ナターシャ」になる。ロシア人の女子名というとすぐ「ナターシャ」を思い浮かべる。まさかクリスマスにロシア人女性の誕生が集中しているわけではないだろうが。
 さて、クリスマスというとサンタクロース(Santa Claus)がつきものである。
 アメリカの地名でも少し触れたと思うが、Santa がつく地名には次のようなのがある。
 Santa Fe(聖なる信仰)
 Santa Mónica(聖モニカ)
 Santa Ana(聖アナ、縮約形は Santana、あのラテンロックの「サンタナ」である) 
 地名以外では
 Santa Lucia(聖ルシア、イタリアではかの有名な「サンタ・ルチア」である)
 Santa Marta (聖マルタ、コーヒーの名前にもなっている)
 Santa Bárbara(聖バルバラ、またはバーバラ)
 そうそう、Santaがつく超大物を忘れていた。
 Santa María(聖マリア、コロンブスが乗っていた船の名前にもなっている)
 こうしてみると「信仰」以外はすぺて女子名であることがわかる。Santa は San (Santo)の女性形なのである。ところが、サンタクロースはどう見てもじいさんにしか見えない。サンタクロースは4世紀ごろ現在のトルコあたりにいた聖ニコラオス(ニコラウス)という司教がモデルになっているようである。スペイン語ではサンタクロースは、San Nicolás(サン・ニコラス)という。ただし、近年、メキシコではアメリカの影響で英語そのままの Santa Clausを使っているようだ。
 「聖(セント)ニコラオス」がオランダ語では「シンタクラース」と言われ、そこから「サンタクロース」になったらしい。また、英語では男性形も女性形も今では一部の単語を除いて、あまり区別がなくなったので、無頓着になったのだろう。
 英語には Saint Nick という、ニコラウス由来の、サンタの別名もあり、ビーチ・ボーイズのクリスマスアルバムには“Little Saint Nick”という曲がある。

 ところで、英語のクリスマスカードには“Merry Christmas and a Happy New Year!"のように「よいお年を」とセットになっているものもある。
 スペイン語では“Feliz Navidad y Próspero Año Nuevo”となる。 Próspero は英語の prosperous(繁栄する)に相当。Añoが「年」、Nuevoが「新しい」である。
 スペイン語に特有のアルファベット ñ(「ニャ」行を表す) は英語にはないので、n と書かれることもある。アメリカのモンタナ(Montana)州はもとは Montaña(モンターニャ、スペイン語で「山」の意)である。 ñ (「エニェ」と呼ぶ)の上にある波形はもとは小さい n である。n の上にもう一つ n が載っているという説もある。これは「太」の字の中の点が、もとは「大」の字を小さく書いたものであるのに似ている。
 ポルトガル語はスペイン語によく似ているが、año に対応するポルトガル語は ano である。ところが、ano はスペイン語では「年」とは似ても似つかない意味になっているのである。ちょっと日本語で書くのははばかられるので、英語で anus に相当するとだけ申し上げておこう。決して“Feliz Ano Nuevo”とは書かないでください。
 さて、このブログは今年はこれまで。1月6日ごろまで、クリスマス休暇に入ります。
 ¡ Feliz Navidad y Próspero Año Nuevo!  

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コスタリカのクリスマス

2013-12-24 08:10:17 | コスタリカ
  
 コスタリカではクリスマスが近づくと、かつては町に uva (ブドウ)や manzana(リンゴ)が出回ったものだ。コスタリカは熱帯に位置するので、ブドウやリンゴのように温帯や冷帯で栽培される fruta(フルーツ)は採れない。mango(マンゴー)、papaya(パパイヤ)、piña(パイナップル)、sandía(スイカ)などは腐るほどあるのだが。
 筆者の家内が子供のころはわざわざ Guápiles という田舎町から、首都のサンホセまでブドウやリンゴを買いに行ったそうである。高速道路もないころなので、汽車に乗って1日がかりである。もちろん、輸入品なので、国産の果物に比べると高い。メキシコやアメリカから輸入されていたようである。かつて、日本ではバナナが高級品だったころのことを思い出させる。ぶどうはともかく、リンゴは日本のものの方がサイズも大きく、味もいい。高いけど。
 そういうわけで、ブドウやリンゴが町に出回ってくると、クリスマスが近いことが実感できた。今では、スーパーで年中売っているので、昔のようなありがたみはない。町の飾りつけは12月になると、クリスマス一色になり、1年中暖かいにもかかわらず、クリスマスがやってくるのだなあと感慨にふけることができる。それに比べると、日本は都会はともかく、田舎はさびしい。サンタの赤い帽子をかぶった酔っ払いもめっきり見なくなってしまった。
フルーツ以外のクリスマスの食べ物といえば、tamal (タマル)である。ふつう1個では満足できないので、複数形の tamales を使う。
 実は、tamales という言葉は、高校時代から知っていたのである。もちろん、どんなものかは知る由もない。Righteous Brothers (ライチャス・ブラザーズ)のアルバムの中の1曲で、曲自体は大したことはない。このエピソードについては、2013年10月18日付の記事で述べたので、そちらをご覧いただきたい。

【山積みになったタマレス。バナナの葉っぱで包んである。お湯で40分ぐらい温めてから食べる。】

【タマルの中身。トウモロコシの粉がメインだが、コメも少々入っている。その他、豚のコマ切れが一つ、赤と緑のピーマンも入っている。グリーンピースが入ることもある。味はシンプルな塩味。コーヒーにあう。】
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コスタリカのスポーツ(3)-野球

2013-12-23 09:20:24 | コスタリカ

【コスタリカにも生息する、グアテマラのシンボル、ケツァール(quetzal)。グアテマラの通貨単位にもなっている。通貨単位の場合「ケツァル」と表記される。2013年8月現在、1米ドル=7.8855ケツァル、1ケツァル=12.3708円】

【農耕神ケツァルコアトル。古代アステカでは、ケツァールはこの神の使いと考えられていた。】
 中南米でもキューバ、メキシコ、ドミニカ共和国、パナマ、ベネズエラなど、野球が盛んな国があるが、コスタリカはそうではない。青年海外協力隊からは野球指導の隊員も派遣されていたが、一般市民の目に付くところで、野球をしているのは見たことがない。今も野球隊員が派遣されているのだろうか。
 コスタリカにはアメリカ人も結構住んでいて、メジャーリーグ中継の需要はある。地上波では中継はそれほど多くはないものの、最近ではケーブルテレビでもよく中継しているようだ。ワールドシリーズ(Serie Mundial、「セリエ・ムンディアル」。ちなみに、ワールドカップは Copa Mundial「コパ・ムンディアル」)になると、地上波でも放映していたようだ。
 新聞でもメジャーリーグ(Liga Mayor「リガ・マジョール」、またはLiga Grande「リガ・グランデ」)の試合結果や、順位表が掲載されている。チーム名は英語そのままのものもあるし、スペイン語に翻訳されているものもある。アメリカン・リーグのチーム名については、次回に紹介しよう。

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コスタリカのスポーツ(2)サッカーのゴールシーン

2013-12-22 09:30:56 | コスタリカ

【グアテマラ国旗。国章に、コスタリカでも見られるケツァールが描かれている。】 

【中米共和国(1823-1839年)国旗。中米諸国はこの国旗をもとにしたものが多い。グアテマラのは水色の縞を縦にしたもの】
 サッカーは低得点のゲームだが、ゴールが入ったときの興奮度は野球の得点の比ではない。日本のアナウンサーは普通に、またはいくらか興奮気味に大きめの声で「ゴールです」というだけだが、コスタリカのアナウンサーは興奮気味などというものではない。
「ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーール」というぐらい長い。
 秒ではなく、分で計ったほうがいいくらい長く叫んでいる。ゴールシーンを見逃した人は誰がゴールを入れたか知りたいのに、なかなか教えてくれない。これがラジオ中継となると、さらにイライラする。国際試合なら、コスタリカがゴールした場合は、アナウンサーが興奮しまくるので、すぐコスタリカのゴールだと分かる。反対にゴールを入れられた場合は、落胆の様子がありありなので、こちらも分かりやすい。問題は国内リーグである。アナウンサーがどちらか、ひいきにしていれば、分かりやすいが、中立の場合が一番困るのである。

 アナウンサーは興奮して、我を忘れているように見えて、実は冷静なのである。絶叫しつつ、手元の時計(ストップウォッチかな)を見て、時間を測っているのである。実は、このアナウンサーはうちの女房殿の知り合いである(この写真はかなり昔のものである)。
 ところで、コスタリカから日本にやってきてプレーしたのは、Wanchope(ワンチョペ)という黒人選手である。

 東京FCでプレーしたが、古傷があったためか、あまり活躍はできなかった。Wanchope というのはかなり珍しい姓である。もちろんスペイン語の姓ではないし、英語の姓でもない。どうもインディオ系の姓ではないかと思われる。そもそもインディオに姓があったかどうかも疑問である。
 実は、このワンチョペ選手、アメリカの空港で、女房殿が荷物をいっぱい運んでいるのを見て、手伝ってくれたそうな。

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コスタリカのスポーツ(1)

2013-12-21 10:20:04 | コスタリカ
 
【グアテマラの国章。尻尾の長い、緑の鳥はケツァール。コスタリカにもたくさんいる。早朝、森で見ることができるが、筆者は見たことがない】
「スポーツ」はスペイン語では deporte という。英語の sport はもとは disport という形で、スペイン語の deporte とは語源を同じくすることがわかる。
 さて、コスタリカのテレビでは当然、スポーツ中継もある。コスタリカの国民的スポーツといえば、やはりサッカーである。小さい国ながら、Jリーグ同様、各地にチームがあり、コスタリカ・リーグというようなものがよく放映されている。
 それにしても、2014年のワールドカップ(Copa Mundial)では、イングランド(Inglaterra)、ウルグアイ(Uruguay)、イタリア(Italia)と強豪ぞろいのD組に入ってしまった。予選突破は絶望的である。
 日本ではサッカーというが、国際的にはフットボールという方が一般的である。
 スペイン語のスポーツ名は英語から取り入れた言葉も多く、それをスペイン語風に表記している。フランス語は英語の football をそのままのつづりで取り入れているが。
 スペイン語では、サッカーは fútbol(フットボル ← football)とつづる。ゴールは gol(ゴル ← goal)となる。そのほかのスポーツでは、野球は béisbol(← baseball)、バレーボールは vólibol (← volleyball)とつづる。テニスは tenis(←tennis)。初めて見たときは、できの悪い中学生の英語のような感じがしたものだが。ゴルフはそのまま golf であるが、ゴルファーは golfista となる。

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コスタリカのテレビCM-完

2013-12-20 12:00:55 | コスタリカ

【ホンジュラス(Honduras、「深み」の意。この深みはカリブ海側である)の国旗。ホンジュラスは中米諸国の真ん中に位置する。5つの星は中米5か国を表し、国旗の中央の星がホンジュラスである。コスタリカは右下の星である。】
 今回紹介するコスタリカのテレビCMは、ちょっときわどい。漂白剤のCMである。
 製品紹介の人が「この漂白剤を使うと、とても白くなる」と説明する。日本のCMならば、「白さが際立つ」とでも言うのだろう。すると、製品紹介の人の隣の黒人が「私も白くなるんですか」と言う。
 製品紹介の人の決めゼリフは、“Cloro que sí”(クロロ・ケ・シ)「もちろんですとも」。cloro はもともとは「塩素(元素記号 Cl)」のことだが、「漂白剤」には「塩素」が含まれていることもあり、「漂白剤」の意味で使われている。「もちろん、イエス」は正しくは“Claro que sí”である。claro(英語の clear に相当)と cloro をかけたダジャレである。
 確かに大笑いできるCMではある。30年前のこととはいえ、コスタリカでは人種差別どうこうという話にはなっていない。今ではどうかわからないが、アメリカだったら、訴訟騒ぎに発展していたことだろう。

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コスタリカのテレビCM-続き

2013-12-19 10:40:33 | コスタリカ

【中米大共和国(La República de América Central、1896-1898年)国旗。ホンジュラス、ニカラグア、エルサルバドルによる連邦。コスタリカも加盟予定だったが、連邦が崩壊した。】
 前回に続いて、コスタリカのテレビCMの中から印象に残ったものについて紹介する。
 “Ami me gusta”(アミ・メ・グスタ)。Amiという名前の乳製品だか何かのコマーシャルである。
 スペイン語では「私は~が好き」というのは“A mí me gusta~”と表現する。文法的には「~」の部分が主語で、「私」は主語ではない。直訳英語では“~please(s) me”となる。「~は私を喜ばせる」ということである。スペイン語の「私」の目的格は英語同様、me となる。“A mí”の部分は me の強調で直訳英語では“to me”となる。この部分はなくてもよいが、いきなり me で始めると、聞き取りにくいこともあり、意味をはっきりさせるために、文頭ではよく“a mí”がつけられる。
 結局、意味は「私はアミが好き」ということなのだが、当時の知り合いの日本人女性に「アミ」さんがいて、ボーイフレンドがよくこのセリフを使っていたのではないかと推測する。 

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中米の幻の近代国家

2013-12-18 14:44:05 | トリビア
 かつて中央アメリカに存在した近代国家を紹介する。
 まず、中央アメリカ連邦共和国である。
【中央アメリカ連邦共和国国旗】
 この国は1823-1839年の間、存在していたが、のちに、グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカの5か国に分裂した。ここまでは、わりと知られていることである。
 しかしながら、幻の6番目の加盟国があったのである。その名はロスアルトス(Los Altos、「高地」の意)共和国という。1838年2月にグアテマラから分離独立。同年6月には、中央アメリカ連邦共和国の連邦議会には代表の席が用意された。
 1939年に連邦が崩壊した後、1840年まで独立を保ったが、再び、大部分グアテマラに編入された。一部はメキシコ領になった。現在のチアパス州東部である。
【ロスアルトス共和国国旗】
【ロシア国旗】
【オランダ国旗】
 中央アメリカ連邦共和国崩壊後、再度連邦復興の動きがあった。1896-1898年の間、ホンジュラス、ニカラグア、エルサルバドルによる連邦国家できた。名前は中央アメリカ大共和国(La República de América Central)という。コスタリカとグアテマラも加盟を考えていたが、エルサルバドルの政変により連合解消。
 
【中央アメリカ大共和国国旗】
(注:記事と写真はウィキペディアによる。)
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コスタリカとペルーのテレビCM

2013-12-17 11:15:13 | コスタリカ
【中米共和国(República Federal de Centro América、1823年ー1839年)国旗】
 テレビにはCMがつきものであるが、コスタリカの印象に残ったCMを紹介する前に、まず強烈な印象のペルーのCMを紹介しよう。それはトイレットペーパーのコマーシャルであった。いろんなメーカーのトイレットペーパーを転がして、品質を比較するのだが、他社の製品は途中で、破れたり、紙がくっついて転がらなくなったりしていた。ところが、この会社の製品だけは最後まで転がっていくというCMであった。それだけ一般のトイレットペーパーの品質が悪いということだろう。日本ではありえないCMで、機会があれば録画したかったのだが。このほかのCMでもダサいのが多く、あまり洗練されていない印象を持った。
 では、コスタリカのテレビCMで印象に残っているものを紹介しよう。
“Su Ave Suave”(ス・アベ・スアベ)というのがその一つ。単なるダジャレである。直訳は「あなた(たち)のやわらかい鳥」(Su は「あなた(たち)の」、Ave は「鳥」、Suave は「やわらかい」)ということだが、「やわらかい鶏肉」ということである。普通は「鶏肉、チキン」は pollo(ポージョ)というのだが。日本の鶏肉はやわらかすぎるぐらいだが、コスタリカのものはかなり硬い。日本の地鶏がちょうどいいぐらいである。
 ちなみに、コスタリカでは、鶏肉、豚肉、牛肉の中で、鶏肉が一番のご馳走で、次に豚肉、最後に牛肉と続くのである。

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テレビドラマの吹き替え、コスタリカのテレビCM等

2013-12-16 10:48:16 | コスタリカ
   【コスタリカの2代目の国旗:1823年6月6日 - 1824年5月4日】
 1980年当時、コスタリカでは映画(ドキュメンタリーは除く)はもちろんTVドラマも制作していなかったと思うが、今はどうだろう。映画にしろ、テレビにしろ、俳優(CMを除く)になるには国外に職を求めるしかないようである。テレビCMはアメリカやメキシコで制作されたものをそのまま放映するものも多かったが、コスタリカ国内でも制作していたのである。メキシコのテレビCMに出てくる俳優は白人ばかりで、スペイン語もメキシコのアクセントで、コスタリカ人が聞けば、すぐに違いが分かる。
 国外制作のテレビCMが、日本でいえば全国放送なのに対し、コスタリカ制作のCMはローカル局のものといったところだろう。
 ところで、コスタリカでは「あなた」を表す人称代名詞は原則 usted でいい。大統領に対しても、子どもに対しても usted でいい。スペインやメキシコなどでは usted は敬意を含む2人称の代名詞であり(活用は3人称単数形)、親しい関係の時は tú を用いる。コスタリカでは tú は使われず、そのかわりに vos という形がある(vos については後日、詳述する)。ただ、親に向かって vos と言ってはならないらしく、tú と用法がいくらか異なるようだ。
 メキシコのテレビドラマでは tú が頻出する。この影響か、最近ではコスタリカでも tú を使う若い人がいるらしい。
 さて、話がペルーのテレビになるが、ペルーでは島田陽子主演のドラマ「将軍」を見た。日米合作のドラマでウィリアム・アダムス(三浦按針)がモデルになっている。島田陽子はこのイギリス人と英語で話しているが、日本人同士の会話は当然日本語である。スペイン語版吹き替えは英語の部分をスペイン語にしているのであって、日本語のセリフは日本人の俳優のオリジナルのセリフをそのまま使用していた。ただし、島田陽子の日本語のセリフをそのまま使うと、スペイン語の吹き替え担当の声優と声が違うので、声優が日本語のセリフも担当していた。これが怪しげなアクセントで、がっかりしたのだが、今では貴重な経験だと思っている。日本語を知らない一般のペルー人が相手の番組だろうから、そう目くじらを立てる必要はないのだろう。

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コスタリカの国旗の変遷

2013-12-15 12:40:43 | コスタリカ
 【初代コスタリカ国旗:1821年9月 - 1823年6月6日】  

 【2代目:1823年6月6日 - 1824年5月4日】

 【3代目:1824年5月4日 - 1824年11月2日】 
     
 【4代目:1824年11月2日 - 1824年11月22日】

 【5代目:1824年11月22日 - 1840年11月15日】

 【6代目:1840年11月15日 - 1842年4月20日】

 【7代目:1842年4月20日 - 1848年11月12日】

 【8代目:1848年11月12日 - 1906年11月27日】

 【9代目(現行):1906年11月27日制定。正式国旗】 

 【9代目(現行):民間用。正式な紋章入りは民間での使用は禁止されているとか。】
 現行の国旗は100年以上の歴史があり、それ以前の国旗は現在のコスタリカ人もまず知らない。女房殿も知らなかった。2代目の国旗は日本人としては親しみやすい。3代目と7代目のは隣国ニカラグアのもの似ている。 一般的にコスタリカ人はニカラグアにいい感情を持っていないので、間違えられるといやではないだろうか。
 【ニカラグア国旗】
 グアテマラ(Guatemala)、ホンジュラス (Honduras)、エルサルバドル (El Salvador)、ニカラグア (Nicaragua)、コスタリカ (Costa Rica) の中米5か国は当初、中米共和国として独立したこともあり、中米共和国の国旗がもとになっているデザインの国旗を持つ国もある。
 【ホンジュラス国旗】

 【エルサルバドル国旗】

 【中米共和国国旗】

 【中米大共和国国旗】
 1896年から1898年まで続いた、ホンジュラス、ニカラグア、エルサルバドルによる連邦国家。
 以上の国旗を見ると、コスタリカの歴代国旗の7代目まではおおむね中米共和国の国旗のデザインに類似しているのが認められる。
 アルゼンチン(Argentina) は南米ではあるが、国旗は中米諸国のものに似ている。
 【アルゼンチン国旗】
(注:画像および説明はウィキペディアによる)
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日本スペイン協会の会報に紹介されました。
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コスタリカの生活ーテレビ(4)スペイン語とイタリア語

2013-12-14 11:00:44 | スペイン語
  
 【コスタリカの正式な国旗。紋章(前回紹介)入り。1906年制定。フランスの三色旗をヒントにして作られたとか。】

   【同民間版】 

   【タイの国旗。紛らわしい】
 コスタリカのアメリカ製ドラマの吹き替えで、英語をスペイン語に、スペイン語をイタリア語にするということを前回述べたが、ラテン語から派生した言語には、スペイン語のほかに、イタリア語、ポルトガル語、フランス語、カタルーニャ語、ルーマニア語等がある。これらの中でも、コスタリカ人にとって、一番わかりやすいのがイタリア語のようだ。これは筆者にとっても同様である。
 よく似たものとして、次の挨拶があげられる。
 英語の“How are you?”に相当するあいさつはスペイン語では“¿Cómo está?”(コモ・エスタ、「コモエスタ赤坂」で有名?)で、イタリア語では“Come sta?”(コメ・スタ)である。 
 「ありがとう」は、スペイン語では“Gracias”(グラシアス)で、イタリア語では、もはやおなじみになった “Grazie”(グラツィエ。「グラッチェ」ではない)である。
 数の数え方も発音が少し違うだけで、聞けば分かる。文法や語彙にはもちろん違いはあるが、音韻的には同じように聞こえる。パラグアイ人とイタリア人がそれぞれの母語、スペイン語とイタリア語で話し合っているのを聞いたことがある。また、スペイン語を解する娘も幼いころ、イタリア語をてっきりスペイン語と思っていた。
 “Let’s go”に相当するスペイン語が“Vamos”であることはすでに述べた。「ラモスでバモス」というCMがあった。“Vamos”はイタリア語では“Andiamo”となって、ちょっと違ってくるが、スペイン語では“andamos”(私たちは散歩する。原形は andar)という言葉もある。形の上ではこちらに近いが、意味が少々違っている。それでも“Andiamo”でわからないことはない。下宿先の女主人の弁護士がよく“Andiamo”と言っていた。
 音楽好きな方は“Andiamo”は“andante cantabile”の“andante”(歩くような速さで)と関連があることが連想されよう。

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コスタリカの生活-テレビ(3)アメリカ製ドラマの吹き替え

2013-12-13 12:00:12 | コスタリカ
        
【コスタリカの国章。7つの星は7つの州を表す。向こう側の海がカリブ海、手前の海が太平洋。太陽は朝日だそうだ。3つの山はすべて火山。】
 コスタリカでも、アメリカのテレビドラマは普通、音声が吹き替えられる。英語をスペイン語に吹き替えるのは当然だが、ドラマの中で外国語が使われる場面が問題である。
 日本では「コンバット」で、ドイツ語やフランス語が使われる場面がよくあった。珍しいところではポーランド語の場面を一度見たことがある。スペイン語の場面は記憶にない。日本語吹き替えの「コンバット」では、それらの外国語をそのまま流していた。
 さて、コスタリカのアメリカ製テレビドラマの吹き替えで問題になるのは、外国語がスペイン語の場合である。白人家庭のお手伝いさんにはメキシコなど、ラテンアメリカ出身者が多い。使用人は英語が分からないという設定のようで、雇い主も簡単なスペイン語を話すこともある。英語をすでにスペイン語に吹き替えているので、スペイン語の部分をそのまま吹き替えないで放映すると、外国語で話しているという設定が分からなくなる。ということで、使用人のスペイン語のセリフを吹き替えなければならない。そこで、どうするかというと、スペイン語をイタリア語に吹き替えるのである。

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コスタリカの生活-テレビ(2)日本のアニメなど

2013-12-12 11:10:15 | コスタリカ

【絵葉書より:国立図書館。1980年以前。絵葉書にするほどの写真とも思えないのだが。】
 テレビの話に戻るが、お笑いのほかにはドキュメンタリーもあるし、ドラマももちろんある。クイズ番組はあまりなかったように思う。最近はケーブルテレビも普及し、教養番組も英語の放送も楽しめる。
 筆者がコスタリカで暮らしていたころは、テレビドラマというと、メキシコ製のメロドラマやアメリカの有名ドラマ(「奥さまは魔女」「かわいい魔女ジニー」等)のほかに、日本製の「コメットさん」(大場久美子主演の2代目)、「ウルトラセブン」なども人気があった。コメットさんは Señorita Cometa(セニョリータ・コメタ)、ウルトラセブンは Ultra Siete(ウルトラ・シエテ)となっている。
 アニメはアメリカのものでは、「ポパイ」(「ポページェ」と発音していた)、「トムとジェリー」やミッキー・マウスやドナルド・ダック等のディズニーものをよくやっていた。日本のアニメでは、「鉄腕アトム」、「ドラえもん」、「ハイジ」、「キャンディー・キャンディー」などもやっていた。
 「鉄腕アトム」はアメリカ同様、Astro Boy と呼ばれていた。「お茶の水博士」は名前が長いので、Doctor Ocha(ドクトール・オーチャ)と短くなっていた。「ドラえもん」は Robotín、「ハイジ」は「ヘイディ」と発音されていた。「キャンディー・キャンディー」は「カンディー・カンディー」である。「ハイジ」や「キャンディー・キャンディー」のテーマソングはスペイン語で歌われ、子供に親しまれていて、結構有名である。スペイン語の歌詞に興味のある方は以下のサイトをご覧いただきたい。
 http://www.musica.com/letras.asp?letra=972509

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スペイン語とともに考える英語のラテン語彙の世界 (開拓社言語・文化選書)

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コスタリカの生活-テレビ(1)

2013-12-11 14:50:28 | コスタリカ

【絵葉書より:カルタゴ市の公園。1980年以前】
 今回からは、コスタリカの日常生活の紹介である。
 日本語では、テレビ受像機もテレビ番組も「テレビ」と言っているが、コスタリカでは受像機の方はtelevisor(テレビソール)で、番組の方はtelevisión(テレビシオン)として区別する。「テレビを見る」“ver televisión”で、「テレビを買う」のは“comprar un televisor”である。また、televisiónは長いのでteleと短縮する。つまり、「テレビを見る」は簡単に“ver tele”と言う。
 さて、テレビ番組は1980年ごろ、すでにカラー放送が始まっていたが、受像機は白黒がまだ売られていた。日本語では「白黒」というが、スペイン語も同様に“blanco y negro”という。これが英語になると、「白黒」が逆転して、“black and white”になる。
 番組そのものだが、ニュースはもちろんある。大体午後7時にニュースが始まるが、1秒の狂いもなく、7時ちょうどに始まらなくてもよい。少々遅れようが誰も気にしない。キャスターも男性はユーモアがある。女性キャスターは胸が広く開いた、かなりセクシーなスーツを着ていることもあったような。
 お笑い番組もあるが、笑えるようになるにはかなりのスペイン語力が必要とされる。一方、怖い話の方がスペイン語力が少々劣ってもよくわかる。メキシコでのことだが、家族よりも先に一人で赴任した時のこと。一人でだだっ広い屋敷で暮らしていた。ラジオをつけて音楽を聴いていたのだが、音楽番組が終了し、そのあと、お話の時間になった。それが、とんでもないことに怪談の番組だったのである。なまじスペイン語が分かるばかりに、怖くなって、あわてて別の番組に切り替えた思い出がある。

ポチッとクリックすると、何かが起きる(かも)。

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