元阪急ブレーブスのマルカーノ選手。フルネーム Roberto Marcano Cherubini。
【若い!】
今回は母の父姓の Cherubini について。
早速、“Historia Apellidos”で調べてみる。あることはあった。ただし、ランキングは72915位。父の父姓として使っているのが20人、母の父姓として使っているのが7人で、超レアな姓である。世界的な分布には全く記載がない。そこで、ほかのサイトを探してみた。“Forebears”というサイトには詳しく載っている。
想像どおり、イタリア起源の姓で、イタリア本国には7737人で、当然第1位。2位はブラジルで、1924人。3位は米国で、641人。ブラジルにもアメリカにもイタリア移民が多いので、このランキング結果も予想どおりである。続く第4位に477人のベネズエラが入っている。第5位はフランスで、367人。スペインは28人(“Historia Apellidos”では27人)で、11位となっている。
ベネズエラの Cherubini さんたちはブラジルから流れていった人たちではないかと想像している。
さて、Cherubini 姓がイタリア起源なら、本来の発音はスペイン語読みの「チェルビーニ」ではなく「ケルビーニ」でなければならない。
イタリア語には cherubino という普通名詞がある。これはスペイン語の querubín(英 cherub:複数形は cherubim)に相当する。小学館『西和中辞典』には「ケルビム、智天使◆キリスト教で9天使のうちの第2位に属し、ルネッサンス以降の絵画の中で翼のある子供の姿や顔で描かれる」と書かれている。
ケルビムの訳語として「智天使」という言葉が当てられているが、ウィキペディア「智天使」によると、ケルビムは「神の姿を見ることができる(=智:ソフィア)ことから『智天使』という訳語をあてられた」とのことである。
「智天使」の意味のイタリア語の cherubino の複数形が cherubini で、これが姓になったわけである。
【ウィキペディア「智天使」より】
Cherubini 姓の由来については“Ancestros Italianos”というサイトに詳しく書かれている。変てこな日本語の翻訳でも読めるので、興味のある方は一読願いたい。
ところで、イタリア語の cherubino にもスペイン語の querubín にも「天使のようなあどけない子供」という意味がある。
天使のランキングについては『キリシタン用語(14)「アンジョ」の元になった天使たち』を参照願いたい。
ところで、イタリアには Angela Sofia Cherubini (スペイン語圏なら Ángela Sofía Cherubini) さんという、天使のような女性がいるかもしれない。ただ、お年を召して肥満体形になり、翼があっても空を飛べなくなってしまうことがないか、ちょっと心配である。
マルカーノ選手に戻る。マルカーノ選手は1990年に39歳の若さで肺がんで亡くなった。マルカーノ選手にスカウトされて、読売ジャイアンツでプレーしたサンチェ選手も2005年に51歳で亡くなっている。お二人とも、特に、マルカーノ選手は「ケルビム(智天使)」やその他の天使に囲まれて、あちらで楽しく過ごされていることだろう。ご冥福をお祈りする。
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ベネズエラの Cherubini さんたちはブラジルから流れていった人たちではないかと想像している。
さて、Cherubini 姓がイタリア起源なら、本来の発音はスペイン語読みの「チェルビーニ」ではなく「ケルビーニ」でなければならない。
イタリア語には cherubino という普通名詞がある。これはスペイン語の querubín(英 cherub:複数形は cherubim)に相当する。小学館『西和中辞典』には「ケルビム、智天使◆キリスト教で9天使のうちの第2位に属し、ルネッサンス以降の絵画の中で翼のある子供の姿や顔で描かれる」と書かれている。
ケルビムの訳語として「智天使」という言葉が当てられているが、ウィキペディア「智天使」によると、ケルビムは「神の姿を見ることができる(=智:ソフィア)ことから『智天使』という訳語をあてられた」とのことである。
「智天使」の意味のイタリア語の cherubino の複数形が cherubini で、これが姓になったわけである。
【ウィキペディア「智天使」より】
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