スパニッシュ・オデッセイ

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プンタレーナスは2000年に消滅するはずだった!

2023-01-23 18:08:53 | コスタリカ
 コスタリカの太平洋側の港町、プンタレーナス(Puntarenas ⇐ Punta arenas「砂州」の意。チリには Punta Arenas という町がある)はプンタレーナス州の州都である。乾季(大体12月から3月まで。「夏」と呼ばれている)はからっと晴れていて、海水浴にはもってこいの季節である。日がカンカン照るので暑いが、摂氏35度以上の猛暑日になることはまずない。

 1980年頃、首都サンホセに住んでいた。コスタリカの学校は乾季になると休みになるので、筆者も勤務先の大学も休みになる。最近の日本の学校は学生・生徒が休みでも教員は学校に行かなければならないようだが、当時のコスタリカではそんなことはなかった。たぶん、今でも同様だろう。
 そういうわけで、筆者がプンタレーナスに行くのは「夏」に決まっていた。それが、2017年には雨季(4月から11月。「冬」と呼ばれる)に行く機会があったのである。「冬」とはいえ、太陽の位置が高いので、やはり暑いだろうと思っていたのだが、予想は見事に裏切られた。寒くはないが、全然暑くなかったのである。気温は摂氏25度を下回っていたかもしれない。
 さて、コスタリカ在住時には全然知らなかったのだが、このプンタレーナスにまつわる伝説があった。伝説によると、西暦2000年にプンタレーナスは消滅することになっていたのである。消滅といっても水没の意味のようだった。よくあるタイプの世紀末伝説の一つである。
 どうして水没するかというと、ペルーの首都リマの外港カリャオ(Callao)に関係しているのである。

【Callao】
 史実によると、1746年にカリャオは津波に襲われ、壊滅状態になったそうである。これがコスタリカにも伝わってきたのだが、伝説では、カリャオの町は腐敗しきっていたので、天使の軍団が滅ぼしたということになっているのである。腐敗したカリャオの町にも善良な一家がいて、彼らがプンタレーナスにやって来て、町を作ったという。
 しかしながら、神様の気まぐれでカリャオを水から引き上げると、その代償としてプンタレーナスが水没しなければならないのだとか。それが西暦2000年だという話である。
 出っ張ったところを押さえつけると、他の場所が盛り上がってくるというコントがあるが、そのような感じだろうか。実際は、カリャオは水没したわけではないが、そう信じられていたのだろう。
 雨季の寒々しい夜、漁師たちはそんな話をしていたとか。詳しいことは「コスタリカ伝説集」(国書刊行会)をご覧いただきたい。
 ところで、筆者は1989年にはリマに在住しており、仕事でカリャオにもたびたび行っていた。税関から荷物を引き取る業務だが、税関は年中ストライキをやっていたような印象であった。

 

   

スルキの伝説

2023-01-22 16:47:07 | コスタリカ
 
 ここはスルキ(Zurquí)トンネル。コスタリカの首都サンホセとカリブ海の港リモンを結ぶ幹線道路(autopista)にある唯一のトンネルである。サンホセから北に向かうと峠があるが、その峠を越えて少し行ったところにあるトンネルである。この写真の上の方にトンネルの出入り口が見えるが、トンネルを向こう側に抜けると峠があり、サンホセに至る。
 道路の左側には谷があり、川が流れている。谷の左側の山に潜んで、狙撃したのがゴルゴ13である。ゴルゴ13のことだから、不可能なことはないのだろうが、どうやって人跡未踏(たぶん)の山に入っていったのだろうか。
 それにここはよく霧が出る。狙撃の時には霧は出ていなかったようだが、ゴルゴ13には天も味方するようである。
 さて、スルキ(Zurquí)というと、筆者はまず、このトンネルを想起する。サンホセから女房殿の実家のあるグアピレス(Guápiles)に行くときに通るルートである。
 しかしながら、このトンネルから数キロ西に行ったところにスルキ山(Cerro Zurquí)という標高2259メートルの山がある。この辺りは火山も多いが、これは火山ではない。
 
 【スルキ山(Cerro Zurquí)】
 しかしながら、このトンネルから数キロ西に行ったところに、このスルキ山を舞台にした伝説が「スルキの伝説」で「コスタリカ伝説集」(国書刊行会)の冒頭の第1話に収められているのである。
 コスタリカというと、熱帯地方に位置するのであるが、標高が2000メートルを超すと、かなり涼しく、時期によっては寒いこともある。「スルキの伝説」は先住民の伝説で、スペイン人が入ってくる前からある伝説のようである。
 
 【Gold figure of Sibú with the head of an eagle. Museo del Oro Precolombino, San Jose, Costa Rica(鷲の頭をしたシブー像。コスタリカ、サンホセ、先コロンビア時代博物館蔵】
 スルキ山は最高神シブー(Sibú)の住処になっているそうである。この神様が追手から逃げるお姫様たちをチョウチョにして助けたというのが、この伝説のあらましで、この辺りにチョウチョ蝶が多いのはそういう理由だそうだが、詳しいことは「コスタリカ伝説集」をご覧いただきたい。