スパニッシュ・オデッセイ

スペイン語のトリビア
コスタリカ、メキシコ、ペルーのエピソード
パプア・ニューギニア、シンガポールのエピソード等

元阪急ブレーブスのマルカーノ選手(2)父の父姓 Marcano

2018-03-04 15:29:42 | 名前
  元阪急ブレーブスのマルカーノ選手。フルネームは“Roberto Marcano Cherubini”。
 
 【写真左はバルボン氏】
 今回は父の父姓 Marcano について紹介する。
 “Historia Apellidos”によると、スペインでのランキングは6487位。一見、ありふれた姓だが、実はかなり少ない。珍名というほどではないけれども。世界的な分布を見ると、絶対数でも人口比でも、予想どおりベネズエラに多い。
 マルカーノ選手はベネズエラの首都カラカスの出身だが、ヌエバ・エスパルタ(Nueva Esparta:「新スパルタ」の意)州には Marcano という市がある(下の地図の番号 8)。
 

【赤く塗られた部分が Nueva Esparta 州】
 ご覧のように Marcano 市は辺境の町である。ひょっとすると、マルカーノ選手のご先祖様はこの町の出身で、町の名を姓にしたということも考えられる。
 Marcano 姓についてさらに調べる。“Mis Apellidos”というサイトによると、1403年にまで遡る、古くからある姓とのことである。そのルーツはスペインのカンタブリア(Cantabria)州らしい。
 
 【赤い部分が Cantabria 州
 由緒正しい Marcano 家の紋章が下のものである。
 
 【紋章は盾形の部分のみ】
 次は Marcano の意味である。小学館『西和中辞典』には marcano という語は掲載されていない。しかし、似たような語はある。marca という言葉である。第一義は「目印、マーク、印」であるが、そこから「目標」、「辺境、国境地方」という意味も派生している。
 何で「辺境」の意味になるかというと、国境には自分たちの領土であることを示す標識が必要だからである。イヌのマーキングと同じである。
 ベネズエラの Nueva Esparta 州も確かに辺境といえる。 

ポチッとクリック、お願いします。

↓↓↓
スペイン語 ブログランキングへ

スペイン語とともに考える英語のラテン語彙の世界 (開拓社言語・文化選書)
好評発売中!!こちらは、このブログとは別物です。もちろん、トリビア満載です。



 


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする