スパニッシュ・オデッセイ

スペイン語のトリビア
コスタリカ、メキシコ、ペルーのエピソード
パプア・ニューギニア、シンガポールのエピソード等

吸う

2013-03-24 10:57:29 | トリビア
  動詞“chupar”から派生した語に、“chupeta”(おしゃぶり)、“chupón”(哺乳瓶)というのがあり、子育てママには必須の語彙である。
 “chupar”と似たような意味の言葉に“mamar”というのがある。これは「乳を吸う」のが本来の意味で、“mama”(乳房)に由来する。英語には“mammal”(哺乳動物)という語があるが、これも“mama”の関連語彙である。
 “mama”を持っているのは母親だが、こちらは“mamá”となり、アクセントが変わる。以前にも触れたが、父親は“papá”で“papa”ではない。“papa”は「じゃがいも」である。“Papa” と最初を大文字にすると、“Pope”(ローマ法王)の意味になる。
 幼児語としては、英語に“daddy”や“mammy”があるように、スペイン語には“papi”、“mami”という形がある。英語の“father”や“mother”に相当するのは“padre”と“madre”である。
 さて、日本人の名前は外国人には覚えにくいようだが、筆者の友人の「山口」さんはコスタリカでは“mama mucho”(たくさん吸う)と関連付けて覚えられていた。
 “mamar”の直説法点過去1人称単数形は“mamé”(私は吸った)だが、発音は日本語の「豆」と同じになるので、すぐに覚える。ただ、“mamar”には、ちょっとエッチな意味もあるそうだ。


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chupar(吸う)-お吸い物

2013-03-23 10:53:19 | トリビア
 海外ではどんなにスープが熱くても音を立ててはいけない。音を出さずに食べるにはコツがある。スプーンの腹からスープを吸うのではない。曲芸で口に剣を突っ込む人がいるが、スプーンをあのような形で口に持って行って、スープを口の中に流し込むのである。こうすると音が出ないらしい。ラテンアメリカでは筆者もやってみたが、確かに音はあまりしなかったようだ。ただし、家に帰って、インスタントラーメンやうどんを食べる時は、絶対に日本式だったが。
 日本では和食のスープは「お吸い物」というように、「吸う」。吸うから音が出るのである。
 ペルーのミルク煮スープ料理の“chupe”の意味は「吸って」だが、決して人前でスープを「吸って」はいけないのである。


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Chupe

2013-03-22 11:14:40 | スペイン語
  “Chupa Chups”の“chupa”(“chupar”の活用形)には「なめる」という意味もあるが、「(液体を)吸う」という意味もある。ただ、日本語の語感に近いのは「しゃぶる」だろう。
 ペルーには“chupe”という名の煮込み料理がある。魚介類や野菜類をたっぷり入れ、牛乳入りのスープでぐつぐつ煮るのだが、これがうまい。作り方は簡単で、筆者は日本に帰ってからも、時折日本で手に入る材料で作っている。
 “chupe”という単語は“chupar”の接続法現在1人称及び3人称単数形であるが、丁寧な命令形にもなる。「なめて」、「吸って」、「しゃぶって」ということだが、スープだから、「吸って」の方がいいだろう。
 英語ではスープは「飲む」ものではなく、「食べる」ものになっているが、コンソメなどはどう考えても「飲みもの」だと思うのだが。いずれにせよ、欧米ではスープをいただくときには音を立ててはいけない。“chupe”も例外ではない。しかし、吸えば、音が出やすい。日本人はラーメン・うどん・そばなどを食べる時は音を出した方が食べやすい。スープが熱いときに音を出して食べると、舌のやけど防止の効果があるらしい。


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Chupa Chups と Pachanga

2013-03-21 11:00:44 | トリビア
  スペイン語には、擬音語・擬態語は日本語ほど多くはないが、“Chupa Chups”の“chupa”は擬音語的な響きがある。このほかに「パーティー、どんちゃん騒ぎ」の意味の“pachanga”という言葉もあり、いかにもドンチャン騒いでいる感じが出ている。「パチャンガ」という、1959年にキューバで生まれたニューリズムがある。富永ユキの『パチャンガで踊ろう』という曲が入っているオムニバスCDを持っているが、発売当時の記憶は全くない。

 コスタリカに行く前に入手できていればよかったのだが、まだCDもない時代だった。コスタリカ大学の同僚がよく「パチャンガ」をやろうと言っていたが、パーティー(fiesta)の意味とはすぐには分からなかった。
 英語はあまり意識しないかもしれないが、結構擬音語・擬態語っぽい単語が多いようだ。
 代表的なのが、“cough”(咳)。日本語の「コンコン」に近いからすぐ覚えた。“click”も「カチャッ、カチッ」というような感じだろう。“bomb”も「バーン」。英語に比べれば、スペイン語の擬音語・擬態語はやっぱり少ないような気がする。


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Chupa Chups

2013-03-20 11:40:10 | トリビア
 今回は話題ががらりと変わる。
 「チュッパチャプス」といえば、サッカーボール型のキャンディーの製品名である。1958年にスペインのバルセロナで誕生したとか。筆者が子供のころは見かけなかったが、1977年に日本に伝わってきたらしい。てっきりアメリカのものだと思っていたが。
 さて、“chupa”はスペイン語の動詞“chupar”(なめる、しゃぶる)の直説法現在3人称単数形である。または、2人称単数の命令形にもなる。ということで、意味は「なめろ」、「しゃぶれ」。“chups”の方は日本語では「チュッチュッ」に相当する語感の擬音語だろうか。あまりスペイン語的ではなく、英語的な感じである。スペイン語には“ps”で終わるような単語はない。さらに“u”を「ア」とは発音しない。英語で“u”と表記される「ア」の音は、スペインではどうか知らないが、コスタリカでは「オ」の音で表されていた。「ケンタッキー・フライド・チキン」は「ケントッキー」だった。そういうわけで、“Chupa Chups”は「チュッパチャプス」ではなく、「チュッパチョプス」と発音されるはずなのだが、そもそも“Chupa Chups”という商標名はないのである。“Chups”をやめて、“Chupa”に置き換えている。つまり、“Chupa Chupa”である。「ペロペロ」といった感じだろう。


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Alan Brito

2013-03-08 10:45:30 | 名前
  私の本が出ます。このブログとは違いますが、ブログ同様トリビア満載の「おもしろくてためになる」一冊です。こちらもよろしくお願いします。
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 2013年1月13日の記事に変な名前のリストをアップしたが、この中から解説しそこなったのを一つ。
 その名は“Alan Brito”。
 “Alan”はよくある名前で、ペルーの元大統領に“Alan García”という人もいた。フランス語形は“Alain”で、あの「アラン・ドロン」で有名である。お相撲さんにも「阿覧」という人がいるが、本名はやはり「アラン」である。 
 一方、“Brito”の方も珍しくはない。2013年現在、メジャーリーガーが2人いる。かつて、日本ハムでプレーした選手に“Bernardo Brito”(「バーナード・ブリトー」と表記されていたが、本来は「ベルナルド」である)。また、巨人には「マリオ」という投手がいたが、本名は“Mario Brito”で、ちょうど同じ時期に、日本ハムに「ブリトー」選手がいたので、登録名はファーストネームの「マリオ」にしていた。血縁関係はなかったようである。“Brito”という姓はポルトガル系らしいが、スペイン語圏でも普通に見られる。日本でプレーした両「ブリトー」選手はドミニカ共和国の出身である。
 さて、“Alan”と“Brito”をくっつけて、早く読む。そうすると、“Alanbrito”になり、両唇音である[b]の前の“n”が、やはり両唇音の[m]に変わって、“alambrito”という普通名詞ができあがる。ただ、このままでは辞書に載っていない。語尾の“-ito”は縮小辞で、「かわいい」など親しみの気持ちを表すのに用いられる。縮小辞を取った形は“alambre”で、「針金」の意味である。“alambrito”で「針金ちゃん」ということだが、「ひょろりん」といったところだろうか。かつては「骨川筋右衛門」といったものであるが。 


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トリスタンとイゾルデ

2013-03-07 11:00:45 | 名前
  再び、名前に戻る。
 男子名“Tristán”(トリスタン)は中世の恋愛物語「トリスタンとイゾルデ」に由来する。これはオペラでも有名である。「イゾルデ」はドイツ語読みで、フランス語では「イズー」となっていて、筆者は昔「トリスタンとイズー」の物語を読んだ記憶がある。映画化もされており、ちゃんと見たはずだが、ストーリーはあやふやである。で、「イゾルデ」はスペイン語ではどうかというと“Iseo”(イセオ)となっている。“o”で終わる人名はふつう、男性であるが、それはともかく、“Iseo”という女性にはお目にかかったことはない。
 男性の“Tristán”の語源だが、筆者のスペイン語辞典には「ケルト語“Drystan”(騒ぎ)より由来(?)」と出ているが、「トリスタンとイズー(イゾルデ)」の中では筆者の記憶によると、「悲しみの子」の意味だったと思う。「悲しい」というスペイン語の単語は“triste”(トリステ)であり、一般のスペイン語話者には、こちらの方が連想されるのではないだろうか。
 ところで、個人的には“Tristán”さんは少なくとも一人は覚えている。あまり親しくおつきあいした覚えはないが、お名前を聞いたとたんに「トリスタンとイズー」を連想した。自己紹介された時、「それでは、奥様のお名前はイゾルデさんですか」と聞いたのだが、スペイン語では“Iseo”ということを当時は知らなかった。それで、仕方なく「イゾルデ」と言ったのだが、話は通じなかったようだ。

      





ちょっとアブナイ、スペイン語の言葉遊び

2013-03-06 10:55:19 | スペイン語
  今回は言葉遊びの続編である。
 「彼女はバイオリンを弾き、彼はビオラを弾く」
 これをスペイン語でいうとこうなる。
 “Ella toca el violín, y él la viola.”
 英語に訳すと“She plays the violin, and he the viola.”になる。
 何がアブナイかというと「ビオラ」である。“viola”はもちろん、楽器の「ビオラ」で、「~を演奏する」というときは、楽器の前に、英語同様、定冠詞をつける。“viola”は女性名詞なので、定冠詞は“la”である。
 一方、“viola”は他動詞“violar”の直説法現在3人称単数の活用形でもある。当然、目的語を必要とするが、目的語が代名詞の時は、スペイン語では動詞の前に出す。“la”は“ella”(彼女)の目的格代名詞でもある。ということで、”la viola”は”violates her”の意味にもなるのである(“violar”は英語の“violate”と語源は同じだが、英語では「(法令などを)犯す」の意味で用いらるようである。女性(だけでもないが)に対しては英語ではもっと露骨な言葉が使われるようだが、ここではちょっと差し控える。“violence”とも関係のある単語である)。
 それにしても、女性がうかつに男のそばでバイオリンなど弾いていると、アブナイということだ。特に、ビオラを演奏する男にはご用心(ただし、やんごとなき方々を除く)。
 ついでに言うと、“tocar”には「触る」という意味もある。楽器を弾けない男は“tocar muchachas”(女の子に触る)ぐらいしか能がない。


CALZON

2013-03-04 11:22:20 | スペイン語
 裸の中国人女性は中国語で“Chin Cal Chon”という、というジョークがコスタリカにあったことは前回紹介した。[ʧ]音を[s]に置き換えると“Sin Cal Zon”となり、“sin calzón”(ノーパン)と同じ発音になるのであった。
 さて、“sin” (without) の反意語は“con” (with) だが、筆者の配偶者の祖父(中国人)の姓が“Con”だったこともすでに紹介した。どんな漢字だったのかはわからない。名前の方は“Rafael”だったが、元の中国名は何だったのだろうか。まさか、“Con Cal Chon”(Con Calzón、パンツをはいている)ではないと思うが。
 「カルソン」は日本では「スパッツ」とも呼ばれ,脚にぴったりとした伸縮性のあるパンツのことをいうそうだが、本来の意味は下着の「パンツ、パンティー」である。
 スペイン語の“calzón”から派生した言葉に“calzoncillo”というのがある。これは“calzón”同様、下着のパンツの意味である。「ズボン」の意味はない。かつて、筆者はコスタリカで、男物のパンツを買いに行ったことがあるが、「“calzoncito”をくれ」と言ったら、にやりとされたのか、それとも「だれがはくのか」と言われたのか、覚えていないが、男物は“calzoncillo”だと教えられたことがある。“cito”にしても、“cillo”にしても縮小辞には違いがないのだが、男物と女物の使い分けがあったのである。


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