明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



被写体は出来ているのに、なんで撮影に取り掛からないのか。ハジの方から撮影して行けば良いのに、と思っていた。 かつての日本人が何故陰影を描かなかったか知らない私からすれば、遠くに行くほど開いて行く逆遠近法で何故描くのか、も知らない。64年の東京オリンピック時、縦列に走る選手が、後ろの選手の方が大きく見えるのか奇妙であった。望遠レンズだったわけで、市川崑の名作『東京オリンピック』でも多用されていた。 私は人形のサイズから大半が28〜35ミリのレンズで撮って来た。そもそも写真を始めたのは、人形を個展会場に、いくらライティングしようと、これを作った私にはこの人物はこう見えている、というところまでは表現出来ないと思ったからである。 先程テレビで、西洋では傘はさしていても雨は描かなかったが、広重は雨を線で描いたといっていた。描きたければ描けばいいし、描きたくない物は描かなければ良い。

 



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )