明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



虎と豊干と寒山と拾得が寄り添うように寝ている四睡図は星の数ほど描かれて来た。私の場合、今のところ寄り添うというより、絡み合った蛇が作る蛇玉のようにひとかたまりに絡み合うような状態をイメージしている。私は常にやり過ぎてしまうことは自覚しているが、最近手掛けるモチーフは何の遠慮も必要ない。そこも私を有頂天にしている。 豊干は貫禄を付けようと加工しているうちに、まぶたが重く垂れ下がった。それが好都合に、ちょっと、うつ向かせるだけで眼をつぶっているように見える。このように、首を様々傾け、効果的な表情を見付け、身体部分のポーズを決める。さらには写真作品の構図も決まることになる。何を置いても人物の表情が私の作品世界の中心である。人形を被写体として以来、ずっとそうしている。そのために背景の左右を反転させることくらいどうということはない。私が作った物ではないので、かまうことはないのである。 真を写すという意味の写真という言葉に抗い続けた旅路の果てにここに至る?



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