明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



ようやく深川江戸資料館に九代目市川團十郎を搬入する。何もしていない團十郎にしたが、眉をいくらかキリッとさせた。何しろ坪内逍遥が「写真を撮られるのが下手」というほど、写真には荒事の成田屋は写っておらず、まして普段着の九代目は切な気でさえある。 もう少し顔に陰影を出したかったが、ケースの天井に光を柔らかくする物が付いていてそうはいかなかった。今はさすがにそうではないが、裸電球1灯の下でながらく作ってきたので、コントラストの高い照明を好む。この顔の下に埋もれてしまったが、最初のバージョンの九代目も写真だけでも展示してもらおう。展示は「歌舞伎と深川」コーナーに11月12日まで。昨年の個展で出品できなかったことさえ忘れていた徳川慶喜だが、最初の構想では九代目他、幕末期のメンバーのコーナーを作るつもりでいたが、坂本龍馬も出せなかった。出せなかった物だけでも個展が出来る程だが、担当者と飲んでいて、松本清張も出せなかったのを思い出した。

HP

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