明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



三遊亭圓朝像は先日完成した九台目團十郎と比較するとかなり小さい。というより團十郎が大きすぎたのだが。圓朝のそのサイズに合わせた金屏風、火鉢、鉄瓶などすでに用意してある。両脇に二本立てる燭台は、撮影用の実物はすでにあるので、展示用の燭台はおいおいということで。後は湯飲みと扇子くらいか。  九代目のように有名な制作者の先達がいると、やはり違った味を出したいと考え、若い40才代の九代目にした。口の悪い三世沢村田之助にはまだ“大根”などと陰口を叩かれたかもしれない。 また松尾芭蕉像のように、実像のことなど無視して、ただ枯れた老人像が全国に数千体も乱造されていると、意地になって弟子の描いた芭蕉像のみを参考にしたりして。圓朝像となると、いくら検索しても出て来ず、立体像は存在していなさそうである。文学芸能にこれだけ貢献した人物で記念像が存在しない、というのは不思議である。だったらそれはそれで手付かずの土地を好きに耕して下さい、といわれているようで、なんとも清々しいことではある。気になっていた小島政二郎著『三遊亭円朝』(河出文庫)上下をヤフオクにて落札。小島だったら圓朝の真の姿に迫っているかも、と期待。

HP

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