明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



「文化文政の頃は知りませんが、明日が日にも江戸が潰れるといふ時にも、奇人は多かつた。」「私が奇態に思つたのは、浅草に居る時分に、年中寝ていた乞食があつたが、五十歳近くでしたが、それが蔵前の大睾丸(おおきんたま)といつて、睾丸が一斗以上になつてるので肩から汚い晒しで吊っていた。昔の乞食はみんな菰を持っていた。所謂本当のお菰さんでした。その菰を上へきて睾丸をぶらぶらさせて札差の所に行って貰うのです。所が札差のところなどでは酒の燗冷ましや飲み残りなどが何時でもある。それを大睾丸は瓢箪を持って居てもらって歩く、だから年中酒に酔っていて、何時でも真っ赤な顔をしていた。従って睾丸は膨れ放題だった。」 蔵前のおおきんたまといえば下町では誰でも知っている有名人で、睾丸を引きずりながら往来を綺麗に掃除して歩くのでみんなに可愛いがられたそうである。大睾丸とはフィラリアからくる象皮病であろう。 西郷隆盛もこれで、斬首された遺体は、この大睾丸で西郷だと判ったという。 本日は私の記念すべき日にふさわしいブログとなった。
HP

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