明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



明日には届くであろう『円朝』(小島政二郎著)を松岡正剛が『千夜千冊』で評していた。山岡鉄舟を師と仰ぎ、禅を修行した人物であったが、読む限り、やっぱり円朝は立派な人物だったようである。鉄舟の剣禅稽古にへこたれるような男ではなかった、とある。 人をすぐ信じちゃうんだから」。といわれてしまう私だが、作るとなるとそーはいかない。文豪といわれる夏目漱石でさえ自らのワシ鼻を写真師に修正させているくらいだから油断は出来ないのである。鼻の形なんて気にしてるようでは胃の調子だって悪くなるだろう。 造形的には鏑木清方のイメージに影響を受けることなく、照明で案配することにした。どちらにせよ円朝は下からの行灯や蠟燭の灯りで子供のとき懐中電灯でやった“オバケだぞ〜”調照明などで様々な表情をあぶり出す予定である。上からと下からの照明で、表情が一変する人物ほど効果的である。乱歩で一度やったが、平面的な顔でなおかつ目が細く、黒目が隠れてしまって効果は薄かった。円朝は小さいので、微妙なニュアンスまで醸せるかどうかは、やってみないと判らない。
HP

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