永野宏三のデザイン館&童画館  アート日和のできごと

イスラエル国立美術館、ミュンヘン国立応用美術館、国立国会図書館、武蔵野美術大学美術館図書館他に永野宏三の主な作品が収蔵。

ファンタジックな余韻のある港町・門司港。

2011-05-07 05:19:47 | アート・文化
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ホーム・リンガー商会。〈C〉永野宏三・ひろみプロ

門司港西海岸の遊歩道は25年前くらいまではありませんでした。当時、将来を門司港を観光地にするという都市計画の企画で西海岸は姿を変えたと思われます。
西海岸にあるホーム・リンガー商会は裏側玄関までが海でした。海岸沿いに船会社のビルが立つ並ぶ様はいかにも港町といった風情がありました。岸には、はしけがずらっと泊っていました。
どのビルも一階は今では観光客向けのレストランになっていますが、昔は港湾業務で働く人達の食堂や喫茶店でした。
昔ここで働いていた知合いの人が、「ここは結構便利やったよ。家から勤め先が近いし、買物は栄町が近いし、駅は近いし、なんでも便利にできた街やった。この街はすっかり変わってしもた」といいます。この手の話を聞くたびに時代の変化を感じるものです。その時代にいないと、イメージできないことってありますよね。現代は大事なものを捨て去り、どうでもいいようなもので都市を飾ろうするところがあるんじゃないでしょうか。
ホーム・リンガー商会のビルは表玄関から眺めもいいのですが、海岸の防波堤からの眺めがぼくは好きです。アイボリーの建物壁面にサンセリフ書体で3階部に『RINGER』、2階部に『LLOYDユS AGENCY』とスカイブルーでくっきりとペイントされているホーム・リンガー商会のロゴタイプは、すごくモダンなデザインを感じます。こういうところが昔からある門司港の粋の良さなんですね。
ホーム・リンガー商会はもともと下関にあって、1952年に現在地に移転して現在あるビルが建てられています。
ホーム・リンガー商会のはホーム・リンガーというイギリス人が興した船会社です。実質的にはその息子さんがつくられたらしいです。ホーム・リンガーという人は、明治維新のころ長崎で商売をしていたトーマス・グラバーの社員だつた人です。下関にはイギリス領事館が昭和16年まで開設されていましたから、重要な関門貿易に目をつけたのでしょうね。当時からグローバルな関門であったわけですね。



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