永野宏三のデザイン館&童画館  アート日和のできごと

イスラエル国立美術館、ミュンヘン国立応用美術館、国立国会図書館、武蔵野美術大学美術館図書館他に永野宏三の主な作品が収蔵。

コンテンポラリーな灯り。

2011-03-03 13:38:12 | 日記・エッセイ・コラム
同時代と云えば、現代的なことだけではないと思います。ひとつの時代を経て現代までの道のりを歩んできた物語りもあると思います。
先月、門司港の町を歩いた時に老松町の中央市場に二年ぶりに訪れてみました。中央市場は基点を関門トンネル入口近くの老松公園横にある歴史ある市場です。国道3号と平行して錦町まで繋がる市場です。通りは2m巾ほどある細長いアーケードの街です。
久しぶりの中央市場アーケード街はほとんどが店を閉じていて、いわゆるシャッター通りになっていました。時世にも負けず、鮮魚店、乾物店、小間物屋さんなどが数軒しっかり営業していました。二年前まではまだ結構お店があったのですが、時代の流れで通りの様子を変えてしまつたのでしょうか。でも、この通りを歩くとほっとした気分になりました。こういう感覚は、体験としての子どものころからからだに染み付いた典型的な下町の商店街形態というか面影がそうさせるのでしょうか。いわゆる私的憧憬原風景というものかなと思います。メモリーから消そうと思っても消せない感覚です。
小さい間口と軒先での商いは何か引き付けるものがあります。店の奥からの灯りがそうさせるのかもしれません。
市場の通りを錦町に抜けて小原市場にも足を向けてみたら、市場の中にたぶん昭和の時代を演出しているのでしょう、いわゆるレトロに引っかけた演出でしょう。小学校の教室らしきつくりものがありました。食堂のメニューを教室の机に見立てたテーブルで取らせようということなのでしょう。その演出にかえってうら寂しい気持ちになってしまいました。同時代というのも、思い入れのボタンをかけ違えると違った意味を持つものになってしまいます。


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老松町と中央市場。(C)永野宏三・ひろみプロ



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