凡そ、平凡。-ohyoso,heibon.

副業的サラリーマンの競馬バカが、そんなコトとは全く関係なく、日々のうつらうつらしたことをあーだこーだと語る、趣味の駄文。

「ちなみに・・・」

2012年02月21日 | 映画
ここのところ映画づいてます。
・・・っていうか、「観たい映画」の殆どが年末から春までに公開されてしまうので、
ひたすら時間作っているのが現状。
・・・お陰で、殆どの時間が「寝るか食べるか競馬するか映画」に費やされております。

「ちなみに」
ワタシが観たいと思う、これから公開される映画ですが、
「ライアーゲーム~再生~」
「戦火の馬」
「全ライダーVS全スーパー戦隊」
「SPEC劇場版」

…今わかっているだけで、月2本ペース。
まぁ、普通に時間が取れれば観れない本数ではありませんが…
休み取る自体が死活問題の現状としては…

それでも観に行くんですけどね。

てなわけで、今回。

「麒麟の翼 劇場版新参者」

えー、一昨年、TBS日曜劇場で放送されていた、東野圭吾さん原作の「下町ミステリー」の最新作でございます。
怪優・阿部寛さん演じる変人刑事・加賀恭一郎が、東京・日本橋で起きた殺人事件の真相を、1シリーズ全10話かけて
謎説く、という、とっても気の長い話でありました。
その後、昨年の正月スペシャルでは、加賀の過去をひも解く話「赤い指」が放送。
そして、シリーズ最新作である今作が、映画化された、ってぇ話。
「赤い指」からは3年、「新参者」からは2年が経過し、加賀は日本橋署の「新参者」から、日本橋署の「名物的な変人」
になっております。


日本橋・麒麟像の下で、一人の中年男性が死んだ。
腹部にナイフを刺されたまま、犯行現場から離れた麒麟像まで、おおよそ8分かけ、助けも呼ばずに歩いた被害者。
加害者と目される若者は、現場近くの公園で隠れながら携帯で恋人に連絡しているところを、巡回中の警察官に発見され逃走、
大通りに出たところでトラックに撥ねられ、意識不明の重体。

警視庁捜査本部は、その不審な行動と、持ち物から被害者の所持品が出てきたことから、この若者を犯人と断定、万が一そのまま意識が戻らなければ、「被疑者死亡で送検」の方向で捜査を終えようと考える。

しかし、…
被害者の家が日本橋から離れており、行動範囲として「麒麟像周辺を夜歩く」ことが考えづらいこと。
被害者の持ち物から、家族も知らない「新宿のネットカフェの会員証」「デジタルカメラ」「メガネケース」が出ていたこと。
そして、被疑者の恋人による、事件当日にあった電話内容の不自然さ。
これらから、「嘘」と「秘密」を感じ取った日本橋署の加賀は、警視庁捜査一課の松宮とともに、再び「日本橋の街並み」をひたすら歩き出す。


えー、冒頭のあたりだけをなんとか説明しておりますが、要するにテレビ「新参者」のパターンを踏襲しつつ、2時間半くらいの枠内で「嘘」と「秘密」と、それらの元となった「人情」を描こう、という作品であります。

とはいえ、今回は犯行現場が「日本橋」というだけで、まぁ、出てくるのは「日本橋七福神」の神社と、人形町界隈の甘味処くらい。…あとは被害者や被疑者に関する場所だけですので…
まぁ、テレビ放送時の「ちぃ散歩」的な要素は弱い。
まぁ、それだけは申し上げておきましょう。


結論から申し上げますと…
テレビとしての「新参者」「赤い指」をご覧の方にはお薦めします。
また、同じ「東野圭吾作品」である、「ガリレオ」シリーズの「容疑者Xの献身」を観られた方にもお薦めいたします。
ただ、「東野圭吾っていうより、『流星の絆』は面白かったよね」とか、「『ガリレオ』みたいな作品より、『白夜行』のが好きなんだよね」という方にとっては…
まぁ、物足りないでしょう。

正直、地味です。

個人的に「阿部寛」さんという役者さんが好きなのと、当たり外れを感じながらも「東野圭吾さんの原作モノを観てしまう」のと、「新参者」という作品が好きだったので観に行った…観に行ったら「新参者スペシャル」だった、というのが率直な感想。

面白いし、キャストも豪華だし…でも、映画としては地味だよね、てぇ感じです。

物凄い事件でもなく、何か大きな力が暗躍するようなものでもなく、社会問題になるようなものでもなく、
謎解きが凝っているわけでもありません。

加賀はひたすら「真実の究明」の為に、歩いて、聞きこんで、その裏付けを取って、納得できる結論を導き出そうとする。
ただ、それだけです。
真相が解ってしまうと、「なぜあの時…」という後悔だけが残るような話。
…まぁ、日常的にありそうな話です。

まぁ、これは「新参者」という作品自体が、そういう作りになっているから、なのですが。

ただ、言えるのは、東野圭吾さんの作品って、共通して言えるのは「犯罪に至ってしまう人って、やっぱどっか弱いんだよね」という描き方。
「人間だれしも弱い」じゃなくて、「弱いからそういう結論に至る」的な描き方。
…うーん…
その「弱さ」の犠牲になる側にとっては、どうなの?…という感じ。
まぁ、こういう作品で「加害者に同情するような描き方はよろしくない」のは解るし、その通りなんですけどね。

…そこについては描き方すら弱いんですよね、今回も。

まぁ、それが本筋にならない作品でもあるんですが…。



解り合うには「死んでから」では遅い。
もし、「何故?」と思うなら、一言でいいから、「何故?」と。
優しい口調で相手に問いかける。
それが、後々悔やまない秘訣。

まぁ、要するにそういう話。


ちなみに…
個人的に東野圭吾さんの作品についてワタシが思うところ…。
「決して野○伸▲さんの脚本では映像化して欲しくない」ということでしょうか。
…くどくなりそうなので。