凡そ、平凡。-ohyoso,heibon.

副業的サラリーマンの競馬バカが、そんなコトとは全く関係なく、日々のうつらうつらしたことをあーだこーだと語る、趣味の駄文。

いつか来た道風。

2008年08月11日 | 本・漫画
えー、活字が好きです。
たまに電車に乗ると、車内広告を端から端まで読んでたり。
トイレ入ると常になんか読んでたり。
競馬新聞に至っては、下手すりゃずー――っと…

その割りにね、長編小説とか、飽きちゃう。

何でですかね、なんか、短いのが沢山、てな方が、長続きするんですね、ワタシ。

マンガについても似た傾向があります。

たまにね、一冊で完結する作品なんか、衝動買いしちゃいます。


で、今回のネタ。

講談社から出てる作品。

ルート225
作/藤野千夜さん
画/志村貴子さん

すいません。
お二方とも知りません。

志村さんは「放浪息子」「青い花」、藤野さんは「おしゃべり怪談」「夏の約束」という作品があるそうです。

すいません、知りません。
まさに衝動買い。

藤野さんの原作小説は、理論社と新潮文庫から発刊されているそうですが…

すいません、知りません。

で、こんな話。

ごく普通の15歳・姉、エリコ。
サバサバしてるが、無神経で口が悪い、どこにでもいる女の子。

ごく普通の14歳・弟、ダイゴ。
おとなしくオドオドしている。良く言えばお人好しな男の子。

二人にはごく普通の父と母がいる。


母に急かされ、帰りの遅いダイゴを迎えに行ったエリコ。
下校ルートの公園前を通りかかると、ダイゴがワイシャツを脱いだ姿でブランコに乗っている。
ワイシャツの背中には悪戯書き。
ダイゴは「友達の洒落だ」というが。
たぶん、「いじめ」。

そんなことよりも家に連れて帰ろうとすると…。

あるはずのない、海岸。
来れるはずのない、海の街。

そこで、二人は「いるはずのない人」と出くわす。

…ここから、二人を取り巻く世界が変わる。

道に迷うはずもないのに、家にたどり着かない。

それでも何とか帰りつくと…。

いるはずの「両親」がいない。

そして翌日。

帰らない両親。
いるはずのない後輩。
疎遠になったはずの友人の仲が、戻っていたり。
幼馴染みとは食い違う記憶。

要するに、「自分ではない、自分の世界」→パラレルワールドに迷い込んだ姉弟。

ここから、数々の「記憶のダンジョン」を迷いつつ、「良いヤツ」な幼馴染みの協力を得て、二人の「帰る旅」が始まるわけですが…。


なかなか「たった一巻」で楽しめる作品でした。

しかし、アレですな。

女性が描く「思春期の女の子の感性」てな、決して可愛いモノじゃないですな。
エリコという女の子、とてつもなく無神経。
父親には暴言、母にはつっけんどん、友達にも気遣いなし。

でも、この年代って、こんなモンかも知れません。
気付かないうちに誰か傷つけたり。
歳の近い兄弟や肉親をうざがったり。
悪気はないのに悪ぶったり強がったり。

自分にも覚えがありますよ。
自分が思うほど、大人でも子供でもない世代。

そこら辺が、ごく当たり前に描かれていて良かったかと。

あくまでマンガ版ですが、原作も読んでみようか、という気になりました。


さて、二人が元の世界に戻れたのか。

それは定かではありません。
が、それでも明日は来る。きょうも、ごく普通。

そんな世界のようです。