凡そ、平凡。-ohyoso,heibon.

副業的サラリーマンの競馬バカが、そんなコトとは全く関係なく、日々のうつらうつらしたことをあーだこーだと語る、趣味の駄文。

古本屋というところは・・・・。

2006年04月25日 | 本・漫画
昔っから「活字」が好きなワリには、ホント、行かないトコなんですよ。
まして、チェーン化されたトコとかね、「マンガ喫茶」とかね、ホント、行かない。

別にね、何か特別な「コダワリ」とかある訳でもないんですよ。
ただね、
「ご不要になった本、高く買いますー」なんてまあ言われますってぇと、
「いらなくなった本なんて、滅多やたらとねぇんだよ、うちは」なんて具合に突っ張ってみたくなる。
なんでしょうねぇ。
なんだかね、どーも、CDと本には、どーも昔っから思い入れがあるみたいなんです、ワタシ。
ンなモンだから、「いらなくなった」本を置かれている本屋に、「自分が正に探している」ようなものがあるなんてぇ気には、どーにも・・・・って、そこら辺なんですかねぇ。

お陰様で、ワタクシのうちは「新刊」が、「古い本」よりも酷い保管状態でホッポリ出されてます。
いや、置き場もないし、整理する時間もないし。

て、まぁ、そんな前置きはさておき。

前置きだったんですよ、いっときますけど。

えー、一昨日になりますけど、「♪本をうっるなら~」なんてぇCMソングのある古本屋に立ち寄りまして、なんだかかんだか観て歩きました。
いや、・・・・他に行くとこも無かったんでね、「どんなもんなのかなぁ」なんてね。
で、元々「活字」は好きなモンですから、もー、文庫本が並んでいる棚なんか、端から端までタイトル見ちゃうんですよね。
「あ、これ読んだ」とかね、「ああ、こんなん置いてあるんだ」なんてね。

凄く惹かれる本がある訳でもない。
でもね、フツーの本屋ではもう、「とっくに置かなくなった」本なんか、「フツーに」置いてあるんですよ。
もう随分前にお亡くなりになった、景山民夫さん(高田文夫さんとラジオ番組なんかやってました、放送作家の方ですな)の小説とかね、「根っからロック」な山川健一さんの初期の小説とかね、まだ、「ロードオブザリング」なんてぇタイトルじゃないときの「指輪物語」とかね、まぁ、そんなものです。

ワタシですね、まぁ、うろうろ、ぐるぐる、棚の間歩きながら、「ほぉ」とか「へぇ」とかばっかり言ってました。

えー、そんな中で・・・・。
こらもう、ホントに、フツーの本屋さんじゃ、置かれなくなりました。
一度、置いてあるのを観て、ワタシはちょっと、涙腺が緩みそうになったことがあります。
・・・・あのね、年取ると、ホント、強気な方でも多少、緩くなるらしいですよ。あと、「トクダネ!」によりますとね、「泣く中年」てのはハヤリらしいです。

しかし、言いか悪いかなんて関係無いんだね、ハヤリってのは。
麻疹みてぇだとは、よく言った。
・・・・話ずれますな。

ええと、・・・・フツーの本屋だとめっかんない本。つうか、作家。そして、ワタシが敬愛してやまない方。

故・永倉万冶さん。
多分、ご存知の方はご存知だろうし、ご存じない方は、もう、多分、一生巡り合うことも・・・・まぁ、そこまでいくと大袈裟ですが。

この方、若い頃は定職もなく海外放浪してたり、バイトしてたり、東京キッドブラザースで舞台役者目指してたりしたのち、「ポパイ」だったかなぁ・・・・で連載エッセイ「みたいな」ものを書いて・・・・それが後に本になったりして作家になった方。
文体としては「とてつもなく軽妙」で、なんだか後を引かない。「代表作」と言われると・・・・「なんだろーなぁーー」と、考えてしまうヒト。
ちょうど年齢的にね、かなり落ち着いてきた頃にですね、・・・・頑張っちゃってたんでしょうね・・・・脳溢血で倒れられて、「もうダメか」てなとこまで行ってしまわれたんですが、これがまた、奇跡の復活。
その後、リハビリして作家として再活動してらっしゃったんですが・・・・数年前、病気再発により他界されました。

いや、ホント、惜しい方を亡くしましたよ。
ホントに。
こんな文体で書いてますけど、ホントにそー思ってますよ、ワタシ。
暫く亡くなられたっての自体、信じませんでしたからね当時は。
「ホントに亡くなったんだ」って感じたのは、最後に出版された「黄金バット」という小説のあとがきを読んで、ですから。

で、この話が何処に続いていくかってですとね、
その、「♪本をうっるなら~」の古本屋さんの棚をぐるぐる回ってたらね、あったんです。
講談社文庫の黄色い背表紙で、永倉万冶さんが書いた、数少ない「長編小説」のうちの一つが。
タイトルはですね、
「陽差しの関係」っていいます。

随分前に読んでまして、多分、どっか(実家だか、今の家だか、それもさだかでないんですが)にあるハズの本なんですけどね・・・・。
文庫だし、「¥105」なんてぇ値付されてたんで・・・・迷わず買いました。
なんつうんですか、「ある」「ない」じゃないんですね。
もう、「再会してしまったが故に」もう一度、買って読みたいと。
そんな感じです。

えー、内容はどんなか?

・・・・なんつうんですかね、「決してカッコ良くない青年が、決して凄く美人でもない女性に恋をして、決して素敵なロマンスに発展するわけでもない」・・・・・要するに、「フツーの、どこにでもいるヒトが、だれでもするよーな恋愛で奮闘する」、ありふれた話・・・・ですかね、言ってしまえば。


ただね、ワタシは「電車男」よりも「じいん」と来ましたよ、当時は。
これで読みたくなった方は、ちょっと頑張って探してみてください。
・・・・なかなか難しいですよ、ホントに。


永倉万冶