凡そ、平凡。-ohyoso,heibon.

副業的サラリーマンの競馬バカが、そんなコトとは全く関係なく、日々のうつらうつらしたことをあーだこーだと語る、趣味の駄文。

「枕が替わると」

2005年07月14日 | 本・漫画
「寝つきが悪くてしょーがねえや」、なんてぇことを言いますが、その枕じゃあない。

ああ、久々だなぁ、この感じ。
ここんとこ、何気に「普通の書き出し」でしたからねぇ。

えー、毎度、閑散たるお運び、御礼申し上げます。

最近、ワタクシがハマっておるのが、なんと「落語」。
・・・・いや、正確に言いますと、「噺家の本」ですな。
きっかけは、世間様の『いま、落語がキテルらしいよ』と同様に、TBSドラマ『タイガー&ドラゴン』ですが・・・・。
とはいえ、まぁ、正直言って、今までだって、「全く興味がなかった」わけでもない。
なぁんせ、もともとがこんな文体書く男ですから、「起承転結がハッキリしていて、噺に上げやら下げやらノボリやらオチやら」が・・・・って、アガリってのがあるのかどーかは解りませんが、・・・・電車じゃないしね、寿司屋でもないし。・・・・まぁ、ともかくは「噺の持っていき方」に拘ってるトコはあるんですよ、こんなんでも。


そんなんですから、「落語」ってのは、ともかくタメになる。
導入→受けて流す→盛り上げる(転がす)→落とす、こういう「ストーリーの基本」ってぇのが、はっきりと約束されてますから。
かの大漫画家・故手塚治虫先生を仰ってました。
「物語の基本は『起承転結』である」と。
まぁ、・・・・手塚先生の話はともかく、ワタシみたいな市井の素人モノ書きにも、そこらへんは十分タメになるんですなぁ。
つうかね、そんなことよりなにより、面白いんですわ、理屈抜きで。

それはさておき、ハマっている本つうのが、これ。

柳家小三冶師匠の「ま・く・ら」。
いやぁ、「枕が替わると」なんてぇ言いますが・・・・ってその枕じゃない?
・・・・って、これは実のところ、この本に寄稿した小三冶師匠の「あとがき」の「まくら」だったりして、しっかりパクらせていただいた次第。


「えー、『柳家小三冶はまくらが面白い』なんてぇ言われます。・・・・考えてみりゃ、あんまり褒め言葉じゃあない。じゃぁ、『噺は面白くねぇ』ってのかい?」なんてぇ、書いておられますが・・・・。
この本、その、小三冶師匠の独演会などでの噺、寄席などでやった古典落語の「枕噺」なんかを、そのまんま文章化した本でありまして、続編(つうか、第2編になるんですかね)「もひとつ、ま・く・ら」なんてもの出ている。
いやー、この内容がねぇ。・・・・面白いの、なんのって。
「一大決心して、アメリカへ留学したけど」話やら、「駐車場にすみついたホームレス」なんてぇ実話から、「正しい玉子かけご飯の食べ方」なんてぇ、それこそ「なーんでもない話」まで、一家言ありそーで、なさそーで、タメになりそーで、タメにならない。
でもねぇ、「言葉」を「文字」にしたものなのに、ほんとーに話の展開に引き込まれるんですなぁ。
・・・・さすがはプロ。つうか、落語協会理事。
いや、「威厳がある」とかじゃないですよ、「技」ですよ、「技」。
読んでるワタシが言うのもなんですが、「落語家(噺家)が、含蓄のある事言うワケがない」んですから。・・・・そんなんじゃ、笑えないし。

なんてんでしょうか、ともかくは、一気に読めちゃう・・・・つうか、一気に読まないとむしろつまんなくなっちゃう、「鮮度の」ある本、つうんですかね・・・久々に読んでます。

ただねぇ、ちょっとこの本、問題があるんです。
・・・・夢中になって読んでいて、気が付くと・・・・「朗読」してたりするんですね。落語だけに、下げまで調子よく。

「声に出して読みたい日本語」じゃないっての。