かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

馬場あき子の外国詠333 (スイス)

2016年11月09日 | 短歌一首鑑賞

  馬場あき子の外国詠45(2011年11月実施)
       【氷河鉄道で行く】『太鼓の空間』(2008年刊)166頁
       参加者:K・I、N・I、泉可奈、崎尾廣子、曽我亮子、藤本満須子、渡部慧子、鹿取未放
      レポーター:N・I
      司会とまとめ:鹿取 未放

333 標高三千されど異(こと)なる体感ありアッパームスタン、ユウングフラウ・ヨッホ

     (まとめ)
 アルプスの旅は2006年、ネパールの旅は2003年である。馬場が行ったジョムソンはアンダームスタンで、アッパームスタンと呼ばれるのはジョムソンから馬で更に3~4日かかるガミ村からである。アッパームスタンは特別な保護地域で旅行者は事前に申し込み、1日1万円程度の観光税を支払う必要がある。
 ジョムソンは標高2,700メートル余、アッパームスタンのガミ村は3,600メートル、こちらの方が3,454メートルのユウングフラウ・ヨッホに標高が近い。事実とは違うが標高の近さで選ばれた地名だろう。ガミ村にしろジョムソンにしろ耕作地の緑はわずかで、あとは見渡す限り瓦礫が広がる荒地である。ヨーロッパからもトレッキングに訪れる人は多いが、ユングフラウのように登山鉄道やバスで行ける華やかな観光地ではないから、観光客の数は多いといってもたかがしれている。世界中から家族連れで訪れるアルプスとは全く異なる。高度は似たようなものでもアルプスとヒマラヤでは当然気分も体感も違うのだ。(鹿取)   
 

     (レポート)
 同じ高さの山に登ってもそれぞれの個性を感じられる作者なのです。(N・I)



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