かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

ブログ版 馬場あき子の外国詠308(トルコ)

2018年03月14日 | 短歌一首鑑賞
 ブログ版馬場あき子の外国詠42(2011年8月実施)
   【キャラバンサライにて】『飛種』(1996年刊)P139~
   参加者:N・I、崎尾廣子、T・S、曽我亮子、藤本満須子、
        T・H、渡部慧子、鹿取未放
   レポーター:渡部慧子    司会と記録:鹿取未放


308 駱駝の背の意外なる高さ東洋の絹発(た)ちゆきしキャラバンサライ

      (まとめ)
 キャラバンサライに観光用の駱駝をおいているのだろうか。あるいは、古いキャラバンサライの建物を利用して駱駝を飼育している所もあるらしいからそれを見ての感想かもしれない。キャラバンは駱駝に荷を積んで移動したわけだが、駱駝を身近で見てみると意外なほど背が高い。荷は振り分けにするようなので荷を積んでもこれ以上に高くなるわけではないが、その存在感の大きさに圧倒されたのだろう。そして東洋の絹が東西の中継点であるここトルコから、更に西洋まで運ばれていったのだなあという感慨をもつ。「東洋の絹」はもろもろの文物が発っていった中のひとつを例示しているのではあるが、ここはどうしても「絹」でなければいけなかった。シルクロードという名称だからというだけでなく、透明な秋の空気の中で遙かな昔を偲ぶには、柔らかい光沢をもつ絹のはかなげなイメージがどうしても必要だったからである。(鹿取)





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