馬場あき子旅の歌39(11年5月) 【遊光】『飛種』(1996年刊)P130
参加者:K・I、崎尾廣子、佐々木実之、曽我亮子、H・T、鹿取未放
レポーター:崎尾 廣子
司会とまとめ:鹿取 未放
295 実りたる向日葵の種子嚙みしむる脂は甘くしづかに渋く
(まとめ)
この辺りでは向日葵の種子を普通に売っているのであろう。かみしめるとその脂は甘くもあるがじんわりと渋さもある。渋いというところにキリスト教のもろもろも含めてトルコの経てきた苦い歴史や現代の苦悩を語らせているのだろう。「しづかに」のこころにしみ入るようなじんわり感が効いている。(鹿取)
(レポート)
アジアとヨーロッパが交錯する場所であったアナトリア半島の中央部にあって、今豊かに実っているのであろう向日葵の種子を嚙んでいる。嚙むほどに脂は濃厚で少しばかり渋いのであろう。あぶらは油ではなく脂なのである。その味わいの複雑さにトルコの歴史を、旅の日々を重ねているのかも知れない。トルコの歴史は深く魅力に富んでいるのよと言っているようである。(崎尾)
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