フランチャイズ開業&読書日記・・・どこまで行くの?

2010年7月からフランチャイズ店の営業開始。サラリーマンを辞めての再スタートになります。

完全実力主義の胡散臭さ

2010年04月02日 00時20分06秒 | 職場の話題
4月1日から新年度。
新たな目標に向かって仕事を始める方も多いのでしょうね。
さて、その目標設定ですが、
「成果主義が成果を生まない」と
笑い話のようなことが言われて久しいです。
それでも、会社人生の評価は生み出す「数字」で
客観的に測られることが多いです。

だから、会社によっては、
はじき出す営業数字で評価することを
「完全実力主義」と表現するかもしれません。
実際に、求人募集でウチは完全実力主義と表記している
会社のサイトを見かけました。

完全実力主義と聞くと、
なんだか公平な制度のように聞こえます。
発言している方も、
「公平である」と聞こえるように
言ってるつもりなのでしょう。
臆面もなく言ってますから。


では、この「完全実力主義」、
本当に公平な評価制度だと思いますか?

なにをもって「完全実力主義」というのか、
その定義も問題となります。
おそらく、売上と直結する営業数値だけを
モノサシとするのを「完全実力主義」だというのでしょう。

しかし、会社が「完全実力主義」というとき
これは給与制度と関わっていて、
給与を減らしたいときに、
わざわざこの言葉を使います。

だから、意図からしてまともな言葉ではない。


もちろん、競争は必要でしょう。
競争のないところに進化はなく
進化のないところに成果はない、と思います。

しかし、実力主義というとき
それは評価制度とワンセットで語られなければ
ほとんど意味がないはずですが、
成果を上げている行為を正当に評価するというのは
簡単なようで、意外と難しいのです。

たとえば、顧客100人を集めた店長。
単価が、他店より低かったら、売上には直結しません。
しかし、地域によって単価の上がりやすい地域、
上がりにくい地域はあります。
比較的富裕層の多い地域で高い単価を上げるのは容易です。
そういう地域に配属されただけでアドバンテージは高いでしょう。

では、前年度と比較する?
でも前年度同じ店でも別店長で
低い数字で推移していたら、成果を上げやすいし
逆なら成果を上げにくいでしょう。

また開店間もない店なら前年度伸び率を上げやすく
古い店だと、評判は浸透しているものの
新規顧客を開拓するのは難しいでしょう。

顧客100人を一人で集めた店長Aと、
従業員3人使って集めた店長B。
同じ顧客数でも、従業員一人当たりの顧客数が4分の1。
どちらを評価するのでしょう?店長Aですか? 
でも店長Bの下では、その後
店長クラスの従業員が次々と育っていったら?

このように、成果に対する評価は一筋縄ではいかず
誰もが納得いく評価制度をつくるなんて至難の業です。

成果を正当に評価し、しかも報酬に結びつけるのは
従業員のモチベーションを上げ
さらに成果を上げることのできる強い組織を作るためでしょう。

「完全実力主義」の一言で片づけられる簡単なことではありません。
それを、「完全実力主義」の一言で成果を評価し
報酬を決めようとしている会社には
胡散臭さを感じずにはいられません。

そんなくだらない一言で片づけなくても
強くなれる会社になるよう
自分の事業を育てていこうと思っています。

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