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はじめての宗教論 右巻 佐藤優著

2010年02月16日 00時03分30秒 | 書評 その他
「人はパンのみにて生くるにあらず」
という言葉を聞いたら、皆さんはどのように解釈しますか?

人間は動物と違って、エサが満たされていれば
満足するような存在ではないと解釈しましたか?

実際にこのような解釈をしている
一般人向けの啓蒙書は僕の手元にもあります。

しかし、本書ではこの解釈は完全に間違いだと
断定しています(p.62)
この文言の意味は、
『パンがなくとも神様が「天からのマナ」のような
最低限必要な食べ物を与えてくれるので、
人間は生きていくことができるということ』だ
というのです。

どちらのほうが説得力があるでしょうか?

佐藤優は、ご存じの通り、元外務省主任分析官で
背任容疑で東京地検特捜部に逮捕されます。
その時の模様を書いた「国家の罠」は
毎日出版文化賞特別賞を受賞しています。

逮捕された際、佐藤は絶望したり
自暴自棄に陥ったりすることはなかったといいます。
その精神力の強さはどこから来るのか?
「天国にある神様のノートには僕の名前が書いてある。
だから、この世が終わる日に僕が救済されることは
すでに保証されているので、心配がない。
問題は神様がこの試練を通じて、
何を僕に伝えようとしているかだ」(p213)
と考えていたそうです。

信仰の力ってすごいですね。
もちろん信者のすべてが
このように考えているとも思いませんし、
本書に記載されているように、
カトリック・プロテスタント・ロシア正教などなど
キリスト教内でも様々な考え方や信仰のあり方、
また地域ごとでの「類型」化がなされているようです。

実は、僕の父親は
同志社大学の神学部に在籍していたことがありました。
僕自身は明星高校出身なので、
カトリックのマリア会と縁があります。
信者ではありませんが、
高校の授業で週一聖書を読んでいました。
弟は現在教会に通っており、
キリスト教には家族で意外と縁があります。

だからというわけではありませんが、
佐藤優の言いたいことはよくわかります。

西欧社会の考え方はキリスト教の精神に
根ざしている部分があり、
キリスト教を理解しなければ、
西欧人の思考様式を本当の意味で理解できないだろうし、
佐藤が言うように、
宗教についての基本知識をもっていないと、
奇妙な宗教の虜になったりしてしまうでしょう。

本書の特徴は佐藤がプロテスタント・カリバン派の熱心な信者で
かつ宗教学者でもあることです。
実用書で一般向けだと
島田裕巳の数々の著書も優れていると思いますが、
本書もまた一味違った面白みがあります。

はじめての宗教論
右巻~見えない世界の逆襲 (生活人新書) (生活人新書 308)

佐藤 優
日本放送出版協会

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