12日からお盆休みに入り、
今年は6日間、しっかり休みを取ることにしました。
明日からまた営業開始です!
休み中は、読みたかった本を読み
会いたかった方たちにも会い、
エネルギーを充電しました。
好きな仕事をしているとはいえ、
休息を取ることはやっぱり大切ですよね。
仕事中はエネルギーを放電しているイメージですから(笑)
さて、ヒトに何かを伝えるときに
過不足なく難しいことをやさしく伝えることは
存外難しいことだと感じています。
やさしく伝えるために過剰になったり、
不足したりすることは常で
結局伝えたいことが伝わらないことのほうが多い
のではないでしょうか。
でも、さすがは長年新聞記者を務めた方だけあって
ナベツネさんが書いた本書はわかりやすかったです。
大衆を言葉巧みに扇動する政治手法の危険性を、
さまざまな識者の言葉を引用しながら
まことに的確に指摘しています。
そして、マスメディアについても
権力のチェック機能についての安易な期待には
警鐘を鳴らしています。
「一方で、不安で孤独で、衝動的になっている大衆層の増大があり、
他方で、少数者の掌中にいよいよ集中する高度の近代技術によって、
管理組織は巨大化して、多数の大衆を自由に動かす機構組織が発達し、
発達したマスメディアは、不安で無力感にとらわれた大衆を支配し、
操作するためのきわめて有効な手段となっている」112,113頁
「経験の長い新聞記者や研究者は、
困難な質問に対する考え深く、適切な答えは、
多くの場合、長い間の会話の後に出てくるものであること、
またその中断がながければそれだけ、
光彩のある考えが出てくることを知っているのだが、
しかし、電子工学的マスメディアは、
五秒以上の会話の中断を許さないのである」115,116頁
「相手にレッテルを貼って真に必要な議論を封じるのは、
大衆を扇動するデマゴーグの常套手段である」123頁
もちろん、本書の内容すべてに賛成することはできません。
新聞記者は、立場を超えて実際の政局に
極度に介入すべきではないと思います。
「匿名への情熱」も目立ちたがらない、
栄誉を求めないという点では美徳かもしれませんが、
一歩間違えば表に出ない分、無責任のそしりを免れかねません。
中選挙区制度には少数意見が多数意見に反映されてしまう問題点があり、
単純な回帰にも反対です。
制度とその運用を同じ次元で捉えて
ごちゃまぜに議論するのはよくありません。
制度自体の問題点とその制度を運用した時の問題点は
別の次元の問題点として区別すべきだと思います。
大事なのは、メリットとデメリット、物事の表と裏を
どれだけ意識しているか、その知性だと思います。
物事の一面だけを強調しすぎるのは、
その本質をかえって曖昧にし
あやまった判断を招きかねません。
「扇動」的政治手法に敏感になるのは、
それを操る政治家によって、
ミスリードされると感じるからです。
元気で威勢が良い政治家が、
もてはやされる世の中なのかもしれませんが、
「扇動」には安易にのっからない冷静な判断力は
必要かもしれません。
にほんブログ村
今年は6日間、しっかり休みを取ることにしました。
明日からまた営業開始です!
休み中は、読みたかった本を読み
会いたかった方たちにも会い、
エネルギーを充電しました。
好きな仕事をしているとはいえ、
休息を取ることはやっぱり大切ですよね。
仕事中はエネルギーを放電しているイメージですから(笑)
さて、ヒトに何かを伝えるときに
過不足なく難しいことをやさしく伝えることは
存外難しいことだと感じています。
やさしく伝えるために過剰になったり、
不足したりすることは常で
結局伝えたいことが伝わらないことのほうが多い
のではないでしょうか。
でも、さすがは長年新聞記者を務めた方だけあって
ナベツネさんが書いた本書はわかりやすかったです。
反ポピュリズム論 (新潮新書) | |
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新潮社 |
大衆を言葉巧みに扇動する政治手法の危険性を、
さまざまな識者の言葉を引用しながら
まことに的確に指摘しています。
そして、マスメディアについても
権力のチェック機能についての安易な期待には
警鐘を鳴らしています。
「一方で、不安で孤独で、衝動的になっている大衆層の増大があり、
他方で、少数者の掌中にいよいよ集中する高度の近代技術によって、
管理組織は巨大化して、多数の大衆を自由に動かす機構組織が発達し、
発達したマスメディアは、不安で無力感にとらわれた大衆を支配し、
操作するためのきわめて有効な手段となっている」112,113頁
「経験の長い新聞記者や研究者は、
困難な質問に対する考え深く、適切な答えは、
多くの場合、長い間の会話の後に出てくるものであること、
またその中断がながければそれだけ、
光彩のある考えが出てくることを知っているのだが、
しかし、電子工学的マスメディアは、
五秒以上の会話の中断を許さないのである」115,116頁
「相手にレッテルを貼って真に必要な議論を封じるのは、
大衆を扇動するデマゴーグの常套手段である」123頁
もちろん、本書の内容すべてに賛成することはできません。
新聞記者は、立場を超えて実際の政局に
極度に介入すべきではないと思います。
「匿名への情熱」も目立ちたがらない、
栄誉を求めないという点では美徳かもしれませんが、
一歩間違えば表に出ない分、無責任のそしりを免れかねません。
中選挙区制度には少数意見が多数意見に反映されてしまう問題点があり、
単純な回帰にも反対です。
制度とその運用を同じ次元で捉えて
ごちゃまぜに議論するのはよくありません。
制度自体の問題点とその制度を運用した時の問題点は
別の次元の問題点として区別すべきだと思います。
大事なのは、メリットとデメリット、物事の表と裏を
どれだけ意識しているか、その知性だと思います。
物事の一面だけを強調しすぎるのは、
その本質をかえって曖昧にし
あやまった判断を招きかねません。
「扇動」的政治手法に敏感になるのは、
それを操る政治家によって、
ミスリードされると感じるからです。
元気で威勢が良い政治家が、
もてはやされる世の中なのかもしれませんが、
「扇動」には安易にのっからない冷静な判断力は
必要かもしれません。
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それで、小選挙区制比例代表並立制が導入された。が、政治家の資質も向上しなかった。それは、日本人の頭の中に問題があるからである。
現実界の現象は多岐にわたる。個人の意見は一人ひとり違っている。政党が、時流の中を泳ぐ人たちの集まりでできていては、身動きならない。
人々が団結して現象界に改善を加えるためには、千変万化することのない哲学の内容で人びとを事前に団結させなくてはならない。それができれば、人々は建設的になり、有効な現実対応策を打ち出すことができる。
ところが、日本人には哲学がない。ほとんどの人は、無哲学・能天気で教養がない。だから、いくら政治改革を望んでも政治音痴から抜け出すことはできないでいる。