謎手本忠臣蔵〈上〉 (新潮文庫) | |
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謎手本忠臣蔵〈中〉 (新潮文庫) | |
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謎手本忠臣蔵〈下〉 (新潮文庫) | |
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読みなれた物語ですが、忠臣蔵は、本当におもしろい。
忠臣蔵のストーリーは、
「刃傷事件」と「討ち入り」が大きな構成となっているのですが、
刃傷事件には、いまだに解明されていない謎があります。
それは、赤穂藩主・浅野内匠頭長矩が吉良上野介に対し
江戸城内で刃傷事件をおこすほどの「何を」怒っていたのか、
刃傷事件の原因です。
もちろん、さまざまな答えは用意されています。
短慮説、精神障害説、乱心説、賄賂強要説、怨恨説、塩田説など
いろんな作家や研究者が提示していますが、決定的な決め手に欠けるのです。
そこに、作家としての創造性が発揮され、
読者の好奇心が集まるのかもしれません。
謎手本忠臣蔵では、その謎に挑戦します。
当時の時代背景と権力者たちが何を考えていたのかを基軸に
緻密な論理の積み重ねが、推理小説にリアリティをあたえ
おもしろさを倍増させていきます。
刃傷事件が起きたのは、徳川綱吉の治世で
荻原重秀の貨幣論や、渋川春海の大和暦も
物語に微妙に絡んできて、
歴史ファンの好奇心をくすぐります。
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